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【取材記事】衝撃の文書・パナマ文書はどうつくられたのか? 第3回

2016-07-13 10:59:51 | 独自取材


2016年6月2日、早稲田大学にて開催された「パナマ文書はこうして取材・報道した」。共同通信の澤康臣氏が講演を行った。【山下雄太郎】

第1回はこちら。

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澤氏がパナマ文書に関わったきっかけは、当初、フリージャーナリストのシーラさん(第1回参照)から、2016年2月に届いたメールだ。「内容は言えない。興味はあるか」といった趣旨のメールだったが、ジャーナリストである以上、興味がないと言えなかったという。

その後、パナマ文書関連の業務で使うことになったのは、多段階認証のパスワード。スマホで使われているようなワンタイムパスワードを使うといったものだ。その先には資料、手探りで探していくといった地道な作業が待っていた。

租税回避のため、名前を貸すための会社も多い
澤氏によると、パナマ文書を調べていくと、租税回避のため、名前を貸すための会社が多くあるという。一方で、会社役員になっているからといって、本当に租税回避に関係しているかどうかはわからないこともあるようだ。。



澤氏は、英国や米国のジャーナリズムの現場の人たち、仕事の仕方に大きく影響を受けたという。様々な記事の書き方も多いに参考になったようだ。他の記者の記事を読む機会もあり、「ある事象についてこう書く」というのもわかるので、非常に勉強になったとのことだ。



日本の情報公開法は国際的に見てもかなり遅れをとった内容になっている。例えば企業の競争上の地位に影響を与えるものならば、公開を拒絶できるものとなっている。そのため日本の場合、企業に不利な内容はなかなか出てこない。

英米では、調査報道が非常に、友好的なツールだと言われている。澤氏の所属したICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)でも、犯罪組織や人身売買などで、この「調査報道」が非常に効果的という考えだという。

ICIJの記事で匿名報道はありえない
ICIJのように国際的なジャーナリストの連携のなかで一緒に仕事をするのは、多くを学ぶことができる。一般的に他の媒体に自分が何を書くかということは絶対に言うことはない。(スライドはすべて澤氏のもの)



しかし、ICIJでは1つの国から2つ以上のメディアが参加し、協力して調査報道をすることができる。過渡な競争をしないのが、よい報道を進めていくうえでのポイントとなる。



ICIJにおける朝日新聞の奥山俊宏氏との調査報道は、個人的に奥山氏をよく知っているということもあり、やりやすかった部分も多いという。お互いが疑心暗鬼にならないかったことがパナマ文書関係の仕事を進めるうえで大きかったようだ。

澤氏は、「パナマ文書のプロジェクトでは無駄なエネルギーを使わずに、仕事の質を高めていくことができた」と説明。メディアの競争や、協力関係とはどうあるべきか、考えるよい機会になったという。(終)


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