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環境問題を柔らかく考える

仕事で環境問題を硬く考えているので、柔らかく考えてみたいと思っています。

太陽光発電からの電力受給に関する契約要綱の問題点

2012-07-25 16:42:56 | Weblog
2012年7月1日から始まった再生可能エネルギーの固定買取制度に伴って、電力各社から契約要綱が発表されました。

しかし、下記の問題点があり、既存電力会社が再生可能エネルギーの導入に消極的な実態がまた浮かび上がりました。
要は、法令で決められた制限よりも電力会社が独自で制限を増やしているという内容です。

【太陽光発電からの電力受給に関する契約要綱の問題点】
・法令に記載された事項以外の理由でも契約拒否できる
法令では記載した事項に該当しなければ、電力会社は契約を締結しなければいけない事になっているが、要綱では法令以外の事項が追加されている。
原文;【承諾の限界】東京電力要綱(P7)、関西電力要綱(P7)

・出力抑制要請に対する損害賠償が認められていない
法令では電力会社は火力発電等で調整した上でも、供給が過多になる場合は、出力抑制要請を行うことが出来るが、その発電停止期間の補償を求めることができる事になっているが、要綱では賠償の責めを負わないとされている。
原文;【損害賠償等】東京電力要綱(P11)、関西電力要綱(P15)

・法令以外でも電力会社の判断で料金改定が可能
法令では原則、調達価格は変更されないが、要綱では「その他の事情」がある場合には、調達価格を変更するとされている。
原文;【料金】東京電力要綱(P8)、北陸電力要綱 高圧・特別高圧(P8)

・要綱を一方的に変更可能
総則に「要綱を変更することがある」とあり、事業者と協議無しで変更が可能とされている。
原文;【要綱の変更】東京電力要綱(P1)、関西電力要綱(P1)

・契約期間が1年間になっている
法令では買取期間は20年だが、要綱(関西電力除く)では1年契約になっており、毎年更新するとされている。
原文;【受給契約の成立および契約期間】東京電力要綱(P4)

・環境に関する付加価値の帰属が電力会社
原文;【環境に関する付加価値の帰属】関西電力要綱(P25)


このように、再生可能エネルギーを活用する発電事業者は増えてきましたが、それを送電する既存電力会社が再生可能エネルギーの導入を邪魔しようとすれば出来てしまう構造があります。
一部の人達の妨害で、進みませんが、この構造を変えるには、送電会社を別に設立するしかないと思います。

発電のデータは統計局を見ましょう

2012-05-18 14:04:44 | Weblog
検索エンジンなどで、日本の発電状況を調べようとすると、電気事業連合会のページが最初に出てきます。

電気事業連合会はもちろん原子力村の、原子力推進のためのページです。
データも、原子力が必要と見せるように、苦心してつくってあります。

総務省の統計局では、発電所の最大出力から地域別の発電量まで載っています。
原子力村以外の人達は、こちらのページを見て、自分で考え、自分で行動して欲しいと思います。

http://www.stat.go.jp/data/nihon/10.htm

ちなみに、再生可能エネルギーの区分がされていないので、ぼくが手持ちデータ集計した
数値をご参考に載せておきます。

太陽光:発電容量352万KW、発電量12億万KWh、ポテンシャル3000万KW
風力:発電容量250万KW、発電量30億万KWh、ポテンシャル28000万KW
バイオマス:発電容量154万KW、発電量40億万KWh、ポテンシャル63万KW
地熱:54万KW、発電量35億万KWh、ポテンシャル2347万KW
上記計:810万KW、発電量117億万KWh、ポテンシャル33410万KW

水力:発電容量4794万KW、発電量907億万KWh
火力:発電容量13174万KW、発電量7712億万KWh
原子力:発電容量4658万KW、発電量2282億万KWh

合計:発電容量23439万KW、発電量11569億万KWh

原子力への依存度は約10%

2011-11-04 15:11:39 | Weblog
資源エネルギー庁の「総合エネルギー統計」出所によると、2008年度の一次エネルギー供給(総供給量)の推移では、原油換算で原子力は約58百万Klと、全体599百万Klの9.7%になっています。

このデータを見ると、エネルギー関連の原子力への依存度は約10%という事になります。
この10%を根拠に、原子力を無くすと、経済が崩壊するとか、雇用が減るとか一部の人達が不安を煽っています。

