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環境問題を柔らかく考える

仕事で環境問題を硬く考えているので、柔らかく考えてみたいと思っています。

<水俣病救済>チッソ会長が一時金の負担拒否の方針 (毎日新聞)

2007-11-20 09:31:08 | Weblog
水俣病未認定患者救済問題で、原因企業チッソ(本社・東京)の後藤舜吉会長は19日、与党プロジェクトチーム(PT)の新救済案に対し「訴訟が継続しており、解決への展望が持てない」などと述べ、新救済案の一時金の負担を拒否する方針を明らかにした。東京都内で記者会見した。

 チッソが新救済案への態度を表明するのは初めて。10月にPTが了承した新救済案は、1995年の政治決着に準ずる形で一時金150万円の支払いと月額1万円の療養手当の支給や医療費補助が柱。PTは百数十億にのぼるとみられる一時金をチッソに負担させる方針で検討している。

 後藤会長は「95年当時は『全面解決』『最終解決』との言葉が使われた。チッソとしては、清水の舞台から飛び降りた気になって受け入れた」として、補償問題は解決済みと強調。「(国が敗訴した04年10月の関西訴訟最高裁判決後、認定申請者が急増した)問題が再燃しない保証がない」などと述べ、新救済案が最終決着には結びつかないとの見方を示した。さらに、「新たな負担は株主や従業員に説明がつかない」と述べた。

 一方で、「何らかの変化があれば、与党からお話があるかもしれない」などと述べ、態度の変更に含みを残した。新救済案実現のためには、与党による訴訟派の説得やチッソ支援策の検討が必要となりそうだ。

 また後藤会長は「今、このまま不用意に解決がなされたら、あの地域はどういうことになるか。次から年取った人もお金がほしくなる」などと、更なる認定申請者の増加に警戒感を示した。

 後藤会長の会見に対し訴訟係争中の水俣病不知火患者会の大石利生会長は「人をあやめた企業が言うことではない。許せない」と強く批判した。【足立旬子、山田宏太郎】

                          毎日新聞より


酷いものです。チッソは被害者救済の為に存続したと聞いていました。その企業が救済はしないと言っているのです。水俣病の被害者とは、国に認定された人達だけが被害者なのではありません。国に認定をされていない被害者の方もいらっしゃいます。その方達を救済しないと言っているんです。

チッソの存続が水俣病被害者の方の救済になると思っていましたが、違うようです。存続理由がなくなったとなれば、チッソは退場するしかなくなると思うのですが・・・。
チッソのHPから家庭で使われているチッソ製品を書き出しました。

●カレンダー  ・カルレ(合成紙)
●おむつ    ・チッソポリプロES(熱接着性複合繊維)
●CDジャケット   ・カルレ(合成紙)
●パン包装    ・ポリプロピレン 
●シャンプー  ・ボディーソープ ・マリンコラーゲンオリゴ(魚鱗由来コラーゲンペプチド)
●ノートパソコン   ・リクソン(液晶)・リクソンアライナー(配向膜)・リクソンコート(ポリイミドワニス、感光性材料)・リクソンコート(オーバーコート)
●ウエットティッシュ   ・チッソポリプロES(熱接着性複合繊維)
●液晶テレビ    ・リクソン(液晶)・リクソンアライナー(配向膜)・リクソンコート(ポリイミドワニス、感光性材料)・リクソンコート(オーバーコート)
●食品    ・ε-ポリリジン(ポリリジン)  ・香料類
●化粧品    ・マリンコラーゲンオリゴ(魚鱗由来コラーゲンペプチド)
●瓶ラベル    ・カルレ(合成紙)

とりあえず、家電メーカーは環境に対する意識が高いと思うので、チッソ製品の使用の有無を問い合わせてみようと思います。

今の時代、知らぬ間に環境を破壊している企業の製品を買ってしまっているという事があります。紙を使えば、熱帯雨林を違法伐採したものでつくられている可能性があります。家のまわりにもチッソ製品がはいり込んでいるかもしれません。消費者の責任として、これらの企業の製品は買ってはいけないと思います。

