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プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

郵政民営化を争点に出来ない民主党

2005-08-13 21:11:13 | 政治経済
小泉首相が郵政法案の廃案を素直に認めず「改革」推進の旗を掲げ総選挙の戦いに打って出た時、郵政民営化反対の旗を掲げ受けてたつのが野党らしい野党だと思うのだが、なぜか民主党は郵政民営化は争点でないという。何故だろうか。
03年7月財界の強い希望で民主・自由党が大合併して新民主党が発足し、財界の政治的代理人を自民党、民主党の二大政党が担う構図ができた。これを受け自民党内では高度成長時代の残滓をぶっ壊し、新しい時代の資本の利益のため働きますと小泉が代表に躍り出た。一方の民主党は自由党小沢と合併し、やはり新自由主義改革と軍事大国化を推進する役割を担わされることとなった。
財界はそれぞれの党がそれぞれの党内事情で、郵政民営化でもたついていることに相当苛立ちを感じていることであろう。
民主党は郵政民営化でこれ以上財界を怒らせ、考課点数(現在は五段階評価のC)を下げるわけにはいかない。これが民主党が郵政を争点に出来ない理由である。

核兵器廃絶への道-被爆60周年に思う

2005-08-12 23:29:06 | 政治経済
今年は広島、長崎の被爆から60周年である。冷戦終了によって世界的軍縮が進み、核兵器廃絶も大いに前進することを期待したが、核固執勢力は依然として核兵器を手放そうとしない。今年五月の核不拡散条約(NPT)再検討会議でアメリカは5年前に自らも合意した核兵器廃絶へ向かう課題を執拗に妨害した。そして核兵器による先制攻撃政策を掲げ、「より使いやすい」核兵器の開発を公然と進めている。最大の核保有国であるアメリカのこの態度は当然に他の国の核拡散を止める道徳的説得力を持たず、イラン、北朝鮮のような核問題が後を絶たない。
言うまでも無く、核兵器は必ず大量の非戦闘員の命を巻添えにし、地球環境と人体をを長く破壊する犯罪兵器である。にもかかわらず、広島、長崎原爆投下を実行した当時の関係者は様々な理由をつけて良心の苦悩はない、少しも後悔していないと断言して憚らない。何故か。
個人の上に国家をおき、国家間の紛争は武力による解決しかないという考えに囚われる限り、結局、核兵器は正当化される。
国家のまえに世界の個々人の生活があり、人々が平等互恵で共存することこそがすべての願いであるとする勢力が、戦争によって儲けようと考える勢力を世界の草の根から包囲し孤立させること、このことこそが核兵器廃絶への確かな道である。
被爆国の日本国民はまず自国の核固執勢力=アメリカの核の傘を頼みにする勢力を包囲し孤立化させ、この運動の先頭に立たなければならない。

郵政民営化ーやっぱり日米財界の要求の産物

2005-08-11 23:32:12 | 政治経済
郵政解散後のマスコミは小泉首相の作戦に乗って民営化の中身をそっちのけにし、反逆者に立ち向かう殿の応援団かのようである。世論調査で支持率があがったとか有力候補者をぶつけて反対派を徹底的につぶす作戦などと囃し立てている。国民は郵政民営化法案の本質を今一度よく掴んで意思表示しないとイラク人質事件の時に批判の矛先をまったく逆に向けてしまったと同じ過ちを繰返すことになりそうである。
日本の大銀行・保険会社にとって郵便貯金・簡易保険契約は長年自分たちの商売の邪魔をする言わば目の上のたんこぶであった。さらに金融ビッグバンによって日本の個人金融資産を証券・保険市場に引き込もうとたくらむアメリカ金融資本にとって政府保証のもと安全性の高い預貯金がこのまま存続することはとても我慢できることではなかった。アメリカ金融資本の政治的代理人竹中民営化担当相は7月25日の参院特別委員会でアメリカ政府・業界関係者と法案作成前に18回打ち合わせたと平然と答弁している。資金の流れを「官から民」へ変える「改革」の本質は郵貯・簡保の340兆円を日米の金融資本の食い物に提供しようとする企てなのだ。
現在郵政公社は独立採算で一銭も財政援助を受けていない。僻地の零細貯蓄者を金融サービスから排除し、なけなしの貯金をリスク市場に誘導される郵政民営化は一般国民とっては「百害あって一利なし」と言わざるをえないのである。


新しい自民党vs古い自民党

2005-08-10 23:12:49 | 政治経済
小泉首相は今回も改革派(新しい自民党)対抵抗勢力(古い自民党)の図式で「改革」に国民の支持を取込む積もりのようである。
新しい自民党と古い自民党とはどこが同じでどこが違うのか。自民党が時の権力者(支配的資本)の儲けと秩序維持のために働き見返りに政治資金を受取る政党であることは今も昔も変わらない(選挙の時に口当たりの良い抽象的言辞を並べるが実際の政治で一般国民の願いをしばしば踏みにじるのは彼らの存在意義からは当然のことである)。この意味で革新政党が自民党政治を「逆立ち政治」と批判するが彼らからすればしっかりと自分の任務を果たしているのだから逆立ちでもなんでもない。時の支配的資本の儲けと秩序維持のために働く場合、支配的資本が時々の政治に期待する課題は資本主義の構造変化(蓄積構造の変化)に応じ当然に違ってくる。ここに同じブルジョア政党である自民党でも新しい自民党と古い自民党の分岐が生まれる。
高度経済成長時代に支配的資本が自民党に期待した課題とグローバリゼイション時代に要求する課題は同じではない。経団連の会長が鉄鋼業界の代表ではなくなったことはそのことを象徴している。小泉・竹中が新しい時代の支配的資本の要求ー新自由主義的改革と軍事大国化の担い手として働いていることは言うまでもない。そして日本経団連は民主党にも純粋にこの課題に取組むことを要求し考課表をちらつかせているのである。要するに財界がこれらの政党に企業献金するのは儲けに役立つからである。
一般国民は新しい自民党と古い自民党の違いがどこにあるか見極めると共に自分たちにとってよりましな政治を望むのであるなら、マスコミや周りの人々の取込みに惑わされることなく、自分たちの階級的利益を代弁し対抗してくれる政党を見極め国会に送り込むほかないのである。

小泉構造改革

2005-08-09 22:54:36 | 政治経済
日本の多国籍大企業とアメリカ金融資本の要求を受け、小泉構造改革は大企業の業績回復、大銀行の不良債権処理を実現するところまで来ました。しかしその過程は
大量の失業者や不安定雇用者を生み出し、低金利や各種負担増で庶民に犠牲を押付ける過程でもありました。小選挙区制の導入により、政治と国民を切り離したとは言え、日本型開発主義のもと、長年利益誘導型ケインズ主義に慣れた一部自民党党員にとって今回の郵政民営化をごり押しする小泉構造改革は流石に我慢ならなかったのでしょう。
日米財界よる新自由主義的改革の要求は自公だけではなく民主党にもつきつけられています。奥田日本経団連会長は非常にわかりやすい形で各政党にたいする考課表を発表し、考課点数によって政治献金の多寡を決めようとしています。
財力のない一般国民は犠牲転嫁ではない改革のためにどう対抗すればよいのでしょうか。私はわれわれの声を代弁してくれるまともな野党を国会に送り込むことだと思います。
郵政解散はまさにその絶好のチャンスです。