2017.9月
従来の生活を早く取り戻すべく、日々がリハビリの連続だった。
普通に生活できることがいかに幸せな事か、一日一日思う。
加えて傷病手当の申請、会社とのやり取り、銀行、管理会社、
インターネットの開通手続き等、やる事は結構あった。
自宅療養といってもやはり病院とは違って、つい気が緩んでしまう瞬間は
多々ある。
今まで30年以上は、まず見る事のなかった時間帯、テレビ番組である。
出勤時にはいつもの、おはよう系の番組をBGMに、朝食を済ませ
歯磨きを終え鏡に向かう。
持ち物は目をつぶっても取れる位置にある。
中身は知れている。
大したものは決して入っていないのである。
一連の動作が細胞に刷り込まれたような生活を送っていた。
そのBGMが以前とは異なり、今度は映像となって目の前に大きく
広がった。
ついつい引き込まれて終わりまで動けない。
気づけばお昼前。
そんなことは頻繁にあった。
もちろんメディアはテレビだけではなく、ラジオ、音楽プレイヤー、
撮り溜めた録画、そして何と言ってもインターネットである。
今までは、仕事上の調べもの、休憩時間の楽しみ、帰宅後の旅行の検索、
グルメの検索など、必要に駆られて向かっていたパソコンの周辺が、
その時は畳1畳分のオフィスに変わっていた。