ゆうすげびと の うた

ゆるやかに そして たおやかに 喧噪の日々のなかで しずかさを とりもどすために…。

舞台「猟銃」について(1)

2011-11-06 17:44:11 | 演劇
10月1日以来、この場所から遠ざかっていました。

この間、
それなりの数のお芝居や映画を観ていたんだけれど、
なかなか纏まったことを書くところまで至っていませんでした。

そこに私自身の生活実態があるわけで…、
そのことが悪循環を引き起こして、
さらなる表層的な日常のリフレインを生じさせるばかり…。
単に演劇や映画を「費消」しているだけの
「観る」という行為をただ繰り返しているだけの
感じに陥っておりました。

この陥穽もしくは埋没を
どこかでストップさせないと…。

てなことで、10月22日・23日の二日にわたって
東京・パルコ劇場で観てきた舞台「猟銃」の
中間総括的感想を認めることにします。


猟銃
 原作:井上靖 翻訳:セルジュ・モラット
 日本語監修:鴨下信一
 演出:フランソワ・ジラール
 出演:中谷美紀、ロドリーグ・プロトー

22日は一番前・中央よりの座席で
23日は中程・やや左の座席で鑑賞と、
なかなか恵まれた「猟銃」との対面ができました。

井上靖の原作小説の主たる構成要素たる
三人の女性の、一人の男に宛てた
それぞれが訣別の決意表明とも言える書簡。
これをどのように料理するのだろうか? と
興味津々の緊張感で芝居のなかに入っていきました。

冒頭の小説地の文ともいうべき部分は
池田成志による朗読が少し長めに録音で流れたのは、
興味を少し削ぐ感じがあって、演出的にはちょっと頂けませんでした。

朗読箇所がおわり、
舞台が仄かに明るみを帯びるなか、
中谷美紀嬢が登場しますが、
原作の三人女性の手紙を
延々と読み・演じるという「ひとり芝居」
といってもよいスタイルで構成されています。

舞台上で、おおきな動きはなく
静かに手紙を読み進めるように演技が
進んでいきます。
それは極めて「日本的」な象徴と表象で
構成されいます。

観終わったあと、
あまりにも贋作小説の書簡を
90分間美紀嬢が語り続ける構成に対して、
多少のフラストレーションを感じたのでしたが、
帰りの飛行機の中で、そして帰福してからも、
舞台のイメージや匂いや台詞の語感を
何度も何度も、反芻していました。

演出のフランソワ・ジラールも、演じる中谷美紀も
原作のもつエスプリのようなものを深く深く解釈し、
洗練された形で表象することに成功しているのではないか
と思えるようになりました。

原作の美しい文章と、その底に流れている心情・心性が
みごとに表現されていたのかも知れません。

三人の女性をひとりで演じ分け
延々とひとり語り続ける中谷美紀さんの
表現には感服です。

三つ目の彩子の手紙(遺書)での、
着物をひとり着付けながらの語りは
ひとつのクライマックスを
静かに静かに、しかししっかりと
表現していました。

来週末は、ここ福岡の地で
再度「猟銃」と対面します。

今度はどのように受け止められるのか
いまから愉しみにしています。


「猟銃」インタビューSPOT movie


「猟銃」舞台映像入り 地方公演SPOT movie



【関連記事】
「猟銃」を読む[2011-07-01]
映画「猟銃」を観る[2011-07-02]
女性のしなやかな強さ~ in 「猟銃」中谷美紀インタビューmovie Vol.1[2011-07-03]
身体性に挑む?~ in 「猟銃」中谷美紀インタビューmovie Vol.2[2011-07-03]





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硬軟両極~二つの“若者”映画

2011-10-01 20:13:21 | 映画
ご無沙汰です。
最近、Facebookへのちょっとした投稿や
Twitterでつぶやくだけの毎日でした。

充実しているのやら空虚なんやら
よくわからない日々の中にいます。

そんななか、
ちょっと早起きしたので、朝から
T-JOY博多で映画2本観て来ました。

(今日は1000円の日だったのでラッキー!でした)


モテキ
 脚本・監督:大根仁 原作:久保ミツロウ
 出演:森山未來、長澤まさみ、麻生久美子
    仲里依紗、真木よう子、リリー・フランキー
    金子ノブアキ、新井浩文 ほか

