八幡平の自然 ~アスピーテ日誌~

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3/2冬山巡視「茶臼岳Ⅲ」強風

2019-03-04 15:52:27 | スキーツアー

3月2日天気予報は晴れマーク。今年度最後となる冬山巡視として茶臼岳に出かけました。条件は良さそうなので、今回は黒谷地湿原まで行こうと思いますが、さらにその先、源太森まで行きたくなる予感もしています。

御在所のトイレに掲示されている気象情報は毎日更新されています。

いつも悩まされる風は弱風~軽風と記入されています。

いつもの温度計の表示は-2度。寒くありません。

ただひたすら登るだけの斜面もここで一息。

眼下には旧松尾鉱山の跡地と稼働中の地熱発電の施設が見えています。岩手山は見えません。

あちこちにウサギの食痕が見えていますが、この状況は、私なりの観察だと、「ウサギがダケカンバの花芽を食べて、お礼の糞(礼肥)を置いて行った」と見ます。この場所での食事代は礼肥2個分という事になります。

恵比須森山頂です。正面に茶臼岳が見えていますが、強い風が吹いているようで、山頂のシルエットがくっきり見えません。

何度も見たオオシラビソの球果の痕跡。この小振りな木にいったい何個の球果がついたものか、ついつい見てしまいます。

おや!この球果は?

右の球果は幼いうちに枝折れで栄養が遮断され、左の球果は完熟前に。風?、ホシガラスが止まった?

黒谷地湿原は何にもないただの雪原。昨年更新された展望デッキはまだ雪の中のようです。

本日の予定はここまでのつもりだったのですが、天気よし。ラッセル無し。時間も大丈夫。という事で、源太森からの樹氷原を見に行くことになってしまいました。

黒谷地からの夏道を登り切ったあたりで左側に外れると、この辺りから樹氷が始まります。

黒谷地からの樹氷は風下側から見る格好になるので、こんもりとした姿ではありません。

樹氷の間を縫うように進んで源太森に到着。

樹氷の中を進んでいる時には風を感じなかったのですが、源太森には強風が吹き、まともに八幡平山頂方向を見る事が出来ないくらいでした。

風で雲が動き、雲の切れ間から差した陽が樹氷原を走ります。

秋田側から陵雲荘を目指して進んでいる登山者が2組見えています。

樹氷原に行きたいという欲望は無言でもう少し、もう少しと足を進めさせます。

樹氷原を陽が走り、光の当った樹氷原はサ~と輝き、そしてスッと戻ります。樹氷原の光と影。

小振りな樹氷が続く晴れた樹氷原に雪煙が舞います。

自然の厳しさ、荘厳、過酷な自然環境、妥協を許さない、などの言葉が浮かんできますが、上手く表現出来ません。

ずいぶん八幡沼に近づいてしまいました。しかし、帰りの時間も気になり、またしても後ろ髪をひかれる思いで意を決し、茶臼岳に戻ることにしました。

   

再び黒谷地湿原が見えてきました。

黒谷地からは、かつてスノーモービルの乗り入れのあった安比岳方向に進んでいます。

スノーモービルの痕跡はなく、見事な雪庇がこんもりとせり出していました。

雪原には強い風が吹いています。  

遅い昼食を茶臼避難小屋でとり、午後の部を再開します。

風があるので寒く感じますが、気温的には低くはないようで、小屋の中は-1,5度ほどあり、暖かく感じました。

さて、茶臼岳です。

 急な斜面を横断する格好で右側の山頂に行こうとしています。

茶臼岳山頂です。画面上は風圧は感じられないかもしれませんが、実際は八幡平山頂方向を向けない位の強風がたえず吹いていたのです。

それでも茶臼岳の南側に出ると嘘のように風はなく、ぽっかりと畚岳が頭を出していました。

たえず吹く強風が、数少ない樹木をこんな姿に変えていました。

そして、本当は避けたかった茶臼大滑降。

実はこれが一番きつかったのです。雪質はガリガリと新雪とモナカ。場所によってコロコロ雪質が変わるのです。

いつ来ても苦手、と振り返ります。

それでも、こんな景色に気を留めるゆとりはあります。

ウサギのほんの小さな踏圧がかかった雪面の周りが風で吹き飛ばされ、踏み跡が雪面から5㎝も高くなっていました。過酷な自然環境の中に”生”を感じます。

これは?

ウサギの赤ション。強風で飛ばされたものが凍ったというものでしょうか。雪面から真下に浸透して凍ったものは見ますが、これは風下側に飛び散ったものと思われ、笑いながらも風の強さを感じてしまいます。

 寄り道をして少しだけ遅くなりましたが、無事、登り口の御在所に到着しました。

秋田・岩手県にまたがるアスピーテラインの除雪もそろそろ始まると思います。

今シーズンも吹雪やホワイトアウトを何度も経験し、改めて冬山の厳しさを感じていたのですが、3月になるとさすがに違うな~と思いました。

厳しい冬を乗り越え、花の咲く春が待ち遠しく感じられます。

   あべ

 

 

 

 

 


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