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環境問題を柔らかく考える

仕事で環境問題を硬く考えているので、柔らかく考えてみたいと思っています。

美味しんぼが伝えてくれた事

2014-05-20 10:42:40 | Weblog
昨日(5月19日)に発売された、ビッグコミックスピリッツを購入して、読みました。

まずは、勇気ある決断をされた小学館と、作者の雁屋さんに感謝です。
福島の事をもう一度考える機会を与えてくれました。

各人の意見や批判に関して、福島の現実を隠ぺいしようという目的で書かれたものは論外として、
それ以外はとても考えさせられました。

一番、共感したのは、川内村村長の遠藤さんの文章です。
村内に住むのが不安な人はまだ戻らなくていい。避難先で落ち着かなかったり、不安な人は戻ればいい。

確かにその通りだと思いました。
福島の事故とどう向き合って、どういう行動を起こすかは、それぞれの個人が考えて結論を出すべきです。

間違っても、県の都合で、「福島から移転すると福島の活力が低下するから移転は認めない」と移転を希望
する人の周り(親戚、近所、学校、職場など)から暗に圧力をかけたり、東京電力の都合で、住むのに問題
ないから賠償金や対応は行わないと言ったり、政府の都合で、原子力発電所を稼働されるためには、福島には
蓋をしておきたいという理由で、決めるものではありません。

戻りたい人も、戻るのに不安を抱えている人にも全力の支援をすべきです。
戻るのに不安を抱えている人には、生活する場所、働く場所、勉強する場所を提供すべきです。
これらは、個人の力では不可能なので、日本や世界のみんなの力を合わせる必要があります。

最後に環境の視点を一つ。

公害問題など過去に学んでも、原因企業と国は、データの隠ぺい、関係ない事象の膨大な羅列による論点ずらし、
被害者同士で争わせるよう、分断工作、子飼いのマスメディアをつかった責任の転換戦略、被害者救済よりも自企業や国関係者の利益優先などを行ってきました。

その視点で見ると福島で行われていることの本質が見えてくると思います。

多消費経済から共生経済へのシフト

2014-02-04 17:19:25 | Weblog
原子力発電所はまさに、多消費経済を支える象徴的なものだと思います。短期的な収益しか経済の範囲に入れず、限られた資源・エネルギーの消費、大量の廃棄物(使用済み燃料含む)などの問題、もっと言うと必要なコストを経済の範囲外として、開き直っているのが多消費経済です。
多消費経済の問題は、多々ありますので、これから継続的にブログでお伝えしていきたいと思いますが、端的に言うと、普通の人を幸せにする仕組みではないということです。
これに対して、共生経済は、多消費経済が蓋をして、他人や他国、未来世代に押し付けているコストを認め、普通の人が幸せになれることを目指す仕組みだと考えます。
具体的には、資源・エネルギーの大量消費を善とせず(豊かさの指標ではない)、エネルギーの使い方にこだわりを持ち、エネルギーの作り方にもこだわりを持つ、お金の所有の大小が価値ではなく、どのような生き方、生活、仕事をしているかが価値となり、幸せの指標とする、大量廃棄物を誰かに押し付けず、自分の責任で処理する、などがあげられます。
多消費経済が蓋をしていることの歪みの一例が、あれだけの大事故を起こした原子力発電所を無くせないという事です。多消費が前提の経済であれば、そうかもしれませんが、共生経済が前提では、原発は合理性も必要性もなくなります。共生経済へシフトしていくことが、脱原発への道筋だと思います。

COP19でのフィリピン交渉官のスピーチについて

2013-11-12 11:58:22 | Weblog
温暖化問題を世界各国が話し合う、COP19がポーランドで始まりました。
そこで、台風30号で、甚大な被害を受けたフィリピンの交渉官の方が大演説を行ったそうです。

日本でも様々な気候変動の被害が出てますが、原因が温暖化ではないかと声をあげることもタブーになっています。上手くメディアコントロールされているとも言えます。

個別の職場や知り合いとの話題でも、どこで聞いたのか、過去にも自然災害の被害はあったのだから、今は特別ではないと、温暖化懐疑派や、大量エネルギー使用産業に属している訳でもないのに、物知り顔で、懐疑派の提灯持ちを行っていました。
たぶん、本人にそういう意識はないと思います。

