伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

首相がこれで良いのか問われる事態

2015年05月21日 | 日本共産党
 20日に行われた党首討論で、日本共産党の志位和夫委員長の「過去の日本の戦争は『間違った戦争』だという認識はありますか」と問うた一連の質問の一つ「ポツダム宣言の(間違った戦争という)認識を認めないのか」という質問に、安倍首相は「私はまだ、その部分をつまびらかに読んでいない。論評は差し控えたい」と答え、さらに95%の国民は宣言を読んでいない、と続けたことが、ネットで話題になった。

 ポツダム宣言は、「日本の戦争を「世界征服」のための戦争だったと明瞭に規定した第6項。もう一つは、日本の戦争を「侵略」と規定し、「暴力と強欲」で奪った地域の返還を求めた「カイロ宣言」の履行を記した第8項」があり、これを日本が1945年8月に受諾したということは、日本が侵略戦争という誤った道を歩んだことを認め、最初は渋っていた受託を、原爆被害を受けて初めて受託し、この宣言の認識から戦後の歴史を始めた事を意味します。

 ところが安倍首相は、この内容について「つまびらか」に、すなわち「詳しく」読んでいないということは、その内容について認識が十分でないということになってしまいます。

 SNS等の論調をみれば、「戦後レジウムから脱却」といいながら、戦後レジウムを知らずに、脱却の方向をどのように描くのか、などといった批判的論調が見受けられましたが、確かにその通りです。

 また、戦後日本の出発点ともなる歴史的な文書を日本の首相が読んでいないで、日本の首相が務まるのか、といった論調もありましたが、それもその通りです。

 さらに「日本人の95%は読んでいない」というのは、あまりにも国民をバカにした話です。首相がここまで国民をコケにしていいのかと、憤りも湧いてきます。SNSの論調には、「中学2年生でポツダム宣言を習い、副読本などに全文が乗っていて、これを読んだ」などといった論調が見られ、安倍首相の国民へのレッテル張りにも批判の声が上がっていました。

 ここには国民軽視の安倍首相の特徴が現れているのではないかと思いました。国民の事を信用出来ない人間が、国民の命を軽視して戦争をする国づくりに突き進もうとしているという姿が見えてくるのです。

 安倍首相が実際にポツダム宣言を理解しているのかどうかは知りませんが、詳しく読んでいないということを自慢する神経は首相に相応しくないし、実は知っていても、質問で指摘されたことが、自分にとって都合が悪いから適当にごまかしてやり過ごそうということであるならば、結局、「安保法案」(戦争法案)には、国民との関係で重大な瑕疵が隠されていることを知っているということのあらわれなんだということを示していると思います。

 民主党の岡田党首との討論の際に、法案の中身にかかわり「法案の説明は正しいと思いますよ。首相の私が言っているんですから」という趣旨で答弁したようだったが、「ポツダム宣言をつまびらかに読んでいない」なんて、平気でいう首相だからこそ、法案の中身に重大な懸念を抱いているわけです。

 こんな首相を野放しにしていていいのかが問われていると思います。マスコミも含めて、安倍内閣、安倍首相の問題ある行動には、しっかりした批判の目を向けていくことが必要だと思います。


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