僕たちは世界を変えることができない。
 監督:深作健太 原作:葉田甲太 脚本:山岡真介
 出演:向井理、松坂桃李、柄本佑、窪田正孝
    村川絵梨、黒川芽以、江口のり子
    リリー・フランキー、黄川田将也、阿部寛
    Kor Vuthy  ほか


まずは「モテキ」から…

コミックが原作で既にテレビ東京系でドラマ化されているらしいけど
そんなことはまったく知らずに観ました。
朝イチというのもあってか客は少なく、若い子が多かった。
まぁ、モテない童貞男をとりまくラブストーリーなのですが、
映画の序盤から中盤にかけてテンポはイイのは良いんだけど、
森山君扮する主人公の
その場その時の気持ちを心の声としてやたら入れまくっていたのが嫌でした。
それも中盤以降はほとんど無く
映画のストーリーに沿って「静かに」観れたのでまぁ良かったかなってとこです。
結局ある意味ハッピーエンドで終わるわけで、
それも私としてはちょっと面白くなかったかな…。
森山未來とそれを取り巻く、長澤まさみ・麻生久美子・仲里依紗・真木よう子らの
演技は楽しく心地良いものでした。

今の草食系とか言われる若者男子の煮え切らなさを軸に
それを取り巻く女たち一人一人のキャラクターコントラストが
巧く描かれていると思いました。
気軽に観れて楽しめる映画です。


「僕たちは世界を変えることができない。」は…

“But, we wanna build a school in Cambodia.”という
英語タイトルからも解るように、
ある大学生(たち)がカンボジアに学校を造ろうと募金集めに奮闘する
実話をもとにしたお話。
冒頭の“But”がこのお話しの中心テーマとして描かれているのが
すごく良かったと思いました。
中盤の大学生達の取り組みが空中分解しかけるあたりの
彼らの議論のセリフは考えさせられるところが大きいモノでした。
カンボジア現地でのロケは、ドキュメンタリーの要素も多く、
ガイド役のKor Vuthyは実際に原作者のガイドしていた方らしく
そのお話が実にリアルなものとして私に届いてきました。
閉塞感のなかで“何かしよう”とする
大学生達のお気楽さや思慮の浅さを前提としつつ、
ナマの体験のなかで対象に(他者に)実際に触れる中で
少し深く考え、少しずつ変わっていく様を描いている
イイ映画だと思いました。


硬軟両極のようにもみえるこの二つの映画は、
今の若者を描いている点では共通しています。
その意味では、どちらも通底するテーマの上に
載っていると思いました。

この二つの映画を同時に続けて観たのは
なかなかイイ選択だったなと思っています。


『モテキ』予告


『僕たちは世界を変えることができない。』予告篇



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マイびわの木

2011-09-11 20:08:33 | Weblog
前回、長崎・軍艦島ツアーの際、
野母崎の茂木びわの木のオーナーになりました。

私がオーナーになったのは、この木。



この木を年3回手入れし、
5月の連休明けのころ収穫です。
(もちろん収穫したびわはすべて私のものです)

その初めての手入れ「整枝剪定・芽かぎ」に
今度の連休に行ってきます。

はじめての「マイびわの木」との対面です。
ちょっとドキドキ、そしてワクワクしています。

そのとき、
軍艦島への上陸に再度挑みます。
また、開催中の
伊勢エビ祭りにも舌鼓です。




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映画祭以後…

2011-09-06 23:25:47 | Weblog
先月末、24~28日の
湯布院映画祭から戻ってきてから、
その報告記事も書かぬまま
慌ただしい日常だけが過ぎってしまいました。

今回の映画祭は
豊川悦司特集と光石研特集という
昨年の石橋蓮司&緑魔子特集に引き続き
俳優特集でした。

なので旧作の映画は
比較的新しい作品が並び、
朝イチ時代劇という枠で上映された2本以外は
“おぉ、こんな映画があったのか!”
といった作品がなかったのはちょっと残念でした。

でも、まぁ、そこそこ楽しめた映画祭ではありました。


日常に復帰して
蝉の抜け殻のような
空虚とも残像とも言えぬ日々が今も
続いているような、続いていないような…?