過去にも、もちろん自然災害はありました。現在の気候変動は、自然の推移による気候変動ではなく、人為が原因であるというのが、学術的にはほぼ裏付けられています。自然の推移による変動は勘案されているのです。

人為(人々の生活様式ももちろんですが、大量エネルギー産業の無秩序な経済活動)のせいであると認めると、現在の生活や経済活動を否定することになるから、認めないというのが、今の理屈です。

今すぐに、温暖化対策に世界が真剣に取り組んでも、温室効果ガスの排出量の増加が止まるには、数年から十数年はかかります。その間は、気候変動が激しくなり、自然災害の発生も増加していきます。フィリピンの交渉官が言うとおり、現実を直視し、状況を変えなければなりません。

また、自然災害への備え(適合策)も併せて、今すぐに始めなければなりません。自然災害は少なくとも数年から十数年は増加していくのですから・・・


以下毎日新聞より引用

【ワルシャワ阿部周一】「温暖化を疑う人は今起きている現実を見てほしい。狂った状況を止めよう」。ポーランドで開催中の国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)で11日、フィリピンなどに甚大な被害をもたらした台風30号について、フィリピン政府代表団の交渉官が、涙ながらに17分を超える大演説をした。交渉官は「兄はこの3日間、何十人もの遺体を埋めた」と現地の悲惨な状況を、時折ハンカチで目頭を押さえながら力説、会場からは1分近い拍手が続いた。

 一方、同国代表団の一人で、温暖化の被害軽減策の交渉を担当するアリス・イリガさんは毎日新聞の取材に、「自然災害に強靱(きょうじん)な社会を造るには、途上国の資金では足りない。(先進国は)交渉を終わらせ、すぐ行動を取るべきだ」と訴えた。COP19では、途上国が先進国に対策資金の拠出を求めており、今回の台風被害が今後の交渉にも影響を与える可能性がある。

引用終わり

原発ゼロについて

2013-08-26 17:01:43 | Weblog
小泉元首相が原発ゼロについて発言している記事が毎日新聞に載っていました。
記事でも述べていますが、原発は使用済み廃棄物の処分が一番の問題です。

津波が来る可能性がある場所には保管できません。津波以外にも、集中豪雨や地震など自然災害、事故や火災、戦争による攻撃などの人災、それらからのインパクトを数万年単位で防がなければなりません。

この事実を無視して、原発ゼロを主張する人達をレッテル貼りする人達は、何か問題が起こっても絶対責任を取らないでしょう。むしろ、何か起こったら、原発ゼロを主張した人達のせいだと責任転嫁し、それに騙される大衆により、事実関係がうやむやにされてしまうと思います。(現状もそうなっています)せめてできることは、誰が原発推進を行って、原発ゼロの動きを妨害したかを記録し、後世に残すことかなと思います。

以下、毎日新聞引用

Listening:<風知草>小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男


脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。

 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」

 小泉が答えた。

 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」

 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

 3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。

 呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。

 その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。

 原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。

 原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。

 帰国した小泉に感想を聞く機会があった。

 −−どう見ました?

 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」

 −−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。

 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」

 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」

 「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」

 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」

 もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)<題字・絵、五十嵐晃>(毎週月曜日に掲載)

以上、引用終わり

固定買取制度、特定契約・接続契約に関するモデル契約書説明会について

2012-11-09 14:45:40 | Weblog
7月のブログでご紹介した、再生可能エネルギーの固定買取制度の、電力会社が用意した
契約要綱の問題に対して、経済産業省は、モデル契約書を作成して、対応を行ってくれました。
11月6日(火)に説明会が開催され、満員になったので、追加開催も検討されているようです。

http://www.enecho.meti.go.jp/saiene/kaitori/meeting.html#nav-kaitori-detail
こちらのモデル契約書を締結すれば、電力会社の契約要綱を締結する必要はないそうです。
再生可能エネルギーを普及させていこうという流れに対する、電力会社のせこい抵抗に
対応がされて、とりあえず一安心ですが、まだまだ油断することはできません。

せこい抵抗から、族議員を使ったり、お金を使ったり、世論誘導したり、大掛かりな抵抗まで、
様々な抵抗が予想されます。

ひとつひとつ、的確な対応をして、再生可能エネルギーを普及させていくしかないのかなと思います。