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環境問題を柔らかく考える

仕事で環境問題を硬く考えているので、柔らかく考えてみたいと思っています。

水俣病と細川一さん

2009-01-28 23:03:45 | Weblog
今日(1月28日)のNHK「その時歴史は動いた」で細川一さんの話を放送していました。

細川さんは水俣病の原因企業チッソの付属病院の院長をしていたそうです。水俣市では唯一の総合病院だったので、水俣病の患者さん(当時は原因不明の奇病)を多く診ていたそうです。また、チッソ側の水俣病原因究明チームとして原因究明にもあたり猫による動物実験などもしたそうです。

その動物実験で、工場の排水を与えた猫が水俣病の症状を発症したという結果がでて、それをチッソの技術部に報告したそうなのですが、チッソ側は無視?隠蔽?したそうです。そして、その後も水銀が含まれた工場排水を流し続けました。

その後の裁判でこの事を証言し、チッソ有罪の決定的証拠になったそうです。


細川さんは企業側の人間だったので、企業に不利益なことはできないという立場と医者として人の命を守らなければならないという立場で辛かったと思います。けど、この証言のおかげで、企業の利益追求(生産活動)は人々の命をないがしろにしてまで行うものではないという流れができたのだと思います。

多くの人のつらい想いの上に、現在では人の生死に関わる公害は少なくなってきました。しかし、みんなが気を抜くとチッソと同じような企業がまた出てくるかも知れません。規制緩和の名を借りて、企業の責任を認めずに公害防止のコストをかけないようにしようと働きかけている人達もいるようです。

細川さんや水俣病の患者さん(国に認めてもらえなかった患者さんも含めて)の想いを無駄にしないためにも最低限、今のレベルは守らなければと強く思いました。

100万人のキャンドルナイト 2008夏至に参加しました

2008-06-26 12:55:37 | Weblog
6月21日に行われた100万人のキャンドルナイトに参加しました。

ぼくが参加したのは、東京タワーのすぐそばの芝公園で行われた「東京八百夜灯2008」というイベントです。

カウントダウン(数秒ずれたのは、ご愛嬌)とともに、20:00に東京タワーと芝公園の広場がライトダウンされました。あいにくの小雨模様でしたが、運よく20:00からは小休止状態になり、傘をささずにすみました。能とピアノのコラボレーションは何度見ても感動します。キャンドルの灯りとすごく合っています。能ができた頃は、電気はなかったのだから、電気以外の灯りが合うのは当然だと思いますが・・・

あと、鴨下環境大臣も来ていました。政治の力も重要だと思うので、是非がんばってもらいたいと思います。ただ、くれぐれも戦時中の統制経済のようなつまらない政治力の発揮の仕方ではなく、個人ではがんばっても出来ない環境に本当にいい事をやってもらいたいです。

司会の方によると、横浜ベイブリッジや姫路城、首里城など700箇所以上でライトダウンが実施されたそうです。

こんなイベントはパフォーマンスで、温暖化防止には役に立たないという人もいるようですが、ぼくは違うと思います。普段、当然のようにされているライトアップ(エネルギーの消費とも言い換えられます)。その当然なことに変化(ライトダウン)が起きてみて、初めてこれは本当に必要なのだろうか?違うことで代替できないのだろうかと考えはじめるのだと思います。

この自分で考え、行動することが、環境問題解決には大切だと思います。権力を持った人に強要されて行う行動では、環境問題は解決できません。人の生活は変えられませんが、自分の生活は変えられます。変えた生活は、今よりも窮屈ではなく、もっと楽しい生活にしたいと思います。

船場吉兆の「もったいない」について

2008-05-08 14:09:58 | Weblog
船場吉兆という料亭が、一旦お客に出して、箸がつけられなかったものを「もったいない」といって、別のお客に出していたそうです。