てなことで、ぼちぼち
このブログに戻ってこなければと思っているのですが…。




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子役の魅惑 ~映画「うさぎドロップ」の芦田愛菜ちゃん~

2011-08-22 21:24:53 | 映画
きのう日曜日、
映画「うさぎドロップ」観てきました。

うさぎドロップ
 監督:SUBU 原作:宇仁田ゆみ 脚本:林民夫・SUBU
 出演:松山ケンイチ、芦田愛菜、香里奈
    桐谷美玲、佐藤瑠生亮、キタキマユ、綾野剛
    池脇千鶴、風吹ジュン、中村梅雀、高畑淳子
    木村了、木野花、池田成志、秋野大作  ほか



まったく予備知識なし、
ただ何となくルクルに行き、
時間が合ったのとSUBU監督作品だったので
迷わずセレクトしました。

面白かったです。

基本的にはホームドラマながら、
SUBU監督の軽快な
おとぼけテンポも軽快で、
気持ちよく観れました。

終盤のクライマックスに入るところの
子ども達が失踪するところは、
少し首を傾げたくなる設定と展開でしたが、
全編通して、
笑えて笑えて、少し泣けて…
そこそこ満足できる映画に仕上がっていました。

なによりも子役の
芦田愛菜ちゃんが良かったです。

子どもとは思えない陰影がこの子にはあります。
それは一種の色気の様なモノかも知れません。
魅せられました。
魅惑的な存在感をひときわ放っていました。

お薦めです。




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小さなパン屋の、すてきなカフェ

2011-08-18 21:57:25 | Weblog
きのうランチで行ったお店です。



宇美と太宰府の境界線、
只越えというところにあります。

ログハウス調の小さなお店です。



店内はさほど広くなく、
20種類ほどの焼きたてパンが
それぞれ少しずつ並べられています。

そのこぢんまりとした雰囲気がステキです。

通勤途中に車で通るので、
パンは何度か買ったことがあるのですが、
必要に応じて少量ずつ焼いているせいか
いつも焼きたての食感が味わえて、
お気に入りになっています。

店内には、テーブルとイスも置かれていて、
イートインも出来ますし、
ランチもやっています。


で、昨日、
職場の仲間とふたりで
そのランチを求めて行ってきました。



(チキンとお豆のトマトカレー)

とってもとっても美味しく頂きました。


このお店…
「30cc」といいます。

なぜ、「30cc」なのか?
何の分量なのかはわかりません。





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お寺に参って、…ダイナマナイト!

2011-08-15 20:58:54 | Weblog
お盆なのでお寺参りにいきました。

納骨堂の佛さまは、
いつもの佇まい。



帰りには、近くの焼き肉屋で
生ビール大!
ダイナマイトな一杯に舌鼓!







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大千穐楽の“荒野に立つ”

2011-08-13 19:45:51 | 演劇
阿佐ヶ谷スパイダース Presents
「荒野に立つ」
大千穐楽の公演に (昨夜)
福岡・イムズホールに行ってきました。

同じ芝居を5回も観たのは、
F-Stage以外はありません。

さすがにこれだけ観ると、
ジグソーパズルのピースも
ほぼすべて嵌まった状態になります。

役者それぞれのセリフの意味と位置づけ
それそれの役者の役割と意味などが
自分なりにすべて繋がって、
わかるわかると、楽しく面白く
演劇空間を愉しむことが出来ました。

