八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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2/11「冬山巡視茶臼岳Ⅰ」青空が広がります!

2019-02-12 14:27:50 | スキーツアー

2月11日、冬山巡視として茶臼岳に行ってきました。八幡平の雪は少な目と感じていますが、今年の茶臼岳の様子はどうなのでしょう。

今年から「御在所」の旧スキー場の跡地を利用してキャット(雪上車)によるスキー客の営業輸送を行っているそうです。圧雪されていないパウダースノーの斜面を滑ることのリスクを軽減するため、あちこちに注意喚起の看板が取り付けられています。

御在所トイレには最低・最高の気温、積雪量、雪質、密度、風速から、靴底貫入という聞き慣れない用語の情報がキャット(雪上車)を運行するキャットツアーズの皆さんにより、張り出されていました。

曇りか。景色は駄目だな、風がなければいいが・・・と頭の中で。

登り口駐車場の温度計は-8度と表示されていました。

来たな!と振り返ると、お客さんを乗せたキャットが重々しい音をたてて登ってきました。

この頃から青空が広がり、目指す茶臼岳とその鞍部にある避難小屋が見えてきました。

  

キレイだ~と見惚れるばかりの茶臼の姿に足が何度も止まりました。

ほとんど無風なのですが、茶臼上空の雲は動き、山頂は見え隠れしています。山頂周辺は新雪が風で舞っているようです。

キャットは「大黒森」の方に行ったようで、「恵比須森」手前の鞍部からはキャットのトレースはありません。ラッセルという程の沈みもありません。快調です。

どんどん広がっていく絶景に言葉は発しないものの、フフフと腹の底から笑いがこみ上げて来るようでした。

   

ラッセルに難儀した時、ホワイトアウトの日など、「自分は何をしているんだろう」と考えてしまうことがありますが、今、この景色の中にいると、「こんな景色に出会えるから来るんだろうな」と考えてしまいます。

横風が強く、雪面はうねうねと山が横たわっているような吹き溜まりが幾重にもあります。こんな雪面に自分たちだけのトレースを残す贅沢を味わっています。

ダケカンバの”冬の花”、とシャレる気持ちのゆとりさえあります。

 

と、これは?中央の棒状の黄色っぽいヤツのことですが・・・

雪面から数センチ程出ていましたが、雪を掘ってみると黄色っぽい棒状のヤツは全長20㎝程もあり、その下は複雑な形になっていました。ウサギの赤ションです。

雪の中で静かに凍ったウサギのオシッコが、風でまわりの雪を吹き飛ばされ、氷柱となって雪面から突き出ていた。というものです。上手いこと真直ぐに凍ったものです。

などの観察も気持ちのゆとりから。

避難小屋の屋根は見えるのですが、まだ雪の少ない今年のルートは例年雪の下に隠れている木々が一杯露出していて、進む方向がありません。こんなのは初めてと思いながらも、小屋はすぐそこ、と迂回を楽しんでいます。

空腹は感じていますが、まだ11時半。登り口から2時間半ほどで到着です。

天気が変わらないうちに、ちょっと茶臼まで行ってみようと思います。

たったのこれぐらいの距離でも、雪面がガリガリだと結構苦心することもあるのですが、今日はいいみたいです。

相変わらずの吹きさらしの茶臼岳山頂に到着。

風上側にエビの尻尾が伸びています。ないはずの風もここには結構強く吹いていました。

残念ながら、八幡平も畚岳も岩手山も今日は見えません。

茶臼避難小屋の冬期入口は少しだけ雪が被っていました。小屋に入った瞬間、外気温との温度差で暖かく感じましたが、温度計は-8度でした。

油断なくダウンを着込み、少しだけ遅い昼食となりました。

”茶臼大滑降”も頭をかすめましたが、結局、来た道を戻ることにしました。

コメツガの霧氷姿。

ビッシリと松ぼっくり。

雪に埋もれた若いオオシラビソ。手足というかヒレというかが伸びていて、アレに似ていると思いません?

こんなに小さいのにツリーホールが出来ています。

昨年オオシラビソは、どの木もたくさんの球果を付けたようで、その軸の部分が残っています。

高カロリーの”マツノミ”一杯!ホシガラス食べ放題!

めんけ~(可愛い)と声がかかりそうな実を落として軸だけになった現在の姿。

オオシラビソの冬の花?

などと、たくさんオオシラビソの球果の軸を見ました。豊作とか当たり年とか、そんなこともあるのでしょうか。きっと今年は実の付かない裏年になるのだろうなと思います。

旧ゲレンデにはパウダースノーを求めて訪れたスキーヤーのトレースが一杯残されていました。来週は樹氷の本番を迎えた八幡平に出かけます。

   あべ

 

 

 

 


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