待ち焦がれていたんだ。
この猛暑の夏、関東各地は午後になると猛烈な雷雨に見舞われるところが続出した。
注意しなければいけないのは、コンクリートで覆われた大都会で短時間に一定程度以上の雨量があると、それは行き場を失った雨の大暴れを招くということにつながり、ひどければ電車が止まったり、低い土地では浸水騒ぎといった都市型災害が頻発する。
雷雨は突風を伴うこともしばしばで、その猛烈な風による被害も関東平野のあちこちから聞こえてきていた。
そういう異常ともいえる雷雨はゲリラ雷雨などとも呼ばれているが、そんなのは真っ平ご免で、願っているのは暑さにうだる日、夕方頃から黒雲が近づき、短時間でも土砂降りの雨を降らせ、空に大きな虹を残して去っていく"鞍馬天狗のおじさん″のような、炎暑を懲らしめる「夕立」なのである。
ヨコハマまで雷雲が下りてきても、なぜかさらに南の海辺まで雷雲が近づくことはなく、せいぜい遠雷を聞くだけで、わが地方は蚊帳のお外に置かれっぱなしだった。
おかげで庭の草花も大きく茂った木々も、見るからに息も絶え絶えで、どれだけ夕立の一降りが待ち遠しかったことか。
昨日は早朝からよく晴れて真夏には珍しいくらい富士山がよく見える好日だった。
それが昼前から曇りだし、午後の3時を回るころから雨がぽつぽつ落ちてきて、待望の夕立ちがやってきたのだった。
この雨粒が落ちてくるのを横目に昼寝してしまったので、雷が鳴ったかどうかまでは知らない。
しかし、おかげさまの雨で庭の草花や木々は息を吹き返し、夕方は涼しい風が吹いていた。
今朝、庭を眺めると土は黒々と潤いを保っていて誠に喜ばしい。
真夏、自然が暑さにうだっているところに現れて自然の諸相をなだめ、落ち着かせていくような夕立を、あえて「牧歌的」と表現したい。
決して激しく襲い掛かるわけでなし、しかし、ある種の逆らい難い力をもってあたりを鎮めてくれる…その頼もしさ、そしていかにも自然なふるまい。
それが夕立の"鞍馬天狗のおじさん"的たるゆえんであり、悠揚迫らぬその立ち居振る舞いは、いかにものどかで牧歌的に見えなくてはならない。
それが乱暴狼藉の限りを尽くすようなゲリラ豪雨なんて名前を付けられるようでは…
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江ノ島灯台に朝日が昇る
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江ノ島灯台
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片瀬漁港の赤灯台と白灯台
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江ノ島灯台
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江ノ島灯台
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片瀬漁港赤灯台
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腰越漁港赤灯台(薄っすらと富士山が見えている)
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江ノ島灯台
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片瀬漁港の白灯台と赤灯台