観音さまはみなやさしい顔でありますのに、この馬頭観音はこわい顔をしています。そして頭の正面に白い馬の頭をいただいています。なぜこわい顔をしているのでしょうか、それには大きなわけがあります。と申しますのは、人間のなかでもやさしい顔をしておればいうことを聞く人もありますが、いうことを聞かない人には、逆におこってみることも一つの方法でしょう。観音さまもおなじことで、このようなおこった顔をして、ほんとうの仏のお心をしらしめようとされたためであります。馬頭観音さまも自分の心のなかの欲望をあらわして、それを焼きつくすために、このようないつくしみに満ちた観音さまを、いかりの姿であらわしたものといえます。この観音さまで名高いのは、九州の筑紫観音寺に、鎌倉時代の観音さまが、巨大な木で刻まれています。・・教育まんが・かんのんさまより参照