7月3日産経1面に元首相・中曽根康弘氏のメッセージ、<洞爺湖サミットに寄せて>が掲載されている。
氏によれば、<BRICs>の台頭により、日本の国際的な存在感が低下しつつあり、さらにはレイムダック化したブッシュ大統領の存在感も希薄化してきているとの分析が紹介されている。
氏の言うような<サミット>が国際政治のオリンピックである事に関しては抵抗があるが、世界秩序を形成する際の共通の哲学と論理を共有する主要国の地球規模の諸問題を解決するための意見交換の方向性の確認ステージと見る。
サミット開催初期は7ヶ国(G7)であった。
現在は、ロシアを入れた8ヶ国(G8)、これには異論がある活火山だ。
つい先日の様な過去に、日本の領海内で操業中の日本の漁船が、ロシア艦船に領海侵犯と不法操業の言いがかりで銃撃を受け乗組員の1人は死亡、銃撃で蜂の巣状になった日本の漁船は返還されずに至っている現実を考えると、G7とロシアに共通の価値、哲学、論理の共有を見ることは不可能だ。
さらには、このG8に中国初めとするBRICsを含めさらに拡大させるべきとの意見がある。
こうなれば、<サミット>は<国連>の機能とオーバーラップし、本来7ヶ国のインフォーマルな組織であった歴史やサミットそのものの価値が失われていく。
参加国の拡大を図るなら、<国連>機能の強化、充実を図るべきだ。
サミットは、本来G7で、いうなれば、旦那衆の談合の場であり、仲良しクラブなのではなかろうか。
いきなり漁船に銃撃をくわえるような国の旦那はこの仲良しクラブに入る資格は無い。
この仲良しクラブは<組>の連合体では無いし、ましてや、善良なる市民の町会に<コワオモテ>の紳士は似つかわない。