
330円のコーヒーに対して生産者が受け取る対価はわずか3円から9円・・・ほとんどはカフェ、小売り、焙煎業者、輸入業者の儲けに消えていく・・・。グローバリズムの歪さを浮き彫りにした作品「おいしいコーヒーの真実」のDVDをようやく観た。
舞台はコーヒー発祥の地・エチオピア。不公平な貿易システムに依って、生産者は貧困に喘いでいる。そのコーヒー農家を救おうとする一人の男の戦いを描くことで、その理不尽な構図を描き出すこの作品は実に面白い。
生産者に適切な対価が払われていたなら・・・飢餓の苦しむことなく、子どもに教育を提供出来、持続可能な農業が成り立つのだ。飢餓援助ではなく、生産者は自立出来る。そのためには企業の収奪ではなく、公正な取引(フェアトレード)が必要なのだと主人公は世界を飛び回る。

フェアトレードについては、何度も書いたので繰り返さない。ATJなどを通して、一部の生協では、長い取り組みがされてもいる。みやぎでも取り組みが進んでいる。ただ、生協全体で取り組むとなると課題は山積み・・・正月明けの1月3回でインターネット限定商品で、コーヒーとチョコレートの扱いが始まったばかりだ。
日生協が、そして拠点の大規模生協こそが、こうした取り組みを進めていくこと。こうした取り組みを先駆的に行って市場を切り開いていくこと。低価格競争も重要(暮らしに貢献するって意味で絶対に否定しないさ)、それとともに“車の両輪”で、生協としての“価値”を貪欲なまでに追求してって欲しいんだ。
「協同組合は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、そして連帯の価値を基礎とする」という協同組合の価値にも合致する活動だ、って、地域生協の一担当者が書くのはおこがましいんだけど、書生論であることを承知の上で、書いておきたい。

その号にもこの話出てた。もっと取り組まないとね。
こういう活動って、生協を外部にPRする格好の機会になるわけだし、マスコミだって好意的に取り上げてくれる。
イメージ戦略をやれとは言わないけど、そういうところが、まだまだ足りないんだよなぁ。
組合員参加につなげていければ、ベストなんだけどね。
結局は「やってまーす」って言う軽い打ち上げ花火なんだろうね。コーヒーなんて簡単な課題に取り組むのでは何ら意味がない。弱者が2者いた場合、片方を助けると片方は破滅するってパターンは結構あると思うけど、どう救う??
日本でやってるフェアトレードは、コーヒー、バナナ、砂糖、エビってところですが、基本は国内で自給出来ないものを、国際産直って形でやってきてるわけです(ウチの生協はやり始めたばっかりですが)。
自給できるものを無理に輸入する必要はないし、コーヒーが例に出されているのは、収奪の度合いが特に顕著なものというわけでしょう。
輸入する全ての商品をフェアトレードにするというのは、そもそも無理な話だし、やれるところから徐々にってところではないですか。
確かに矛盾はあります。だからこそ、日生協も商品の取り扱いに踏み出せないんでしょう。インターネット限定での試みは、試運転といったところ。弱者救済には、ほど遠いでしょうね。試行錯誤ですよ、今は。
ああ、言い忘れた。もこみちさん、あけましておめでとうございます。
今年も辛辣なコメントお待ちしています。それでは。
難しいことは私にはわからないんですが…
フェアトレードは生協でどんどん取り組んでいきたいです。
(って、一組合員の私には何もできそうにないけど…)
自給できるものはもちろん国産で、
自給できないものは国外から
真の適正価格を社会全体で実現しなきゃと思うんだけど…
具体的にどうすればいいのかは(?_?)
(元気なら生協活動でも取り上げて
バリバリ動いてるかもしれないけど…)
実際、フェアトレードは、自由競争と相反する人為的な価格維持の運動なので、善意だけでやってると高い値段で、品質が粗悪なものを売るだけになってしまう危険性があります。そこは日本で取り組んでる団体もみな苦労してるようですね。
こだわりを持った人たちだけの運動体であれば、高くても売れるでしょうが、大手の生協でやるとなれば、ちゃんと採算ベースに合う組み立てもしなければいけないわけで、簡単にはいかないでしょう。
“書生論であることを承知の上で”って書いたのは、そういう意味です。
実際、難しいですよね。
明けましておめでとうございます。。。
確かに現実的にはほとんど無理なことと感じてますね。ただね、これをするにあたって、生協として真実に基づいた説明を組合員にできるかってちょっと疑問??
いいとこ取りのまるでイオンみたいな中身のないものになるなら、やらない方がいいかもと正直思う。
それと、自給できる定義もあやふやで、100%なのか1%でも自給というのか?
収奪の度合い??日本では起こってないの?買い叩いているのはイオンや生協などでも同じこと。まずはそれから止めたら??って言ってもそれはできないのが事実・・・
今の日本でも派遣や請負、パート、アルバイトはまさしくエチオピアのコーヒー農家とどう違うのであろうか?ちゃんと全ての生協はちゃんと彼らに適正な対価、処遇をしてるのか?それができない企業が生協がいくら「公正」と叫ぼうが白けるね・・・
確かに生協にせよ、私企業にせよ、非正規雇用に頼ってるのは、歴然とした事実。
それ抜きに競争から生き残れないという現実がある以上、やむを得ない選択である・・・ということは十分承知の上で書かれてると思うので、それに対して納得できる反論なんてものはないわけですよ。実際のところ。
さすがに大手企業のようなひどい派遣切りの類は生協はやってませんけど、それは食品流通が、そこまで業績が悪化してないだけのことであって(トヨタなどが莫大な内部留保をもってるのに・・・という議論はさておいて)、背に腹は代えられない状態になった時に生協が、パートはともかく、派遣の雇用を守るか?っていえば、答えに窮するわけです。
そんな状態で「公正」「適正」を謳うフェアトレードに取り組むのは、ただ外面だけのことじゃないか、というのはそれは確かに正論です。その上でフェアトレードに取り組むことに対して、それでも価値を見いだす理由は・・・長文なので、続きは↑へ。
それは生協の経営も同様で、本文に書いた“協同組合の価値”に照らせば、それを忠実に100%実施している生協など皆無でしょう。それが“目指すもの”であるにしてもです。
フェアトレードが「適正な労働に対する適正な対価」とを実現し、自立を促すと言う点で、不十分ではあっても生協が取り組むべき意味のある運動である、とは思ってるわけです。
先駆的な生協が取り組んできたフェアトレードには20年以上の歴史があります。運動体を組織し、会社を立ち上げ、試行錯誤して、それなりの果実を得てきました。
それと比べれば、それなりに認知されてきたフェアトレード運動に大手生協は手を突っ込み始めたに過ぎません。それもネット注文限定という中途半端な形でです。
はっきり言って、その程度の取り組みであるのであれば、やる必要はないでしょう。
ちゃんと腹をくくってフェアトレードの意味を組合員に繰り返し告知し、本格的に取り組む。そこまでの覚悟があるとは正直思ってはいませんが、それでもなお、“事業と運動の車の両輪”に大手の拠点生協が取り組むべきだ・・・と期待を込めて書いたわけです。
現実には、それがきわめて難しいのは百も承知。だからこそ、青臭い書生論とあえて書きました。
雇用や収奪の問題については、少しでも改善していく。それは労働組合の問題でもあります。その一員として末席ながら、取り組んでいくつもりです。
生協のフェアトレードの取り組みについては以下のリンク先で