2017.04.21
「芽球が1%~2%の割合で残っています」
当初から主治医の先生に付いて診療して頂いていた、助手の先生だ。
まだ若くイケメンで、いわゆるシュッとしていて、毎朝病室に来て頂い
ては症状を聞いて下さった。
症状の説明もすごくわかりやすく、難しい専門用語など一切使わずに、
かみ砕いて話しをして下さるのでスッと頭に入る。
当初顕微鏡で見ても白血病細胞も芽球も見えていない状態だったが、
残っていたのである。
安心したのも束の間、さらなる不安が頭をよぎった。
さらに詳しく検査する為、その細胞を今度は遺伝子レベルまで下りての
診断に出すことになった。
それには1週間ほど掛かるという事だった。
後日、検査結果が届く。
残芽球の1%~2%という数字は、完全寛解の基準をクリアーしている
値なので、まず問題はないとの見解だった。
つまり、白血病細胞では無いと判断された。
(この時この判断が果たして正しかったのか、正しくなかったのか、
この事が原因だったのか定かでは無いが、約1年3ヶ月後に再発する
のである。これについては、第2章で。)
とにかく問題なしと判断されたのだから、第1段階はクリアー出来たの
である。
そして、
自分に関してはまず例外ではないかと、濃さ、多さ、太さ、どれを
取っても今まで生きてきた中で、負けることはまず無かった。
他の患者さんの状態を聞いても、抗がん剤投与後の進行を見ても、
あっ自分は濃いし、多いし、太いから大丈夫なんだと。
高をくくっていた。
しかしそんな自分勝手な想像は、ものの見事に崩れ去った。
(おおげさ~…)
そうこの頃からである。
枕に髪の毛が着きはじめたのは。