湯布院2日目、おいしい朝ごはんをいただいてお世話になったユースホステルを発つ。静かな別荘街の道を下って、湯布院観光の中心地である金鱗湖を見物。お魚がたくさんいる。ベビーカーを降り祖母殿に手を引かれそのあたりを歩いてまわる。湖の中でも温泉が湧いているとの由。確かに湖面から湯気が昇っているところがある。ひとめぐりして目抜き通りに出ると、リゾート地らしく、それぞれ珍しい品を集めた土産物店が軒を並べる。いわくハチミツであったり、木の見事なクラフトであったり、おいしそうなお菓子であったり。歩いている人の数も多く、実ににぎやかで、心踊る町である。町の中心に近いところに、この日と翌日の宿になる、旧陸軍中将だかの別荘であったという、香椎荘なる旅荘があり、ここにひとまず大きな荷物を置く。足の便が良いだけでなく、庭や建物が文化財級の由緒ある宿であり、全室が独立した離れになっているので、私のように騒がしい連れが過ごすのに都合が良いわけである。
駅前で自転車をお借りし、また山の方に赴いて美術館などを巡る。立ち寄った蕎麦店「泉」のお蕎麦が絶品であった。せいろ、おろし蕎麦、そばがきというコースになっている。とりわけおろし蕎麦の快い辛味が最高である。美しい緑色のきな粉でいただいたそばがきも良い。町を眺めおろす眺望もよろしく、従業員の方の笑顔もよろしく、店先で自由に飲める湧き水もよろしく、大いに満足。
山を降り、また町の方の美術館などを巡る。途中で苺のソフトクリームを食べ、池の恐ろしくたくさんの鯉を眺めたりする。湯布院美術館には作品の一種としての足湯の施設があり、散策の足を休めるのに何よりである。敷地の中の小山からの眺めも面白かった。町を貫く川の流れも美しく、菜の花と桜が盛りで何とも駘蕩とした気分にさせてくれる。
散策を終えて宿に帰り、温泉を楽しむ。実に肌にやわらかく、温度も心地よい湯である。露天風呂から真正面に勇壮な由布岳の姿が見える。母殿はしきりに登りたがっておられたが、連日の登山にややお疲れ気味の父殿は天気の不安定なこともあって渋られた山である。
部屋は二間続きの、内風呂も備えられたたいそうなもので、このまま私たち一家ぐらいなら住みつけそうな広さである。食事まであちこち走り回り、ふすまを開けたり閉めたりして過ごす。床の間の掛け物も活けられたお花も立派なもの。食事は大きな藁葺き屋根の食堂でいただくのだが、こちらとなると一段大層な屏風がめぐらされ、由緒ありげな軸や額に納まった手紙などが飾られて、昔の風流人のよすががしのばれる。運ばれた夕食はいわでもがな、品数も味も十分以上の食べ応えであった。
翌日は温泉めぐりである。まずは川の流れに沿って町のはずれに出て、少し坂道を登り、至ったのは夢想園なる眺めの良いホテル。150畳という広大な露天風呂がある。母殿、祖母殿とこの広いほうのお風呂と眺めを満喫、続いて同じホテルの中の家族用の露天風呂にも、今度は一同そろって入り大いに温まる。ここを訪れたもう一つの目的が、館内の喫茶室で出す一日限定40個という評判のプリンである。いや、おいしかった。あわせて、自家製のアップルジュース、バナナジュースもかわるがわる飲んだが、いずれも劣らず他では味わい難いうまさであった。
町に取って返し、やや雨が降ってきたのでこの度はタクシーで、昨日の蕎麦店「泉」を再訪。実に忘れがたい味の蕎麦で、他でお昼をいただく気になれないのである。私たちの顔を見覚えて皆さん笑顔で、昨日と同じ広いテーブルに招じてくださる。本日は父殿のみ、昨日のコースとは違う地鶏汁の蕎麦を取る。これもやはり濃厚な、舌のとろけるほどのうまさであった。
食後さらに温泉を巡る。ガイドブックを頼りに目指したのは「庄屋の館」という宿で、由布院で唯一コバルトブルーの泉質のこれもまた広い露天風呂が目当てである。小雨の中であったが、湯はなるほど実に心地よく、父殿があがるといっても「もういっかい!もういっかい!」と繰り返しせがんだくらいであった。
