Blog ©ヒナ ─半径5メートルの毎日から見渡す世界

ラテンアメリカでの日々(1999〜)、さいたま市(2014〜北浦和:2021〜緑区)での日記を書いています。

バクチに打って出てみた

2021年06月27日 | 日本で暮らすなかでの日記

 

 すっかり夏である。わたしの部屋にも昨夜、寝ようとしたら蚊が嫌がらせにきた。この季節最大のデメリットである。

 ちなみにわたしは去年は東京都の福生に住んでいたのだが、風呂場にはタイマー付きの換気扇が無かったため、シャワーのあとは窓を開けっぱなしにしていた。付けっぱなしは電気代が無駄だし。

 風呂に入っているときほど蚊に襲われたくない時はない。第一に真っ裸だから防御のしようがないし、ド近眼だから99.0%裸眼な時に蚊は追尾が不可能だ。しかも閉所。為すがままである。

 

 さて、わたしは蚊取り線香が大好きだ。わたしの少年時代(昭和五〇年代)にベープマットを導入するほど我が家はオサレでも何でもなかったのでもっぱら蚊取り線香だったのだが、夏場のタオルケットに染み込んだ蚊取り線香の匂いは、いまでも嗅ぐ度に二度寝を誘発する。

 

 ということで蚊の対策を講じねばならないのだが、この引っ越してきた家はログハウス調なので火気厳禁である。「つるしておくだけで蚊を寄せ付けない、240日有効」とか「シュッと一吹き、24時間蚊を退治」などといった商品があることは、ドラッグストアなどで度々見かけて知っていたが、そういやラテンアメリカ暮らし以外に、日本では蚊対策をしなくていい一〇回とかクソマンション密集地帯とかにいたためか、考えたことがなかった。

 

 

 「ラテンアメリカ」と「蚊取り線香」が出てきたので、少し話を脱線してみよう。ラテンアメリカにも基本、蚊取り線香はかなりのド田舎でも売っている。カップラーメンの日清のみならず、KINCHOも二〇世紀において偉大な発明をしたものだ。

 だが決定的な違いがある。ラ米(ラテンアメリカのことをよく日本人はこう書く)での蚊取り線香は「蚊を追いだす」モノであって、「蚊を殺す」ためのモノとしては認識されていない。だからラ米で蚊取り線香を焚いている時によく「ヒデキぃ。なんでAUTAN(最もポピュラーな蚊取り線香の商品名)焚いておいて窓、閉めてんだ?意味ねーだろ?」と、ドアを全開にして去られたことがよくある。しかも効果はすこぶる低い。よって日本からKINCHOのヤツを土産に持って行って、「これは殺す為のものだからベープマットみたいに窓は閉めなければならない」と説明してあげると、(とくに日系移民の方なんかは)「やはり日本製だな」などといってえらく喜ばれる。海外留学や赴任の予定がある方、参考になれば幸いである。

 

 

 お笑い芸人「ぺこぱ」じゃないが、「話を戻そう」。

 ということで早速埼玉スタジアム傍にあるカインズに行ってみた。なるほど、まぁイロイロと蚊対策の商品が並んでいる。わたしは別に、基本的にはモノ書きのインドア派なので、別にそんなに恐ろしく強力なものでなくていいし、高価でなくてもいい。部屋だって七畳くらいのものか。

 「ナニ?!890円?」

 なんでそんなショボいアロマオイルの詰め替えセットみたいなものに千円近くも突っ込まにゃならんのだ?

 しかも「無臭でまったく気になりません」って。高いお金払って使うんだから、少しは蚊取り線香みたいに、「働きました」感が欲しいものである。どうも納得いかない。しかも蚊取り線香ならば、「煙たい」「部屋が白くなった」などと効き過ぎが感知できるのだが、無色無臭の殺虫剤なんて、よく考えたら人体に影響はないのか?

 

 そこで考える。火を使わずに、しかも化学(ケミ)じゃなくして虫に対策を打つならば。

 そこで思い出す。そういや、今度引っ越してきたココ、自然に囲まれているからして、なんぞ生き物を飼いたいものである。

 わたしは自分でも頭が痛いなと思うほど猫が好きなのだが、このハウスはペット禁止である。鳥くらいならかろうじて許して貰えようが、あまり鳥を籠に入れて飼うのは性に合わないし、何せわたしは数カ月レベルで(コロナ禍でなければ)ラ米にいるので、世話もできない。

 植物ならば、共有のリビングに置いてって誰かに水くらい世話を頼めようが、さして動くわけでもないので、飼ったところでそんなに長期間観察する気もない。あと、できれば紫蘇かパセリとかいった、鑑賞してもヨシ、そして最後に食せればなおよし、と行きたい。ということで短期間で変化がみられて、なおかつ収穫が見込めるからと、三角コーナーに捨てていたカイワレ大根や人参のヘタの部分などを脱脂綿を敷いた発泡スチロールのトレイで育てていたのだが、育ったのはカビで、すぐさま挫折した。

 

 

 ココまでのわたしの文脈を総合すれば、自ずと着地点は見えてくる。ペットは飼いたい。植物しかダメ。蚊の対策はしたい。でも火気厳禁。ココは自然に囲まれた簡素な農村地帯。やはりオーガニックでC・W・ニコル路線こそがふさわしい。

 

 もうお解りか──「食虫植物」である。カインズのそれは一鉢589円と少し値が張るが、イオンには398円で売っていたはずだ。少し余分にお金を足して三鉢くらい買えば、すべてWIN-WINだろう。観葉植物であり、虫を食べる様子は夏休みの絵日記の宿題にはもってこい。たいして世話にデリケートになる必要もなく、100%オーガニックだ。

 

 「この中(398円シリーズの食虫植物の30ほどの鉢の中)で、今が食べ盛りの即戦力を三つ選んで貰えますか?」──真犯人の目撃者へ質問する刑事のような眼で、わたしは店員にそう頼んだ。

 

 頼むぜ。

 

補記1:よく見りゃこれ、「ハエトリソウ」という名前なんだが、まだこのサイズではハエは無理とのこと。いやいや。蚊を取ってくれたらそれで十二分なんだが、それじゃ「蚊トリソウ」に名前をかえんとな。

 

補記2:でもちゃんとペットなんだから名前を付けた。写真左から、「なかのクン」「てる」「うめチャン」。「なかのクン」はとにかく小回りが利いてよく働きそう。「てる」は頼もしい将来的には中心選手へ。「梅チャン」は安定の働きを。とにかくこの夏休みのわたしの絵日記の宿題はこの選手たちの観察日記で決まり。

 

 


コメント    この記事についてブログを書く
« 浦和美園の近くとはいえ農園... | トップ | この発明はエグい! »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日本で暮らすなかでの日記」カテゴリの最新記事