1. 設計水平震度と最大加速度(gal)の関係
地震の大きさを示す値として一般的には震度階(俗にいう震度○と言われるもの)と加速度(東北地方太平洋沖地震は2933gal(三成分合成値 x.y.zのようなもの?))が公表されます。ただし、私たちが設計で用いている計算手法は静的震度法であるため「設計水平震度(kh=○)」で計算します。
設計水平震度は、以下のように決まってます。
表-設計水平震度
地盤種別 Ⅰ種 Ⅱ種 Ⅲ種
レベル1地震動 0.08 0.10 0.12
レベル2地震動 0.16 0.20 0.24
出典:道路土工-盛土工指針P.125
設計水平震度は、以下の式でgalに変換できます。ただし、横方向のみです。三成分合成値とは違います。
⇒ 設計水平震度kh=αh/g (ただし、αh:地震の加速度、g:重力の加速度(=980gal)
したがって、設計水平震度kh=0.16となると、αh=980(gal)×0.16=156.8galとなる。
(・・・ということは土工指針は震度5強まで対応・・・)
*いま噂の原子力発電所は設計水平震度kh=0.3のようです。したがって、αh=980(gal)×0.3=294(gal)となり、震度6弱を想定しているようです。(ほんとかなぁ・・・ネットで調べると450galをそうていとかありましたので、やっぱり震度6弱程度のようです。)
表-震度階と加速度の関係(およその目安)
震度階 加速度(gal)(周期1秒の場合) *旧指針(1978年) 横方向のみ
0 0.8≧
1 0.8~2.5
2 2.5~8.0
3 8.0~25
4 25~80
5弱 80~142
5強 142~253
6弱 253~450
6強 450~800
7 >800
2. 感想
大規模地震動とは、震度震度5強を想定しているようであります。私は、てっきり震度7位(阪神淡路大震災位?)を想定しているものかと思ってました・・・
下に、2000年以降の土工指針で「想定外」となった地震を示します。(これだけあると、想定外と言えない?)
ちなみに、大規模地震動と中規模地震動の定義は以下の通りです。
【大規模地震動】
供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度をもつ激しい地震動を意味する。
【中規模地震動】
供用期間中に発生する確率は確率が高い地震動を意味する。
表-最大震度6弱以上の地震
地震名 最大震度 発生日
新島・神津島・三宅島近海 6弱 2000年7月1日~8月18日
鳥取県西部地震 7 2000年10月6日
芸予地震 6弱 2001年3月24日
三陸南地震 6弱 2003年5月26日
宮城県北部地震 6強 2003年7月26日
十勝沖地震 6弱 2003年9月26日
新潟県中越地震 7 2004年10月23日
福岡県西方沖地震 6弱 2005年3月20日
宮城県南部地震 6弱 2005年8月16日
伊豆半島東方沖地震 6弱 2006年4月21日
能登半島地震 6強 2007年3月25日
新潟県中越沖地震 6強 2007年7月16日
岩手・宮城内陸地震 6強 2008年6月14日
4,022ガル(ギネス記録)
駿河湾地震 6弱 2009年8月11日
東北地方太平洋沖地震 7 2011年3月11日
*耐震設計、もう少し厳しくしたほうがいいんじゃないのかな?と思いました。
あくまでも、個人的に、中規模地震動は震度6弱以下、大規模地震動は震度6強以上が妥当なような気が。。。。
*地震で被災地まで行くのに、道路がなくなっちゃったらいけなくなるでしょ・・・