雨の中宿に帰る。祖母殿にたっぷりと甘え、あそんでいただく。夜は宿の食事はもちろん、おいしいパンや、みかんや、苺や、存分に食べて過ごす。明ければいよいよ長い旅もしめくくりである。湯布院駅内の足湯を名残惜しく楽しみ、来たときとおなじく特急「ゆふいんのもり」で博多へ、博多からは一路新幹線のぞみ号で東京へ。大阪で祖母殿とはお別れ。こうして実に多くの風物と、人と、温泉と食べ物を満喫した旅は終わった。
駅前で自転車をお借りし、また山の方に赴いて美術館などを巡る。立ち寄った蕎麦店「泉」のお蕎麦が絶品であった。せいろ、おろし蕎麦、そばがきというコースになっている。とりわけおろし蕎麦の快い辛味が最高である。美しい緑色のきな粉でいただいたそばがきも良い。町を眺めおろす眺望もよろしく、従業員の方の笑顔もよろしく、店先で自由に飲める湧き水もよろしく、大いに満足。
山を降り、また町の方の美術館などを巡る。途中で苺のソフトクリームを食べ、池の恐ろしくたくさんの鯉を眺めたりする。湯布院美術館には作品の一種としての足湯の施設があり、散策の足を休めるのに何よりである。敷地の中の小山からの眺めも面白かった。町を貫く川の流れも美しく、菜の花と桜が盛りで何とも駘蕩とした気分にさせてくれる。
散策を終えて宿に帰り、温泉を楽しむ。実に肌にやわらかく、温度も心地よい湯である。露天風呂から真正面に勇壮な由布岳の姿が見える。母殿はしきりに登りたがっておられたが、連日の登山にややお疲れ気味の父殿は天気の不安定なこともあって渋られた山である。
部屋は二間続きの、内風呂も備えられたたいそうなもので、このまま私たち一家ぐらいなら住みつけそうな広さである。食事まであちこち走り回り、ふすまを開けたり閉めたりして過ごす。床の間の掛け物も活けられたお花も立派なもの。食事は大きな藁葺き屋根の食堂でいただくのだが、こちらとなると一段大層な屏風がめぐらされ、由緒ありげな軸や額に納まった手紙などが飾られて、昔の風流人のよすががしのばれる。運ばれた夕食はいわでもがな、品数も味も十分以上の食べ応えであった。
翌日は温泉めぐりである。まずは川の流れに沿って町のはずれに出て、少し坂道を登り、至ったのは夢想園なる眺めの良いホテル。150畳という広大な露天風呂がある。母殿、祖母殿とこの広いほうのお風呂と眺めを満喫、続いて同じホテルの中の家族用の露天風呂にも、今度は一同そろって入り大いに温まる。ここを訪れたもう一つの目的が、館内の喫茶室で出す一日限定40個という評判のプリンである。いや、おいしかった。あわせて、自家製のアップルジュース、バナナジュースもかわるがわる飲んだが、いずれも劣らず他では味わい難いうまさであった。
町に取って返し、やや雨が降ってきたのでこの度はタクシーで、昨日の蕎麦店「泉」を再訪。実に忘れがたい味の蕎麦で、他でお昼をいただく気になれないのである。私たちの顔を見覚えて皆さん笑顔で、昨日と同じ広いテーブルに招じてくださる。本日は父殿のみ、昨日のコースとは違う地鶏汁の蕎麦を取る。これもやはり濃厚な、舌のとろけるほどのうまさであった。
食後さらに温泉を巡る。ガイドブックを頼りに目指したのは「庄屋の館」という宿で、由布院で唯一コバルトブルーの泉質のこれもまた広い露天風呂が目当てである。小雨の中であったが、湯はなるほど実に心地よく、父殿があがるといっても「もういっかい!もういっかい!」と繰り返しせがんだくらいであった。
雨の中宿に帰る。祖母殿にたっぷりと甘え、あそんでいただく。夜は宿の食事はもちろん、おいしいパンや、みかんや、苺や、存分に食べて過ごす。明ければいよいよ長い旅もしめくくりである。湯布院駅内の足湯を名残惜しく楽しみ、来たときとおなじく特急「ゆふいんのもり」で博多へ、博多からは一路新幹線のぞみ号で東京へ。大阪で祖母殿とはお別れ。こうして実に多くの風物と、人と、温泉と食べ物を満喫した旅は終わった。
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