こういうのは、「もったいない」とは言いません。料亭に来るお客さんは、自分に出される料理が使いまわしだとは思っていませんから、そのお客さんを騙した事になります。

このお店側の姿勢を誤魔化す為に「もったいない」という言葉を利用しているに過ぎません。本当の「もったいない」活動をしている人に失礼です。

こういう例えを食べ物にしていいのか分かりませんが、上記の料理はいわばリユース品です。それを新品と偽って出したのですから、詐欺で犯罪行為だと思います。

本当に「もったいない」と思うならば、リデュースつまりお客さんにきちんと食べてもらう方法を考えたり、リユースつまりお客さんに他の人が箸をつけなかった料理ですよと伝えて、納得してもらって食べてもらうか、従業員が食べる等、そして最後にリサイクルつまり料理を使って肥料を造ったりするという方法を取るべきです。

船場吉兆が「もったいない」を語る資格はありません。

石原都知事、一斉消灯「ちゃちな発想」・七夕の首都圏合意、批判

2008-04-28 18:02:06 | Weblog
東京都の石原慎太郎知事は25日の記者会見で、首都圏の各県と政令指定都市が7月7日に予定する一斉消灯運動を「ちゃちな発想」と批判した。一斉消灯は温暖化対策の一環として、21日の8都県市首脳会議で合意したが、石原知事は「センチメント(感傷)だ」と疑問を呈していた。都が各県市と共同行動を取らない事態もありそうだ。

 石原知事は消灯運動には継続性が必要としたうえで、実効性のある対策として「11時ごろにネオンサインを消すなどの規制をしようと思っている」とのアイデアを披露した。7月に一斉消灯をするかは「これから合議する。決めていない」と述べるにとどめた。

 神奈川県は北海道洞爺湖サミットの開催に合わせ、7月7日に箱根町で一斉消灯を行うことを発表している。

日経新聞より

との事です。けど、ぼくは全然ちゃちな発想とは思いません。みんなで7月7日に電気を消せば綺麗な天の川が見れるはずです。そうすれば、ネオンよりも星を見るほうがいいという人も増えていくと思います。

石原都知事の11時になったら強制的にネオンを消すという発想とは180度違う発想です。
環境問題は、悪い人達に利用されちゃうと結構、危険な面を持っています。戦時中のような統制経済に向かっていったりすると思います。

けどそれでは環境問題は解決しません。上から押さえつけるのではなく、一人一人が正しい知識を持ち、それぞれの立場で自発的な意思で取り組まなければ、環境問題は解決しません。

どうも石原都知事はその辺が分かっていないようです。

安定型処分場操業差し止め訴訟

2008-04-18 12:32:33 | Weblog
安定型処分場の操業差し止めを認める判決が相次いでいるそうです。安定型処分場とは、「無害で安定した廃棄物」とされる安定5品目(廃プラスチック類、建設廃材、金属くず、ゴムくず、ガラスくずおよび陶磁器くず)のみ埋め立て可能な処分場で、無害な廃棄物を埋め立てるという建前から、汚染水が流出することを考慮しないで良いため、しゃ水構造やしゃ水シート、浸出水処理施設の設置などが必要なく、実質的に素堀りの穴にゴミを捨てる、極めて大ざっぱな廃棄物処分場です。

しかし裁判所は「安定型5品目以外の有害物質が混入することは不回避」と認め、有害物質によって汚染された水が、「処分場予定地外に流出することはないと断定する確実な根拠は見いだし難い」としたそうです。しかもこの処分場は他の処分場と比べて、特別に粗悪なものではないそうです。つまり、安定型処分場という仕組み自体に欠陥があるという事です。

では何故、安定型処分場なんていうものがあるのでしょうか?環境省の方は「リサイクルを進めてもゴミは出る。処分場は必ず造らなくてはならない。どうやって安全な処分場をコストも考えて確保していくか考えると安定型が一番リーズナブル」とおっしゃっているそうです。

つまり安全を犠牲にしてでもコストが安いほうがいいという方針のようです。
まぁ、環境省ばかりを責められません。予算には限りがあって、コストをかければかけた分だけ安全性は高まりますが、そのお金を誰が出すかが問題です。まずは、ごみを処分するのは無料という社会全体の意識を変えなければなりません。その上で一番いい処分の仕方をみんなで考えるべきです。