【中国ブログ】「外国人敵視の中国報道を信じるな」毒ギョーザ事件
2008年に起きた中国製ギョーザ中毒事件で、
危険物質投入罪で起訴されていた食品工場の元臨時従業員、
呂月庭被告(39)に対する初公判が30日午前、河北省石家荘市の中級人民法院(地裁)で行われた。
被告は「私がやりました」と起訴内容を全面的に認めた。判決は後日、言い渡される見通しだ。
ギョーザからは殺虫剤に使われる有機リン系の薬物「メタミドホス」が検出された。
呂被告は当時、この工場で臨時職員として働いており、メタミドホスをギョーザに混入。
裁判では「収入が少なく、正社員との待遇の違いを改善してほしかった」と話した。
この事件は当時、中国報道でも大きく報道された。
報道をめぐり、中国のブロガー「分享知識」さんは30日、
「外国人を敵視する中国メディアを信じてはいけない」と指摘するエントリーを公開した。
内容は以下のようなものだ。
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2008年当時、中国のメディアはこのニュースを伝える時、
「問題は中国ではなく日本側にある」と報じた。
ギョーザのパッケージから殺虫剤の成分が検出されたため、
中国メディアは「殺虫剤は日本のスーパーマーケットに置かれていたものだ」と指摘していた。
私も当初は事件が外国人のせいだと思った。
しかし、事実は違った。当時、私はまだ今のように海外メディアの報道を確認する習慣がなく、
国内メディアが報じることを信じてしまっていた。
日本側は殺虫剤の成分が日本で生産されているものとは違うと指摘し、
中国のものだろうとの見方を強めた。
中国でも被害者が出て、「ギョーザは日本で汚染された」との疑いはほぼなくなった。
中国メディア、特に(国営テレビの)中央電視台(CCTV)はニュースを伝える時、
民族主義の雰囲気を帯びさせる。
7月の「海外製粉ミルクの価格操縦問題」でも、
暗に「外国人が中国人をまたいじめている」といったニュアンスを込めた。
毒ギョーザ事件が残した教訓は、「CCTVや国内メディアの報道をやみくも信じず、
自分で海外メディアがどう伝えているかを確認する必要がある」ということだ。
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中国のメディアは基本的にプロパガンダのツールであり、
当局のメッセージを当局の意向に沿って伝えるための手段だ。
意向に反した報道をすれば粛清される。
紙媒体やテレビしかなかった時代に、中国国民はなかなか海外発の情報を得られなかった。
インターネットが普及した今、中国国内の報道と海外報道にズレがあることが認識され始め、
中国メディアは「張りぼて」のような存在感になってきた。
(編集担当:古川弥生)
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