今までは、製品を買いチッソに行くお金が被害者救済につながると思っていましたが、つながらないならチッソ製品なんかは買いません。チッソが態度を改めなければ、退場をしていただく行動を取りたいと思います。



「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」への続反論

2007-11-14 13:03:10 | Weblog
前にも「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」への反論を書きましたが最近、職場でも読んでいる人が2人程いたので改めて反論を書きます(こんなに浸透してしまうとは驚きです)。
ちなみにこんないんちき本を買うのは嫌なので、ぼくは人に借りました。

この本の地球温暖化に関する記述で「節電すると石油の消費量が増える?」という部分があります。この論理は「ある人は節電したおかげで、お金が浮きました。そのお金を銀行に預けたが、銀行は石油を使う会社にそのお金を融資したので、石油が消費されました。さらにある人は節電したお金で海外旅行に行ったので飛行機で石油が消費されました」という事です。

もう無茶苦茶な論理です。何故節約したお金で木を植えたり、珊瑚礁の保護に使ったりする人がいると考えないのでしょう?またお金を融資された会社がこのお金で省エネタイプの設備を購入すれば石油は二重に減ります。たとえ石油消費に使われたとしても、節電した分の石油は減っています。

ほとんどがこのような無理やりこじつけの論理で構成されているので、読む必要もないです。


このような環境懐疑論に対して、詳細に反論したサイトがあるのでご紹介します。ここを読めば、この本のうさん臭さがよく分かると思います。
         ↓
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/​

環境と経済

2007-11-09 12:53:50 | Weblog
「環境と経済の両立」よく言われる言葉です。しかし、ぼくは環境と経済が同列にあるとは考えていません。環境は人間が生きる大前提であり、経済は人間が豊かになる手段にすぎないと思っています。

経済しか考えていない人が多い現状では、環境は経済より上と言っても受け入れられないので、こういう表現になったのかなと思います。

経済学では個人が「利益」や「最適なサービスを受ける事」が最大になるように行う活動(合理的な活動)が、結果としては社会全体も良くなる事につながると言われています。そして、その合理的な活動では解決できない問題(例えば、環境負荷を低減する為に費用をかける事は合理的ではない)を外部不経済といってあまり重要視していないようです。

どうもこの理論では環境問題は解決されなさそうな気がします。この理論の問題点は、自然は無料であるという事を前提としていて、次世代の事が考えられていないという事です。また発展途上国の資源や労働力を政治や力を利用して先進国が安く買い叩いているというのも問題だと思います。(その結果、環境に配慮したまっとうな商品は価格が高く売れにくくなり、自然や次世代や途上国から奪った分、安くなっている商品が売れてしまう)

環境を外部不経済と言って切り捨てている限り、この理論に未来はないと思います。環境は人間が健康に生活していく上での大前提であり、それなくして経済など成り立ちません。それを外部不経済という言い方では、経済が大前提であり、おまけで環境があるという風に感じます。

そもそも経済は人間が豊かになる為につくりだしたシステムにすぎない思います。しかし、現在は経済をまわす為に人間がいるとう考え方になり(人間が豊かになろうがなるまいが関係なく、経済を維持することのみが目的となっている)本末が転倒しています。

「環境と経済の両立」という言葉の解釈は一般には「経済を維持しながらも環境保全する事も可能だ」とされています。この解釈が「経済という手段を使って環境という大前提を守っていく」とされる事が環境問題を解決する為の糸口だと思います。

環境保護活動に混じっているもの

2007-11-01 15:56:39 | Weblog
 環境保護活動をされている方の多くは、環境保護が目的で活動されています。しかし、環境保護が真の目的ではないのに環境保護を掲げている人達もいます。

 こういう人達の活動も「10」のうち「1」位は環境保護に役立つかもしれません。しかし、活動に参加する人のパワーやお金が「9」は別の目的に使われてしまいます。しかも、それを参加者が知ると環境保護活動に嫌気がして活動をやめてしまうかも知れません。

