続・楽園 －ラブホテル考－

　前回の記事楽園で、思いついたことがあったので、自分にトラックバック。

　その昔、おいらの家の隣の隣の学区辺りで「ラブホテル建設反対運動」なる住民運動が発生しました。おいらが物心をついて始めて知った住民運動です。

　結果としては、住民運動は実らず、バカでっかいラブホテルが建設され、20年たった今も営業しております。

　この「ラブホテル建設反対運動」なんですが、よく考えるとなかなか住民に勝てる要素がないですよね。
　ラブホテルってのは、遠くから車でやってきて、車で立ち去る施設で、まったく地域住民と接点がなく、かといって交通量が目に見えて増えるほどの集客力はない。つまり、住民にとって、なんの害もない施設なんです。

　ＰＴＡさんのお怒りもわからなくはないですが、実害と言えばちいさなお子さんが「ママー、アレ何？」っとしつこく聞いてくるぐらいでしょう。これじゃ、住民側に勝ち目はありません。

　そこで、大抵の市町村では、「ラブホテルの建築規制に関する条例」なるものを制定して、明文化することによって、むやみやたらにラブホテルを建設できないように規制しています。（とくに実害のないラブホを大した根拠もなく禁止するんだから、法律としては成立しがたいんですよね。けども、なぜか、市町村レベルの条例だと、往々にしてこういうのが成立しちゃうんですよね。この辺の日本の民度ってのは、どうなんだろうね？？？）


　で、条例制定にあたり問題になるのが

ラブホテルって何なんだ？？

　という、疑問。

　つまり、「ホテル」は作ってもいいけど、「ラブホ」はダメ！って、条令を制定するためには、両者を明確に区別しなくてはなりません。
　実際の条令では、そのへんをどのように規定しているか調べてみると...。




新座市ラブホテルの建築規制に関する条例より

ラブホテルとは、主として異性を同伴する客に休憩又は宿泊をさせるもので、次のいずれかに該当するものをいう。

ア　玄関、帳場、フロント等の受付及び応接の用に供する施設を有しないもの

イ　客室への出入りに際して玄関、帳場、フロント等の受付を通り利用する構造を有しないもの

ウ　ロビー、談話室等客が自由に利用することのできる施設を有しないもの

エ　食堂、喫茶室等客の飲食の用に供する施設及びこれらに付随する調理室を有しないもの

オ　食堂(調理室を含む。)又はロビーの床面積が別表の左欄に掲げる収容人員の区分ごとにそれぞれ同表の右欄に定める数値に達しないもの別称は省略

カ　会議室、宴会場等の集会の用に供する施設を有しないもの

キ　客室に特殊なベッド施設のあるもの

⇒新座市ラブホテルの建築規制に関する条例

　ま、他の市町村の規定もこんな感じです。

　確かに、ラブホテルには談話室はないです。⇒イ

　確かに、ラブホテルには会議室はないです。⇒カ

　確かに、ラブホテルには特殊なベッドが（昔は）ありました。⇒キ



　だけどね、ちょっと待ってくださいよ。「次のいずれかに該当するものをいう」って、”いずれか”ですよ。

　大抵の旅館には、会議室も宴会場もないです...

　食堂、喫茶室のない素泊まり専門のビジネスホテルだってあります...

　大体、エクストラ・ベッドって、”特殊なベッド”には入らないの...?



　このラブホの定義は、かなり無理があるんじゃないの？




　そこで考えるんですが...

じゃあ、ラブホって何だよ？

　思うに、こんなんで定義できるんじゃないです？

　・ベッドにコンドームが置いてあるホテル

　・洗面台にマウスウオッシュが常備してあるホテル

　・大人のおもちゃが売ってるホテル

　・男二人で泊まるには勇気がいるホテル

　・部屋に入ると、まず、お風呂をチェックしたくなるホテル

　・なんとなく、入る前にキョロキョロ見回してしまうホテル


　こんなんで、どうでしょう？