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ICUROK!!

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ナバホ再び

2007年06月04日 00時31分51秒 | 映画
私は戦争映画が好きではない。戦闘シーンの作り云々になれば話は別なのだが…。たいがいの作品は正義(善)と悪、それだけで済ませるのがよろしくないのだ。
なぜか?凄く当たり前なことを言うと、正義(善)などというものは対立する双方の国にそれぞれのものがある。自分が正義(善)なら相手は悪。しかしそう簡単な構図で済ませられるものではない。ところが戦争映画ってのは、この構図を利用しているものが多い(ごめんなさい。こんなこといって、ろくに観ていないけど…)。たとえば、私の好きな呉宇森氏ですら、っていうか呉宇森だからか、あんな糞ウィンドトーカーズなんてもんを作るのである。真剣に「戦争の悲惨さを伝えたい」と、思って作っているのだろうが、結局いつものパターンなのだ。
悪はやっつけたぞバンジャーイ!でも悪い日本が正義の米兵の命を奪ったよ。嗚呼、戦争は良くないよ。悲しいね、感動だね。これでは戦争の悲惨さは伝わりにくい。私が敗戦国の人間だからこう言うわけじゃあないよ。善と悪でしか戦争を描けないなら戦争映画を作るなと思うのだ。これではまったく戦争映画を作る意義が分からない。

それよりも、てめえの言ってることが分からない!などと言われそうなのでもう止めよう。まったくその通りで。私はこんなこと言う割には不謹慎な映画が大好きなのだから。説得力ねえよな。

ってなわけで、前置きが長いが、先日ようやく父親たちの星条旗を観た。そもそもこの映画は周知の通り、「硫黄島からの手紙」との2部構成で、硫黄島における日本とアメリカを双方の視点から描こうとしたのである。つまり前述したような戦争を善悪で終わらせない映画である。このイーストウッ丼の構想に私は深く共感したのである。ああ、やっぱわかってらっしゃるよこの人は、すげえなあと思った。単純に期待していた。
そんで、中身なんだが、テーマが明白で良い。そう、「ヒーローなんて者はいない」のである。そしてそれをイーストウッ丼は人間ドラマをうまいこと組み合わせて、相変わらず丁寧なタッチで撮っていく。色調がまたよろしくて、観客に客観性を求めているのだろうか、冷たいタッチである。うまいよなあ。スピルバーグ大先生がプロデューサー故か、残虐シーンもなかなかよくできている。
しかし、やや冗長すぎるような…。私が90分映画大好きだからってのが大きな要因なのかもしれんがね…。なんでしょうなあ、微妙なんだよなあ。なんか真っ平らな道を延々行くみたいな、もう少し起伏をつけてもよかったんじゃあないかと。とにかくテーマが良かっただけに少し残念。

それよりも、今のてめえのほうがよっぽど残念だ!などと言われそうなのでもう止めよう。まったくその通りで。偉そうなこと言っている場合ではないのである。
まあとにかく、期待しすぎていたせいか、ちょっと「あれ?」ってなってしまった。悪くは無いんだけど…なんだかなあ…なのであった。近々もう一方の「手紙」も観てみるとしようかな。