2021年11月
6(土)晴れ
9時前下関市の自宅から福岡空へ向かう。車は空港前のミスターパーキング(092-409-4777 900円×4日間=3600円)に留める。
ピーチ航空11時45分発新千歳着14時15分に搭乗。
新千歳空港ロビー日本レンタカー窓口で予約の確認。
直ぐに送迎のバスが来てレンタカー各社が共同で同一場所に集合している広大な広場のようなところへ着く。
日本レンタカー営業所で予約していたスバルXV(アイサイト付四駆SUV)を借りる予定であったが、窓口に掲示してあった3,300円アップでベンツにアップグレードの広告が目につき、ベンツのA180を借りるように申込み、簡単な説明を受けるが、方向指示器やワイパー、カーナビの設定が国産車とずいぶん違っており、横に座ってみていた妻は非常に不安がる。
どうにか走り出し、方向指示器を操作するはずが、ワイパーが動いたりと初めは間違いも多かったが徐々に慣れ、道東自動車道を釧路方面に向かう。
途中70キロの制限速度なのに先頭車両についていくと120キロくらいで走り、後続車両もほぼ同じスピードでついてくるのでたまげる。
50キロオーバーではさすがに一発免停だと思うが、先頭車両に後続車としてついていく方が、運転が楽なので、それも承知して同じスピードでついていくが今思い出しても捕まらなかったので良かったが、もしものことを考えると慎重にしなければならないと思う。
私は車が好きだが外車に関しては知識が浅く、後で調べて分かったことだが、ベンツA180は1,300ccのターボエンジンだった。
馬力も130馬力前後で、私のスバルWRX S4が300馬力なのでずいぶんと非力なはずだが、さすがにベンツだけのことはありエンジンの設定が常用回転域重視のためか安定しているし、足回りの設定もアウトバーンを走るように設計されているのだろう、非常に安定している。
ただ単にカタログ上の数値を追い求めるのではなく、ドライバーに安心を与える車作りを目標としてきた長い歴史のようなものを感じることができた。
今日も含めて四日間ベンツ君よろしくお願いします。私もベンツ君を無傷で返却できるように気を付けなければと肝に銘じる。
20時20分今日の宿、釧路湿原の中にある「釧路湿原とうろの宿」に到着。
トトロの宿みたいで、受付が二階にあり泊まる部屋は三階の一号室だ。宿の中にはCDや楽器、写真、カエルの置物などが所狭しと並んでいる。
主の趣味が前面に出ている感じだ。風呂は二階にあり熱かんで気持ちいい。部屋にある小さな窓から夜空を見上げるとたくさんの星が瞬いているのが見える。妻はこんなに多くの星が見えると喜んでいる。
途中のコンビニで買ったおむすびを食べて寝る。静かな夜に星が降ってくる音がしそうな夜だ。暖房器具は見当たらないが、寒くはなく日中の運転の疲労もあって熟睡。
7日(日)曇り
朝5時ごろ目覚めて二階の共有スペースから外を見たら一面の霧だ。
日が昇るのが山口県からすれば北海道の方が一時間は早い感じだ。
7時に朝食をいただく。妻はパンがとてもおいしいと喜んでいる。
宿の主に教えられた「細岡」へ行く。
今日もベンツ君よろしくお願いしますとボンネットを軽くトントンと叩く。
細岡は釧路湿原が一望できき、ブラタモリで紹介されて有名になったところだ。
二日目の目標としている摩周湖を経由して知床半島に向かう。そのはずだったが摩周湖の入り口まで来たら、通行止めになっていた。
雨風が強くなってきたので摩周湖周辺は道路が凍結とかしているからなのだろうか。
布施明の霧の摩周湖を見ることなく知床半島を目指して進むが、今日の網走の宿には18時までにチェックインしなければならない。
知床半島に行っても岬の先までは到底いけないだろうし、摩周湖あたりで昼を過ぎていたので、知床半島をスルーして、後戻り阿寒湖を右手に見て今日の宿網走の「ビジネスホテル幸楽」へ向かう。
16時過ぎに幸楽につくが、宿の前にボンネットを開けたままのナンバー無しのワゴンRが放置されている。
向かって右側に併設されているドライブインもつぶれているようだ。裏側も見えたが、そのまま放置されたような感じで、色々なものが散乱し打ち捨てられている感じだ。
受付に野球帽を被った小柄な50歳前後の男性が一人いて愛想はすごく良い。
たまたま何かの間違いでたどり着いた迷える旅人を久々に歓迎するような愛想だ、と思う。
部屋は突き当りを右に行って一番奥の部屋だ。暖房器具はあるが設定温度を20度にしているのに30度近くまで高くなる。排気管はあるので、私たちが使っている移動できる石油ストーブやファンヒーターという感じではない。
風呂に入るが男風呂は広くてお湯も小さめのライオンの口から、ふんだんに出ていて気持ちが良いが、女風呂は部屋にある風呂と同じなので妻は部屋の風呂に入る。
