せどりテクニック

ブックオフで買ってきた本をアマゾンで売る
それがせどりだヽ(*゜゜*)ノ

田よ永遠に

2004年04月28日 11時52分57秒 | 小説
「いや、ケチったわけではないんだが」
目の前の席で目を丸くしている哲子に向かって
説明というか言い訳をした
机の上のトレーの上には
ハンバーガーが二つと水が二つ乗っている
水というのは、紙コップに入っているといえば解って貰えるだろうか
メニューにないが、お水は頼めば貰えるのだよ
成田空港他ペットボトルのミネラルウォーターを売っているマクドナルドが日本にも存在するが
水を下さいといわれてそれを売ってクレームになったこともあるらしい
私もコンビニでバイトしている時
おじさんにペンを(貸してくれ)言われて
そこにありますと陳列棚を指さしたら
!?と驚かれた記憶があったりするのだが
「えっと、先輩その…」
「うん、君の言いたいことは解るゾ
確かに、もうハンバーガーは半額じゃない」
「…」
大体、こいつは最初っから自分で払う気もないくせに
ハンバーガーと水で何が不満なのだろう
「これはね、象徴的メニュー
ある意味”禊ぎ”なのよ
そして、適当なことを言わせて貰うと
藤田田(デンと発音して下さい)追悼メニューね」
「そうなんですか、でも良くこんな恥ずかしい注文出来ましたね」
失礼なことを口走りながら
ハンバーガーにパク付く哲子
「あぁ、ここはね特別で
知り合いがね、居たもんだから」
私も水を一口


哲子に400円渡して
ホットコーヒーを二つ買ってきて貰うことにする
ニコニコして何も言わずにお金を受け取って
カウンターにかけていく哲子
見送りながら、お金の力を実感する私
「魔力だなぁ」
お金は量じゃない
時と場合と使いようによっては
100円でも豪勢ぶる事が出来るのだ
「ハサミと一緒だ」
「ハサミですか?」
丁度帰ってきた哲子が言った
「ハサミなら私、ほら」
カバンからハサミを差し出す
「あんた、いつもそんな物騒なもの持ち歩いてるの?」
??
いや、哲子がさしだしてきたハサミが
布キリばさみのような大型のハサミだったからだ
「ありがとう」
取り敢えずお礼を言い
トレーマットを意味もなく切り出す私
(続く)

初めての小説

2004年04月27日 18時38分15秒 | 小説
外では雨が降っている。
風が強いタイプの雨。
この分では東西線も京葉線も止まっているだろう。
マックの窓際の席に陣取り、コーヒーを飲みながら漠然とそう思う。
私、哲子がここでこうしているのは偏に園子に誘われたからだ。
向こうに話があるらしく、雨だしマックでって事になったのだ。
園子は大学の先輩だった人。
だったというのは、もう卒業してしまったし、留年したりなんだかで先輩と読んでいるのは惰性にすぎなかったりするからだ。
「で、話ってなんですか?」
別に、予定があるわけでもないのだが
さっきから気になってしょうがないのだし
こちらから切り出す
「うーーんと、哲子ってケータイ持ってる?」
そんな解りきったことを聞いてくる
「持ってるわけ無いですよーうちは貧乏ですから」
私がこう答えるのは、特に警戒しているわけでもなく
ただ、素直に
そう、ここの払いだってはなっからごちそうになろうと思っているのだから
「そう、それは良かったわ
哲子にこれ使って貰いたいのよ」
そういって、テーブルの中央にそれまで手にしてもてあそんでいたソレを差し出す先輩
「えっでも私毎月の料金とか払えませんから」
受け取れません、と意思表示
「あっそういうのは気にしないで
これは最初からずっと一切只でいいから」
などと、ますます怪しげな事を言う始末
世の中、只より安いものはないとはいうものの…
「えっそれって誰がこのケータイの料金を払うわけ?」
当然の疑問を口にする私
「まさか、先輩が?!」
「実はね
このケータイは只のケータイじゃないのよ
只だけど」
「!?」
(続く)