Hiroko Inagaki 絵のおはなし

絵描きの小さな日常をつづりました。
Hiroko Inagaki のブログ

森での一日

2012-11-25 | 京橋アトリエ
森のイベントをひょんなきっかけで言い出してしまった私。。本当はアトリエのメンバーや、同じ里山で工房と建てた家具職人さんたちとやるつもりでしたが、どうも、みんなでやるには時間がないと、まずは私一人がやることになりました。。トホホ。準備がとにかくハンパなく、もしかしたら、個展より妙なプレッシャーと闘っていたかもしれません。。チラシ作りから初めて、アトリエ近隣にお願いしたり、ちょっと鶴川に通うだけで倒れそうな日々でした。人も3連休で遠出される方が多く、またアトリエはイベントはほぼしないので、知名度がなく、なかなか参加申し込みがありませんでした。こんなに募集に苦労したイベントはないくらい、大変でした。しかし、神様がいるのか、ちゃんとイベントの前日に申し込みがあり、どうにか開催に漕ぎ着けました。


まずは、皆さんで森に葉っぱを探しに行きます。


6歳の女の子はこんな風に綺麗に自分が拾った葉を並べます。
これだけで、何か作品のようですね。

皆さん、真剣そのものです。
初め、大人の方は『絵苦手なんです~』って99.9%言われます。
そんな不安を『上手に描くだけが絵じゃないですよ。。』って話をしてあげると、やっと落ち着いて描いてくれます。。(笑)。大人になって始めるのは、いろいろ勇気がいりますよね!


大人の男性の作品。ほとんどの方は小学生以来みたいですが、描き始めると、ホント、シ~ンとしています。

小学4年生の女の子。なんの迷いもなく、サラって描いてました。


6歳の女の子は少々、緊張していたみたいで、なかなか絵の具の使い方も戸惑うようでした。
でも、最後まで自分でやると言って、葛藤した様子が絵に出ています。完成されてない美しさを感じますね。


これは、大人の女性の方。描けないと言ってらしたんですが、ちゃんと描くと、何も私が手も入れることなく、完成されていたんで、安心しました。素敵な秋の思い出ですね☆


これも大人の女性の方が選んだモチーフ。ヤマユリの実や南天の実、紫陽花の花のドライなど、アトリエの里山にはいろいろな植物があるので、それを上手に拾って描かれてました。すごい、センスありますね。

これが出来上がった絵です。隣はこの方の3歳のお子さんの絵。どうもトトロの猫バスらしい。。(笑)親子で素敵な絵が出来ちゃいました。

今回は透明水彩絵の具、水彩紙、水彩色鉛筆を使いました。
絵はモチーフ選びから始まります。どれが好きかを選択して、並べるまでで、ある種、絵を描く1つの工程なんです。自分が選ぶのに意味があり、そして描いていく。全て能動的な作業なんですが、そのことで、自分の個性を気付いて形にしていく。そんな提案をしたいから、私はこうしたワークショップをしているのかもしれません。

今はお金でなんでも買えてしまいますが、自然の中でのワークショップは、もっと自分たちを原始的な力をくれてる気がします。
都会では、こんな自然と向き合う、静かな時間はもしかしたら、とても貴重なのかもしれませんね。
子供も飽きることなく、静かにしていたから不思議でした。


この日の、絵を描く以外の様子も明日アップします。お楽しみに☆