白血病闘病記は(1)で一旦終了します。

白血病闘病記(2)「再発編」は、後日掲載予定です。
少しの間、撮り溜めた写真をアップしていきます。

渡したくないバトン

2022-03-09 15:51:33 | 日記
 2017.12.22

  この日の検査結果も前回とはあまり変わらず平行線だった。

  まあこのまま何事もなく行ってくれればいいのだが…

  (そうは問屋が卸さなかったのだが)

   
   
  
 
  この2017年は、壮絶な入院生活と通院、父親の入院と見舞いなど、人生で

  1回あるかないかの出来事が、目まぐるしくやって来たそんな一年だった。

  自分自身はそれまで、何の病気もなく健康そのもので生きてきた。

  当然他人からは、一応(お世辞も含めて)羨ましがられ、年齢よりは

  若く見られ、この歳になって「兄ちゃん!!」と今だ呼ばれている事に、

  ちょっとした優越感さえ覚えていた。

  ただ、腹回りの大きさが少し人とは違うと言う事を除けばだが…笑

  そして、

  「自分は他の人とは違う…今まで病気という病気はしていない、ましてや

  入院するような事など一生ない!」と、高をくくっていた。


  年末も押し迫り、やれやれ、大変な一年だったよなぁ…と、思いにふける。

  次の年は今年よりは、ちょっとはいい年であって欲しいなぁ…。

  しかし次の年には、この年の出来事など足元にも及ばない、生死に関わる

  重大な体験をする事になる。

他人に映る姿

2022-03-06 14:58:34 | 日記
 2017.11.22

  この日は5回目の通院日。

  

  


  あれから連日は父親の見舞いだった。

  母親も病院の往復だけでも、今思えばしんどかったろう。

  毎回二人タクシーでの往復だった。

  片方はリウマチを患った(表向きは健常者と何ら変わらないが…)

  重い体、もう片方は入院明けの杖をついた不自由な体。

  そんな二人がタクシーに乗車し、病院までの歩道を歩き、途中で

  コンビニへ寄る姿は、他人からはどう映っていたのだろう。

通院と見舞の連鎖

2022-03-05 06:00:16 | 日記
 2017.11.10

  救急隊員は到着後、尋ねた。

  「事故ですか? 病気ですか?」と…

  その時は聞かれる意味など考える余裕などなかった。

  後日、人から聞いてわかった。

  それは事件性を問うための質問だったことが。


  父親の緊急入院は、手続きと着替え、洗面用具など必要なものの準備

  などでバタバタしていた。

  自分が何か出来るとはあまり考えられず、身の回りの用意などは母親が

  ほとんどした。

  主治医に状況を説明し、入院での注意事項等を聞く。

  父親は応急処置のあとICUに運ばれた。

  それ以降、月一回の自分の通院と週一回の見舞に行く生活がはじまる。

喧騒の中のサイレン

2022-03-03 15:12:49 | 日記
 2017.11.10

  「お父さんの様子がおかしいねん!」

  母親の不安げな電話の後、自宅からすぐの実家へ向かった。

  エレベーターで7階まで上がり、玄関を開け中に入るとすぐに、母親と

  部屋に入った。

  そこには非常に呼吸が荒く高熱で顔を歪めたつらそうな父親が寝ていた。

  以前から大人用おむつをはいており、急な排泄に備えていた。

  その時もいつも通り準備万端で着用していた。

  汗をかいていたので着替えさせようと脱がし始める。

  匂いがしたので確かめると、やはり準備万端のそれが役に立っていた。

  母親が処理をしてすべてを整えた。

  それを横目で見つつ、父親の主治医がいる病院へ電話を入れる。

  状況を説明し許可を得た後、119へ連絡した。

  程なく町のどこかでよく耳にする例のサイレンが鳴った。

  またどこかで鳴り響いている。

  いわゆる普通に聞こえてくる町の喧騒の一部のような感覚だ。

  ただ今度のサイレンは間違いなく、自分達の方に近づいていた。

順調な結果と唐突の電話

2022-02-14 13:58:00 | 日記
 2017.11月

  月1回の外来も4回目。

  受付手続きもだいぶ板についてきた。

  (こんなこと板については行けないのだが…)

  診察の流れも大体決まっており、診察券を差し込んだ後、まずは採血。

  入院のベッドで朝早くから抜き取られることを考えると、自分の意思で

  腕を差し出し、血管を選んでもらうことはちょっとした優越感だ。

  (常に3本の血管が幹線道路の様にくっきりと通っており、看護師さん

  からは選び放題で、非常に刺しやすい患者さんだと…怖…)

  その優越感も、針を刺す時と抜く時は蛇ににらまれたカエルの様になる。

  すべては採尿と採血の結果で判断するしかなく、この時は順調に進んで

  いた。

  そんな中、ある日唐突に携帯電話が鳴った。

  父親の様子が変だと、母親からの不安げな声だった。