黒猫チャペルのつぶやき

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南国紀行②

2007年04月13日 | みのりのつぶやき-旅行
 明けて3月29日、引き続き霧島に滞在している。この日も登山である。本日の目標は昨日韓国岳から眺めて形の美しさに感じ入った高千穂峰である。O氏は先日既に登られて、坂道の急なことを評して「90度のところを登っていくんですよ!」と大げさに吹聴しておられたので、行く前から戦々恐々であった。今回は従って、母殿と父殿と私とで、タクシーで昨日下山したところの高千穂河原に赴く。宿のすぐ隣がタクシー外車の営業所であるので都合がいい。

 昨日に比べて天気は悪い。見上げると、既に頂のあたりは雲に覆われている。昨日は強すぎる日差しにすっかり日焼けしてしまったので、曇りぐらいならむしろ有難いくらいである。なお母殿はやや高所恐怖の気味があるので、展望がききすぎると余りにたかいところだと足がすくんでしまう恐れもあり、曇天と霧は二重に助けとなった。早速登山道に取り付く。「90度」は大仰であるにしても、なるほど、岩だらけの斜面を誠にただひたすら上へと登る道は険しい。足元も崩れ易い火山岩の砂礫であり、父殿、決して暑い日ではないけれどもやはり大汗かいての登り。

 一時間弱で、お釜と呼ばれる火口湖の淵に到着、ほっと一息をつく。周囲はすっかり霧に覆われ、お釜の底はおろか、10メートル先も定かには見えぬ。ここから馬の背という、両側の切り立った狭い岩稜を進む。本来母殿の一番恐れるところなのだが、視界がきかないのを幸い足を止めることなく進む。やや風も強くなり、霧は小雨模様になって降りかかってくる。私も頭からレインコートをかぶせてもらって進む。山頂直下の登りは先ほど以上に急坂、あまつさえ霧のため父殿が道を見失い、道ではないところをがむしゃらに登っていく羽目になり、何度も途中で息をついた。最後にはちょっとした大岩を岩登りめいた格好で乗り越えた。

 雨の中登頂。早々に写真だけとって、もはや寒いくらいになってきたので、山頂を後にする。くだりはしっかりした道を見つけたのでさほど危険箇所はなく、もとの稜線に戻り、お釜まで至って小休止。なお霧雨もやまず、そのまま急ぎ下りを続ける。ロープを頼りにしてやっと足を滑らさぬように気をつけて降りるが、下りは私をおぶっている母殿、2度ばかり尻餅をつく。

 山すそ2合目あたりまで下ってようやく霧も晴れた。旧神宮跡(最近の噴火で引越しをした)の屋根を眺めやりながら最後の下りを下りきって、出発点の高千穂河原に戻る。昨日も味わった水を再びおいしくいただき、広場にすえられたテーブルで宿で作ってもらったおにぎりを味わう。電話でタクシーを呼び、宿に帰る。

 温泉で汗を流しさっぱりとしたら、神宮の方に散歩に出かけた。茶店でソフトクリームやお汁粉のお相伴に預かり、神宮では「国歌に詠まれているさざれ石」なるものを興味深く眺め、東京より一足早く咲き誇っている桜に嘆賞する。

 3度の夕食をともにいただいたO氏とはすっかり仲良くなり、お風呂でも食事の席でもよく遊んでくださった。
「うちの幼稚園にきてる子よりもよほどしっかりしてる!」
と盛んにほめてくださる。明けて30日、なごりを惜しみつつO氏と別れ、私たち親子一足早く宿を後にしバスで霧島温泉駅へ。汽車の時間があったので、お弁当を食べた後また駅前の足湯を楽しみ、そこからか顔を出したモグラの子にびっくりしたりして過ごす。特急きりしまで大分に出て、絵本で知ってとりわけお気に入りであった特急「ゆふいんのもり」に乗り継ぐ。この汽車は外観もいいが、乗務員が制服をもって写真をとりにまわってくれたり、絵本を貸し出してくれたり、車内販売の内容も湯布院名物のとびきりおいしいロールケーキ「Pロール」など実に充実している。例によって食べて、車内をあちこち歩いて楽しんでいるうち程なく由布院の駅に到着。ここで、大阪から長躯やってきた祖母殿と落ち合う。ずいぶん早くについて3時間ほども所在無く待っておられたとのこと。

 今宵の宿、湯布院ユースホステルは町からかなり山道を登る。歩いて訪れる「歩くの大好き」な泊り客は宿泊費が割引になる。私はベビーカーで楽らくながら、大人3名、大荷物抱えてよく歩いた。ここもやはりかけ流しの温泉がご自慢。若いご主人、元気のいいヘルパー連、常連のお客さんたちも活気があり、夜は周囲の高級別荘地めぐりの散歩ツアーに連れて行ってくださり、大いに満足。食事も手が込んでいて、おいしかったことも言うまでもない。

 


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