風呂から帰る途中、各部屋の扉が開いたままなので、暗闇の中に何かいて襲ってくるかもしれないと勝手に想像して少し怖くなる。襲ってこなくても扉が開いたままの暗い部屋の中の椅子に誰かが座ってこちらをじっと見ていたらと想像してしまう。扉が開いたままの部屋の中は、お化け屋敷の、このあたりでお化けに化けている人間が待機している場所だなと分かっていても、やはり怖いのと同じだと思う。暗闇は何かを創造して、自分の意識の中で得体のしれない恐怖を生み出す。要するに自分は正真正銘のビビりで怖がりである。
今日も夕食はコンビニのおにぎりで妻は美味しいと言って食べてくれる。妻には申し訳ない気持ちでいっぱいになる。少し値段の高かったイクラと鮭のおにぎりがせめてもの救いか。
網走監獄が近くなので行ってみるが閉館間際なので、監獄の前で写真を撮るだけにする。要するに犬が電信柱におしっこをかける様なものだ。
宿に帰り日曜日なのでNHKの大河ドラマでも見ようと番組を探すが映らない。結局六時からのちびまる子ちゃんと六時半からのサザエさんを七時まで見て就寝。
途中あまりに熱いので部屋の温度を14度まで下げたら、寒くて目が覚める。部屋の温度は10度まで下がっていた。どうも設定温度と室温の関係がよく分からない。20度設定では30度近くまでなるので18度設定にして二度寝三度寝する。翌日室温を見たら20度になっていた。このあたりの頃合いが分かるまでには、北海道に長く住まなければならないだろうと思う。
8日(月)曇り
朝5時起床。6時チェックアウト。チェックアウトと言っても、前の晩に、野球帽を被った男性に、明日のチェックアウトの方法を尋ねたら、受付の台の上にかぎを置いて出て行ってくださいと言われいたので、その通りにした。
さすがに、大人なのでメモ用紙にありがとうございましたの言葉を添えてカギを置いて出る。
途中網走湖の湖面から湯気が出ているように奇麗だった。朝方の気温が下がり、湖との温度差で発生するのだろう。
途中網走の海岸線を並行して走る。北海道に来て初めての海だ。途中幾つかの湖を通過し、海とお別れをして内陸に入る。
道路は少し凍結しているようだ。橋の上は完全に凍結しているので注意しなければ。途中霧も発生していたが昼前に旭川に到着。
せっかくだからと旭川動物園に行ってみるが、月曜は休館日で閉園していた。残念ながらここでも網走監獄同様、駐車場で写真だけを撮る。またもや犬のおしっこだ。
ググったら旭川で有名ラーメン店を検索すると「天金」というラーメン店が出てきたので寄ってみる。しょうゆとバターコーン味噌を注文。しょうゆは私たちの知っている、さらっとしたものではなくて、ドロッと幕が張りそうに脂っこい。これもやはりすぐに冷めないための知恵かなと思う。
富良野を通って南下。今日の宿の日高方面に車を進める。以前ツアーで来たときに食べたカレースープのドライブインが潰れていた。やはりコロナの影響か。
ベンツはよく走るが途中幾度となく「カメラが汚れているため認識できません」との表示がメーターに表示される。逆光時に特多く表示されるようだ。私のS4にもアイサイトのカメラが付いているが、そのような表示が出たことは一度もない。やはりここいらあたりの機能は日本の方が勝っているのかな。
日高近くになると馬の牧場を数多く目にするようになる。
16時今日の宿「民宿アンナブルナ」に到着。途中食堂やコンビニを探したが、とうとう見つからずに宿についてしまう。宿の主人に事情を説明して、夕食を作っていただく。
ここにも昨日宿泊した幸楽と同じような排気管付きのファンヒーターがあるが、やはり温度設定と室温の関係があいまいだ。室温は設定温度をずいぶんと越えている。
宿の主人も車好きのため、何やかんやと車の話で盛り上がる。やはり北海道では一家に一台なんちゃって四駆より、高倉健のような寡黙でし確かな仕事をする硬派な四駆が必要だとか。初めの宿に停めてあった除雪用に改造したスズキのジムニーを思い出す。ビールを二人で六缶開けて就寝。
9日(火)曇り
明方にわとりの鳴き声で目覚める。子供のころには町内にもにわとりがいて毎朝ないてたが、今は近所の犬が吠える声で目が覚める。犬の吠える声は、威嚇の吠え方であり、ドキッとして目覚めが良くないが、にわとりの鳴き声は、穏やかで良い。
朝食をいただき、主人と世間話をする。年齢は私より10歳上なので74歳だ。韓国の若い奥さんと暮らしている。
おいしい朝ご飯を山盛り食べて、さらに南下し日高町に出て海岸沿いを苫小牧方面に向かう。
廃線の踏切を渡り右に折れ、ここでまた海と出会う。風が強いせいか荒々しい海だ。
西部劇に出てきそうな小さな町をくぐり抜け、石油の備蓄基地を左手に見て苫小牧を北上し10時30分新千歳空港近くの日本レンタカーにベンツを返却。
四日間も共にしたベンツなので少しなごり惜しい。初めは慣れない操作関係も二日目には使いこなせるようになった。有難うベンツ君。
早く返しすぎたので、空港の中で時間をつぶす。空港内の食堂で鮭とイクラの親子丼を食す。何気になんと残酷なネーミングだろうと思う。15時15分新千歳空港発18時福岡空港着。福岡空港から一路下関市の自宅へ帰着。
コロナ感染者減少と北海道に雪が降る前の楽しい旅だった。
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