介護の技術・知識のまとめ

研修で学んだこと、職場で経験したことなどをまとめた場所です

狭心症と心筋梗塞

2021-03-28 15:43:29 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

狭心症

  • 冠動脈の狭窄のため、血液が流れにくくなった状態
  • 心筋は虚血になっても生きている
  • 短時間の胸痛、絞めつけられる・押さえつけられるような鈍い痛みが数十秒から15分程度続く
  • 舌下錠の使用で痛みが治まる(ニトログリセリン、血管拡張剤)

心筋梗塞

  • 血栓で冠動脈が完全に詰まった状態
  • 一部の心筋が死んでしまう
  • 冷や汗や吐き気、恐怖感を伴う
  • 30分以上続く耐えがたい胸痛がある
  • 舌下錠は効果なし(詰まった血管は貫通しない)
  • すぐに救急車を呼ぶこと

いずれも、虚血性心疾患、と呼ばれる、冠動脈が虚血になる症状

高齢者の場合、無痛性の心筋梗塞が起こり得るので、要注意

  • 痛み以外の症状に注意すること

脳血管障害

2021-03-28 15:38:38 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

脳血管障害の分類

出血によるもの

  • 脳出血(脳内出血)
    活動中に発症することが多い
    意識障害等の症状は急速に進行する
    血圧が上がると起こりやすい。高血圧が原因
  • くも膜下出血
    激烈な頭痛を伴う(ハンマーで殴られたような痛み)
    眠気、嘔吐を伴う
    脳動脈瘤の破裂が原因
    致死率が30%程度とかなり高い

血管が詰まるもの(いわゆる脳梗塞)

  • 脳血栓
    休息中に起こることが多い
    徐々に症状が進行する
  • 脳塞栓
    突発的に発症し、数分以内に症状が現れる
    心臓で作られた血栓が脳血管に詰まることで起こる。心房細動という不整脈が原因で血栓ができることが多い
    重い症状が急に出ることがある

脳梗塞は、早期発見・早期治療が重要

  • 発症時は様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診すること
  • 血栓溶解術で治療・回復が期待できる
  • 発症から4時間半以内でないと有効でないため、早い方が高い効果が期待できる

 


睡眠障害

2021-03-27 08:45:23 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

睡眠障害の種類

  • 入眠障害
    布団に入ってから眠りにつくまでの時間が30~60分以上かかる
  • 中途覚醒
    夜中に何度も目が覚めてしまい、その後なかなか眠れない
  • 早朝覚醒
    朝早く目が覚める。男性に多いとされる
  • 熟眠障害
    睡眠時間はある程度確保されているにもかかわらず、熟睡したという満足感が無い

睡眠リズムの乱れ

  • メラトニンの減少が原因の一つ
  • 体内時計は25時間周期だが、24時間の生活に適応するために「同調因子」が調整して時刻合わせをしている
    同調因子には、光刺激、食事、時計を見る、など。中でも光刺激が最も強い
  • 眼から入った太陽の光が脳の視床下部に伝わり、体内時計がリセットされる
  • リセットされた情報が脳の松果体に伝わり、14時間後にメラトニンが分泌されて眠くなる
  • 昼夜逆転時は、とにかく朝日を浴びることが大切

 


高次脳機能障害

2021-03-25 11:42:36 | 高齢者に多く見られる症状・疾病

高次脳機能障害

  • 記憶障害
    短期記憶、長期記憶ともに障害を負うことがある。様々なタイプの記憶が複雑に障害を受ける
  • 注意障害 下記の4つの注意力が低下する
    持続性(続ける力) 集中力を持続させ、一定の行動を行う
    選択性(見つける力) 多くの中から的確な一つを選べる
    転換性(変えられる力) 一つの行動から別の行動へ集中が変換できる
    分配性(同時に見つける力) 一度に2つ以上のことに同時に集中して行動を行う
  • 遂行障害
    目的を持った一連の行動を自立して有効に成し遂げることができない
    計画を立てる、計画を実行する、目的を達成するなど
  • 社会行動障害
    行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールできない
    意欲・発動性の低下 何事にも意欲を持てない
    情動コントロールの障害 怒りを爆発させる、暴力・性的行為などの反社会的行為を起こす
    対人関係の障害 親密すぎる発言や行動、急な話題転換に対応できない、抽象的指示の理解困難
    依存的行動 人格機能が低下し退行を示す
    固執 新たな問題に対応できず、一つの事柄に固執してしまう

介護上の留意点

  • 本人が障害を認識できてないことがあることを理解する
  • 体調不良等、本人が気づいていないこともある
  • 症状や障害の気づきが不安や気分の落ち込みを引き起こす可能性を理解
  • 家族も不安や気分の落ち込みなどがあることを理解
  • 発症前の生活や家族関係等を踏まえたうえで、現在の症状を理解し支援する
  • 持っている力を最大限に活かすため、その力を見抜く支援者の力が必要
    最も近くで利用者に接している介護職の役割である
  • 情報を共有し、チームアプローチが必要