白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

薬の服用の意味と、輸血の副作用

2021-06-09 17:26:45 | 日記
 (整形外科検査の結果、幸いヒビ程度で済んだ。

  ギプスシーネによる親指の付根から手首、前腕部までの固定で、あと

  2週間程養生が必要だ。くしくも次の日の白血病の定期健診は、骨粗鬆症

  予防の皮下注射の日だった。笑えない......)


 2017.04.03

  朝から、その日行う輸血の説明があった。

  午前中に終わります、と主治医からの説明。

  お昼前には終わるでしょう。の声にベッドの上での自分なりの予定を

  組み、その時に備えた。

  もうすぐか~…

  それが終われば昼食だ。

  入院した人はわかると思うが、検診その他、特に体調も悪くなく、普通に

  居るときは、朝昼晩の食事が最も楽しみの一つである。

  今日の昼食は何かな。

  抗がん剤の点滴がはずれてから、白血球、赤血球、血小板などの数値が

  下がり始める。

  薬剤投与により白血病細胞を叩いていくと同時に、正常な細胞もダメージ

  を受け、減少していくからだ。

  体に抵抗力が無くなり、あらゆる菌に対して無防備になる。

  無菌室に入ると同時に、食事も制限される。

  この日のメニューは、生物禁止食は基本で、主食無し、焼うどん、豆腐の

  田楽、和え物であった。

  和え物にする食材などは全て火を通し、薬味のあるメニューなどは

  ネギ等は全てボイルし、薬味に添える。

  (ボイルしたネギは、作ってくれた人には申し訳ないが、食べれない。)

  ただ、あのような細かい食材までわざわざボイルするというひと手間を

  掛けてくれている調理師さんには感謝しかないのである。

  11時30分。輸血はまだ来ない…

  12時。え?

  来たのは食事だった。

  ありがたく頂いた。

  食後の薬を、いつもその日の担当看護師さんが持って来てくれる。

  正常細胞が死滅していく体にとっては、微量の菌でも反応し、

  体内に入り込むと、即、病原菌に侵される。

  本来、人間に備わっている善玉菌(大腸菌など)は、白血球という

  見守り兵隊がいなくなる為、大腸などの壁を通り抜けて、体中に悪さを

  しに行く。

  善玉でもやはり所詮は菌なのだ。

  そのため、それらを予防する目的でさまざまな薬が処方される。

  体内の細菌の増加を抑えるための薬、体内のカビの発生、増加を

  抑えるための薬、その薬の服用で起こる胃酸の発生を抑え、便を

  やわらかくする薬。などである。

  薬を飲むのも一苦労で、特に体内の細菌の増加を予防する薬サムチレール

  は、液状で絞り出すタイプのもので、上部の封を切りそのまま口に持って

  いくと、切り口で唇を切ってしまう可能性があるため、大スプーンに

  搾り取り舐めるようなかっこうで含み飲み込むというものだ。

  慣れてくると問題は無いのだろう。

  主治医が病室に来た。

  「いま輸血用の血小板が届いたから、これから始めます。」

  時計は2時を回っていた。

  およそ我々が一般的に想像する輸血というのは、袋に入った赤い液体を、

  点滴の要領で体内に入れていく、というものと思うが、実際に届いた

  ものは、薄黄色で少し濁っており、イメージとはかなりかけ離れたもの

  だった。

  袋からのチューブを点滴中の生理食塩液との分岐部分に接続し、そのまま

  流していく。

  30分程で袋の中の血小板が無くなり、輸液ポンプのアラームの音が鳴る。

  ほどなく看護師さんが入ってきて取り外す。

  直後のアレルギー反応として、赤い発疹が出きる場合がある。

  この時点で白血球の数はほぼ ”0” に近い状態だった。

  次の日、いつものように早朝のうがいをする。

  ふと鏡に映った自分の顔を見ると、ポツッと膨らみがあるではないか。

  他にも背中と右臀部にも…

  もしやと思いナースコールで看護師さんを呼ぶ。

  やはりその赤いポツポツは、血小板輸血による副作用だった。

  即座に抗生物質が運ばれ、点滴支柱にぶら下げられた。

  見た目は蚊に嚙まれたような、赤くぷくっとした発疹で痛みも痒みも

  無かった。

  ただ顔という目に見える場所に出来て良かったのである。

  これが体内、特に脳内に出てくると抗生物質の点滴では済まなくなって

  いたのである。


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