
立候補を決断したのは、、、。
帰郷前から私は、環境問題に関心があった。
その頃、村はゴルフ場建設の話があり、
我が行政区が予定地となっていた。
なんでもそうだが事の始まりには賛否両論があり、
村もその例に漏れず対立してた。
それは派閥対立をそのまま賛否の対立だった。
体制派と反体制派である。
両親は体制派で賛成していた様で、
業者のパンフレットを持っていた。
ゴルフ場は森林破壊と、
芝管理のために使用する薬品が土壌、河川を汚染する。
その頃はブームも下火になっていた頃なので
ゴルフ建設業者も必死だったのかもしれない。
パンフには夢のような麗句が並べられて
わたしには読むに絶えない内容だったが
両親は私達がそこで働いている姿を想像してる様だった。ー迷惑です、とは言わなかったが、浅はかにも程がある。
「なにこれ、騙されているんじゃないの、みんな」
と、ピシャリ、、。
夢から覚めた様でその後話題にも出なかった。
その後反対派の人たちが頑張った甲斐があって、
白紙になったと聞いた。
帰郷した頃は、東電関係者の宿舎、事務所、
食堂などのプレハブが至る所に建って、
それなりに活気があった。
しかしそれは殆どが体制派の身内親類で占められ、
選挙を応援した人達だった。
体制派の天下、まさにそんな感じ。
選挙買収事件で反体制派からは
ヒーローの様に思われていたこともあって、
私の正義の心に火がついた。
箱モノ建設には一応は入札というステップがあるが、
ほぼ癒着、というのがわかってくる。
二度目の村長選挙が近づいてきた。
三つ巴戦、、村では初めてらしい。
怪文書、利益供応、ゲンナマは一億円、飛んだ、、とか、
ある意味ムラ全体が盛り上がる。
お祭り、と揶揄するひともいるくらいである。
現職派はそれまで地位を利用して、人脈を広げる。
公共施設が増える分雇用人数も増やせる。
三人のうちの一人は明らか反体制派であるが、
もう一人は、現職のブレーンと言われるほどの人だったから、現職の怒りが選挙戦に現れた様で選挙は加熱していった。
、、、現職当選。
本来なら反体制派の冷遇施策が始まるのだが、
元現職ブレーンK氏派に対する報復のような
指名外しが行われた。
村の老舗大手の建設会社が倒産に追い込まれた。
こちらの奥さんは顧客で
比較的身近な人だったこともあり、選挙結果の報復でいとも簡単に不幸にしてしまう、、。
倒産の理由も経営者の個人的事情によるもの、と、
実しやかに広がって、
共通の友人はその話を信じてしまっている。
間もなく、隣の町に一家引っ越ししていった。
いつの間にかいなくなった話は、いくつか聞いた。
親が「村に入らなくなる様なことはするな」
と言っていたのはこう言うことだったのか、、。
今時、こんな封建制度の様な社会があるのだろうか?
都会で生活してきた自分には解せないことだった。
(しかし、今思えば、自由という名の女性解放に
乗っていた自分の生き方も危ないものだった)
この時のあまりの報復施策に、K氏派は裁判を起こした。
それと同時に有志が村のオンブズマンを立ち上げた。
私もオンブズマンなら
派閥関係のない運動ができると入会した。
指名外しなど、今後起こらないようにという
意味もあったが、
後になってK氏の派閥色濃い会であると気がついた。
それはそれで、K氏がもし村長になったら、
対立濃い施策を改めれば良いのである。
何より村の人たちの意識改革になる事に期待した。
裁判は初めての経験であった。
2021 5/21
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