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平方録

明けの明星と三日月

今朝は冷える。

ベッドから抜け出た途端、久しぶりに冷気に襲いかかられ、さらに底冷えを感じたほどだ。

隣町の海辺にあるアメダスの記録を見ると午前3時台に3℃あった気温が04:59に2.0℃まで下がり、さらに右肩下がりの傾向を見せているので、日の出前後にはさらに下がりそうである。

すぐにガスストーブに火を点けて燃え盛る火の前で着替えし、階下に降りて湯を沸かしてほうじ茶を淹れ、盛大に立ち昇る湯気を吹き飛ばしつつ茶をすすると、五臓六腑にほうじ茶の暖かさがしみ通っていく。
紅茶にはブランデーかウイスキーを垂らして香りと幾分かの血管拡張作用を期待するが、ほうじ茶にウイスキーというのを一度やってみたが、どうもミスマッチのような気がする。
しかも、今あるウイスキーは個性の強い独特な香りと味わいのスコッチなので、単独で嘗めるにはいいが、何かに混ぜて飲むのに適したウイスキーではない。
甘いコアントローがあるが、こちらの方が混ぜるには適しているが、混ぜれば確実に甘くなる。
ものは試しでコアントローを混ぜて甘いほうじ茶をすすってみたが、ほうじ茶そのものの香りとコアントローの柑橘系の香りとが重なり合って、両方を楽しめ、しかも体はポカポカしてくるから、これはこれでいいかもしれない。
寒さが募る時はこれもアリか。
 
そんなことをしていたら、ガラス戸越しにひときわ明るい星がこちらの覗き込んでいるのに気付く。
方位はほぼ南東。
高さはと言えば、ほぼ水平、つまり地平線近くの低い山のスカイラインのすぐ上という位置。
星座アプリで確かめると金星のようである。
明けの明星ってやつだ。
時刻はほぼ午前5時。
寒さに震えながらベランダに出て夜空を見上げると、冬の星座の王者オリオンの姿は既に西の地平線に没していて見えない。
真北にあるはずのカシオペアも地平線ぎりぎりまで降りてしまっているらしい。
そもそも、北の空はわが家のベランダからは死角になってしまって見えないのだけれど…
 
そんなこんなでこのブログを書き進めながら、ふとキーボードから視線を外して外をのぞいてみると、今度はだいぶ高く上った金星の右下の隣家の屋根のすぐ上に、上ったばかりの下弦の三日月がぽっかりと浮かんでいるのを見つけて、キツネにでもつままれたように、軽く驚く。
役者がそろって夜明け直前の思わぬ天体ショーってところで、これはこれで拍手喝采したくなる気分である♪
ほうじ茶に混ぜたコアントローの量が少し多すぎたのかもしれない。
見事な天体ショーに幻惑されたせいもあるのだろうが、今、ちょっとトロンとした気分である。
さて、時刻は6:05。
もう一度外を見ると真っ暗な空に浮かんでいたはずの三日月の周りの空がほのかに明るくなり始め、あれよあれよと闇が後退して行っているのが手に取るようにわかる。
そして7:23には1.3℃にまで下がったのが、この日の底らしい。
 
 

冬枯れの近所の池と森の公園









 
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