役者ひとりひとりの
存在感のある演技も堪能しました。

無駄のないセリフと動き、
空間構成、照明、音響…
どれをとっても
私の右脳と左脳をともども
大いに刺激してくれる芝居でした。

安藤聖さん
  全編通して引きつけられっぱなしで、
  これから目の離せない役者さんの一人になりました。
  すばらしかった。とりわけ、
  玲音の代行で、転球さんと絡むシーンは好きでした。
川村紗也さん
  店員さんの気怠い感じ最高でした。
  自然でユーモラスで、チャーミングな演技
  好きでした。
黒木華さん
  田端のファンになってしまいました。
  声がとっても魅力的で、
  透明でニュートラルな役どころに
  アクセントが付いて心地よかったです。
斉藤めぐみさん
  オイルマッサージの受付嬢。笑いました。
  新聞を持って追いかけ・追いかけられる役など、
  あまり表に出てこない役どころでしたが、
  この芝居は、あなたの存在なくしては
  成立しないのではないかと、5回みて
  おぼろげながら気づいたような気がします。
佐藤みゆきさん
  妹の音羽の演技、姉との確執と姉への思いが交錯し、
  迫真の演技だったと思います。
  心に残りました。
伊達暁さん
  こんなに演技が巧い方とは知りませんでした。
  メクライ(安藤聖)とキスをする場面、
  メクライ(中村ゆり)と再会するシーン、そして
  父(中村まこと)との電話のやり取り、
  それぞれがコントラスト鮮やかによみがえってきます。
中村まことさん
  絶大なる存在感と演技力。
  “父”という先行する世代を代表する役どころは
  同時にパターナリズムをも象徴している
  と思いながら観ていたのですが
  この芝居の深みを作るのに欠かせない存在だと思いました。
  まことさんの存在なかったらこのお芝居は表層的な
  若者の自分探し劇に留まっていたかもしれません。
中村ゆりさん
  静かに、そして哀しげに、そこに在る感じが
  とっても好きでした。黒ユリの花のようでした。
  セーラ服姿でイマドキの女子高生のしゃべり口と
  玲音の寂しげな語り口と、ゆりさんならではの
  存在感に、心奪われてしまいました。
中山祐一朗さん
  もう、文句なしのキャラクタですね。
  このお芝居の進行役ですね、謎郎さんは。
  安心して笑える間の取り方、最高です。  
長塚圭史さん
  バイト先の上司、マッサージ店の店長、そして
  ちょっととぼけた探偵と、
  長塚さんならではの演技に笑いながら惚れ惚れとしてしまいました。
  そして何より、すばらしい劇作ありがとうございました。
初音映莉子さん
  美雲の存在は、朝緒の分身―
  朝緒を客観的に見ているもう一つの朝緒
  というか、もしかしたら…
  朝緒の失くした“目玉”そのものなのかもしれません。
  安藤さんとは対照的なキャラクタとして
  メクライに寄り添いながら、
  終盤での電話(メクライの代役)シーン好きです。
平栗あつみさん
  素敵なお母さんでした。
  心を病んだ朝緒に対する母の心情と
  鐘を無心し家を捨てようとする玲音に対する母の心情と、
  この二つの娘を思う心情がみごとに伝わってきました。
福田転球さん
  もう最高です。高広代行の転球さんは、
  最高でした。
  転球劇場を無性に観たくなりました。
水野小論さん
  長身で背筋が伸びた美人秘書役、ステキでした。
  冷たそうで実は人間味を裡に秘めている
  そんなところが好きでした。
横田栄司さん
  熱血教師の実と虚を
  軽やかに胡散臭く、誠実に
  演じられ、この芝居のなかで
  猟奇的な存在として光っていました。

今回出演された役者の皆さんを
また別の舞台でも観てみようと
思っています。

もともと
阿佐ヶ谷スパイダース×中村ゆり
ということでセレクトし観に行ったお芝居でしたが、
あまりにも私の琴線を刺激的に振るわせる劇作だったため、
東京、大阪、福岡と、計5回の舞台を観るという
贅沢な暴挙を敢行する羽目になってしまいました。
それだけの価値のある“劇”だったと
しみじみ感じ入っています。
そして、
たくさんのすばらしい役者さんと
出会えた芝居でもありました。


「荒野に立つ」の戯曲を掲載中の
『悲劇喜劇』最新刊(9月号)も取り寄せ、
再度、じっくりと読み込んでみようかと
思っています。



【関連記事】
荒野に立つ[2011-07-24]
再び、大阪の“荒野に立つ”[2011-08-04]
地元福岡の“荒野に立つ”[2011-08-12]




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地元福岡の“荒野に立つ”

2011-08-12 13:50:37 | 演劇

阿佐ヶ谷スパイダース Presents
「荒野に立つ」のキャスト・スタッフのみなさん、
ようこそ福岡・博多に!