どうみても、大げさな煽りで、原子力擁護に必死だという印象を受けます。
ここまで、嘘をついてでも原子力を擁護しようとするのは、何故だろうと不思議になります。
いくつか、仮説を立ててみました。

仮説1
原子力は、過疎地域や未来世代にツケを押し付けやすく、その浮いた利益を一部の人達が享受できるから死守したい

仮説2
核兵器への転用を本気で考えているため、無くすことができない

仮説3
原子力ムラの根が予想以上に張っている。原子力ムラは、今回の震災や事故でも損をしない仕組みになっていたようです。負担は税金。企業や大学、機構の人たちは負担しない契約だったようです。こんなおいしい構造を易々とは手放さない

仮説4
市民の人、一人ひとりが、苦労をするよりは、なんとなく神話の上で依存していた方が楽だという意識がはたらいている

上記の複合が要因かもしれません。
こうしてみると、原子力を無くすのは、中々大変かなと感じます。
けれども、上記のエネルギー統計では、新エネルギー等が約16百万Kl(2.8%)、水力・地熱が18百万Kl(3.0%)と5.8%あります。これを1.7倍にするだけで、数字上は原子力はゼロにできます。

微力ですが、この新エネルギー等と水力・地熱の比率をあげれるように、仕事でもプライベートでも頑張っていきたいと思います。

100万人のキャンドルナイト 2011 夏至に参加しました (今年は自然エネルギーナイトも追加)

2011-06-23 17:40:34 | Weblog
毎年参加していますが、6月22日にキャンドルナイトに参加しました。

今年は、太陽光発電+直流LED照明(一式2万5千円)を購入したので、自家発電自然エネルギーナイトになりました。



太陽光発電+直流LED照明については、また別の回に詳しく書こうと思いますが、蛍光灯20W程度の明るさがあったので、本も読めていつものキャンドルナイトとはちょっと違った感じでした。

自家発電のLED照明とキャンドルを眺めながら、節電について考えたのですが、同じ節電でも2つの節電があるのかなと感じました。
1つは、電力会社などが強制的に押し付けてくる節電です。強制的に不快なことを押し付けてきて、この不快なことから逃れるためには、原子力しかないと刷り込むという戦略が感じられます。

もう1つは、このキャンドルナイトのように、それぞれが環境問題を自分の頭で考え、自主的に行う節電です。快適に生きていくにために本当に必要なことは何か、原子力に頼らなくても快適な生活はできるのではないかと意思表示を行い、キャンドルや自然エネルギーなどで灯りをともすという行動を起こしています。

出来るだけ多くの人に、この2つの節電の違いについて知ってもらいたいと思います。


別の回に細かく書いていこうと思いますが、工夫すれば、家庭生活では原子力による電力は不要です。あとは、原子力という未来世代や地域的な弱者に負担を押し付ける電力を使い、それをコストダウンや国際競争力と称して企業努力を怠っている一部の企業をなんとかできれば、原子力はなくすことができると思います。

ジブリの英断について

2010-08-23 18:15:41 | Weblog
新聞等で報道されていますが、福島の原子力発電所のPRにジブリ作品の「となりのトトロ」が使用されていたそうです。
この事実は驚きですが、その後、ジブリはこの原子力発電所からの撤退を決めたそうです。これは大英断だと思います。

おかげで、ぼくも一つ、腹が据わりました。
というのは、地球温暖化問題の深刻さを知れば知るほど、そして現実の社会のしくみや、環境なんてやらなくていいという人たちを見ていると、地球温暖化の課題解決のためには、原子力発電に頼らなくてはいけないのかも知れないと考えはじめていました。

地球温暖化の問題を伝えている安井至さんも原子力容認のような発言をされています。

けれども、ジブリの比喩をつかわしてもらうと、原子力発電は「風の谷のナウシカ」に出てくる巨神兵のようなもので、地球温暖化問題は腐海みたいなものかと思いました。腐海(地球温暖化)への恐怖から巨神兵(原子力発電)にすがるのは、クシャナ(映画に出てくる強国の軍人)のすることであって、ナウシカのすることではないと思います。

原子力発電に頼らずに地球温暖化問題を解決するのは、夢物語かもしれません。けど、ぼくは、今回のジブリの英断で、その道に向けて努力してみようと思いました。