 これが、一番悲しい事です。環境保護活動をしようとしている人が、まともな団体に出会える事を切に願います。

 環境保護が真の目的でない団体の一例をあげると以下のような団体があります。

・「発展途上国の環境保護」を掲げながら、真の目的は各国の文化を尊重せず、日本の文化を押し付ける事にある団体(この団体の起源は戦前の日本のアジア植民 地支配の思想を受け継いでいるそうです)

・水質を浄化するという微生物入りの団子(効果はあるのかないのか分からない)を販売しているが、発明者の出身母体である宗教団体の資金源に利用する事を目的にしているのではないかと疑われる団体

・「ロハス」という生活スタイルの概念を、環境PRラベルとして販売し(ロハスを使用するにはこの団体に使用料を払わなければならない)、金を騙し取ろうとした団体。しかもこの「ロハス」という概念はアメリカの人が考えたものです。

・いつも言っていますが、環境に良いか悪いか精査せず、売上を伸ばす為だけに環境を利用する企業

・地球温暖化対策を口実に原子力発電所を増設しようとしている経済産業省。温暖化に役立ったとしても危険性や風評被害を考えると、建設される地元や周辺住民の安心感がなくなり、ひいては地元の人の幸せには結びつかないのではないかと思います。



<CO2排出権>東電、三井の申請却下 国連CDM理事会

2007-10-25 16:08:40 | Weblog
《東京電力と三井物産が、温室効果ガスを排出できる権利(排出権)の取得に向けて申請していた事業計画が、国連の「クリーン開発メカニズム(CDM)」理事会で却下されていたことが25日、分かった。日本企業が関連したCDM事業の計画が却下されたのは初めて。京都議定書で日本が公約している温室効果ガス削減の目標達成のためには排出権の取得は不可欠とされており、今後も同様の計画却下が続けば、政府や産業界は戦略の練り直しを迫られそうだ。

 却下されたのは、途上国で温室効果ガスを削減した見返りに先進国の企業が排出権を取得できる国連のCDM事業のうち、東電と三井物産が中米ホンジュラスで計画していたサトウキビを燃料にした発電事業。

 この事業を通じ、二酸化炭素(CO2)換算で東電は05年からの8年間に約30万トン、三井物産は年間ベースで約7万5000トンの排出権取得をそれぞれ見込んでいた。しかし、国連の審査で両社の計画の温室効果ガス削減量の計算方法が疑問視された模様だ。これに対し、東電、三井物産とも内容を修正して再申請する方針。

 CDMは、97年の京都議定書採択に伴い導入が決まった温室効果ガス削減手法の一つ。発展途上国の実施企業と先進国の投資企業が立案した計画をそれぞれの政府が承認し、国連の理事会が有効性を審査して実施を承認する。投資企業は途上国で温室効果ガスを削減した見返りに、自国で温室効果ガスを排出してもよい排出権を取得でき、最終的に自国の削減量に加えることができる。》

                                                                    毎日新聞より


との事です。「CDM」は記事の通り、削減義務のない発展途上国の温室効果ガス削減になるので、削減義務のある先進国間でやりとりする「JI」や「排出権取引」よりも地球全体での温室効果ガスの削減に効果があります。

けど・・・申請、却下されてしまったみたいです。
申請企業の「東京電力」「三井物産」という名前を見たら、さもありなんという感じですが。
「東京電力」は地球温暖化を口実に原子力発電所を推進しようとしてますし(ぼくは原子力発電所は環境に悪いと考えています)、「三井物産」はロハスという共有の概念を、勝手に商標登録して使用料を取ろうとしたり、トラックの粉塵低減装置の性能を過大に発表したり(規制値を守れない製品だった)しています。このような活動を見ていると、本気で環境問題に向き合っていない企業だと思えるからです。

この件をきっかけに環境問題に真剣に取り組み、環境問題を解決しながら、かつ利益をあげる企業になって欲しいと思います。