昨夜、イムズホールに
観てきました。

イムズホールでの舞台設置は
サイド席が東京・大阪の他の劇場に比べて
はるかに大きいボリュームで座席が設置されていました。
(1列10席程度×5列てなとこでしょうか)
客席がちょっと横に広い感じです。
それに前列との段差があまりないため、
前の人の頭が気になります。

なので、ちょっと意識が拡散する感じかな、
と開演前までは思っていましたが、
芝居がはじまると、静かに
耳をすまし、感覚を研いで、記号を読む作業を進めていくと
しっかりと舞台世界に入り込んでいきました。

この作品は、
 喪失
 暗闇
 迷い
 閉塞
 自分探し
 自己の拡散・分裂
 自己存在の希薄性
などなど…、
この現代に生きる私たちが誰もが直面している
(いや、直面せざるをえない状況に追い込まれている)
ことがらが、
ひとつの“喪失”を軸に、断片的に語られ、
一つ一つの物語(ナラティヴとエピソード)が
それぞれ重なり合い、分裂し、交錯して、
一つの複合的なまとまりを形成している、
そんな作品です。

中心人物の朝緒(安藤聖)、
 その分身ともいうべき美雲(初音映莉子)と、
自死を選んだ玲音(中村ゆり)、
ふたり(あるいは3人以上の)“現実”が
複合的に重なり、交差していきます。
(そして他の登場人物の“現実”の断片が
 エピソードとしてそこに絡みついていきます)

終盤の電話のシーンでさえ、
(ここで物語の全体像が見えてくるのだけれども)
「代行」という手法が巧く使われていて、
ここからラストにかけて、
物語の収束のさせ方は、何度観ても好きです。


失くした目玉を見つけたとしても、結局それは、
ポケットに入れるしかないのでしょう。
決して元には戻らないのですから…。
そして、
 目玉を失くしたかもしれないことを知ること
 失くした目玉を人の手を借りてでも探そうとすること
そのことこそが、
いま私たちにもっと必要なことなのかも知れません。

そして、私たちは、
見つけた目玉はポッケトにしまい、
遺された目玉でしっかりと暗闇を見つめ
光を見つけていくしかないのです。


私は、この「荒野に立つ」の 何に
こんなに惹かれるのだろう? 何で
こんなにこだわっているのだろう?
それは私自身もきっとメクライだからかもしれません。



きょうの、夜の部も
イムズホールに行きます。
いよいよ大千穐楽です。


【関連記事】
荒野に立つ[2011-07-24]
再び、大阪の“荒野に立つ”[2011-08-04]
大千穐楽の“荒野に立つ”[2011-08-13]



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鈍色の太陽

2011-08-09 08:15:50 | 旅行
先週末、軍艦島を訪れたのが
8月6日。
広島被爆の日でした。

そして、きょう
8.9 長崎被爆の日です。

私がはじめて軍艦島の存在を知ったのは、
長崎の大学在学していた当時、
ゼミの先生が朝鮮人被爆者の調査をされていて、
その話のなかで、端島(通称 軍艦島)でも
多くの強制連行・強制労働による朝鮮人も働いていたこと知ったのが、
はじめてだったように記憶しています。

当時、「世界の友へ」というドキュメンタリー映画も
観たように記憶しています。
その後、端島で働き被爆した徐正雨(ソ・ジョンウ)さんの
お話も聞かせていただく機会もありました。

今回の軍艦島ツアーでは、
2日目の7日は、浦上地区をめぐる平和の旅でした。


平和公園では、
きょうの式典の準備が
大がかりで行われていました。



原爆公園の隅にしっそりと
隠れるように建立された
長崎朝鮮人被爆者慰霊碑。



私が必ず訪れる場所です。


そして、爆心地を示す漆黒の御影石のポール。



下から上空を見上げると
曇り空に、鈍色の太陽が
不気味な光を放っていました。

被爆から66年を迎える今年、
地上では、隠されていた太陽が
その隠れ家を暴かれたかのように、
見えない放射線を放出し続けています。

訪れた日に、原爆公園では、
労組の集会も行われていました。
その旗やゼッケンにも
「ノーモア・ナガサキ、ノーモア・フクシマ」の
文字が目立っていました。






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