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※ネタバレ注意※【感想】かぐや姫の物語【1】-gooブログ
こちらでは最後さらっとしか書いてなかったので、もう少し詳しく書くところから始めます。
姫は帝との一件の後、物思いに沈むようになり、そしてついに翁と嫗に真実を明かします。
自分が本当は月の者であること、帝に抱きすくめられたときに月の使者を呼び寄せてしまったこと、そして自分が「生きる」ために地球へやってきたこと。
いよいよ月へ帰らねばならないその日が近づいて、姫はもう一度山を訪れます。
そこで出会ったのは成長したステ丸。
姫は「たけのこ」としてステ丸と会い、二人で昔のように野を駆け、なんと空まで飛んでしまいます。
楽しい逢瀬を遂げた二人でしたが、夜空に浮かぶ月を見て姫は怯え、そのまま真っ直ぐ地面へ落ちてゆき…そこでステ丸は目を覚まし、夢だったのか、と思い妻子の元へ戻るのでした。
妻子持ちなのに姫とどこまでも行きたい的な発言があったのはちょっといただけないですが(笑)
夢か現実か、分からないけれど確かにそこに姫は居たのでした。
やがて月の使者は屋敷を訪れ、不思議な力で姫の思考を閉ざして、着ると地球での記憶を無くしてしまう羽衣を姫に着せようとします。
ここの描写は古典的でなく…
姫が羽衣を着せられようとしたときに
、町の子どもたちと女童が歌う童歌が聞こえてきて、姫ははっと我に返る。
この童歌、姫が月に居るときに、地球へ行った月の者の誰かが歌って涙を零していた歌で、姫にとって大切な歌なのです。
使者を無視して翁と嫗に別れを告げ、地球を去ることをひどく悲しみますが、月の使者は容赦なく羽衣を着せようとしてくる。ここの使者の手つきがずっと羽衣を構えててハラハラします。
姫は「地球は汚い所ではない、悲しいこともあるけれど、とても素晴らしいところだ」と語りますが、遮るように羽衣をかけられ、たちまち記憶を失って翁と嫗を振り返ることもせず地球を去ってしまうのでした。
普通なら振り返って涙でも流すのがセオリーですが、この姫は宇宙まで出たところでようやく地球を振り返り、涙も流さずに去るのです。
それがまたよいと思いました。
このあと翁と嫗がどうなってしまったのか…それは描写されていませんが、それを考えるとつらくてつらくて。
特に翁は「自分の信じた姫の幸せ」が姫を不幸にしてしまっていたのだとようやく気づいて、姫の去り際に「許してくれ」と言っているのです。
決して目立つ台詞ではないのですが、それがまた痛ましくて。
前半はスピード感溢れ、ライフイベントを交えた姫の心情に、終盤は切なくあとを引く、まさに『竹』のようなアニメーションだったと感じました。
上映が終わったあと、相方と感想など言い合っていたのですが、わたしの意見はこうです。
*この映画は「生きる」ことをテーマにしている。
*人間らしさに憧れたかぐや姫が地球へ降り立ったが、自分が月の者であることを自覚していなかったために本来の目的である「生きる」ことが出来なかったが、生まれてから山で暮らしたしばらくは本当に楽しいもので、結局は彼女にとって大切な時間だった。
*『姫の犯した罪と罰』は『たくさんの人間をその気はなかったとはいえ不幸にしてしまったこと』と『月へ帰らなければならないこと』である。
*皿を割る、水面の月が揺れる、など姫の心情を表すカットが多くある。
*女童と燕の子安貝の中納言がかわいい。
*帝は最低。
相方の意見は概ねこんな感じでした。(一部解釈を含む)
*この映画は中高生に向けたものであり、かぐや姫は現代の中高生を投影させたものである。
*アニメーションが素晴らしく、絵がとても丁寧。凝って描いている。
*内容は割と飛ばされていて、ストーリーとしては微妙。
*かぐや姫飛んだw
*帝は最低。
ストーリーが吹っ飛び過ぎてる、突っ込みどころ満載っていうのは共通の意見でした。
あまり小さなお子さまにはお勧めできませんが、一度見てみた方がよいと思います。
個人的には高畑氏の作品の中でいちばんすきですね。
ただ、二時間を超える長編なのでトイレに行きたくならないよう気をつけた方がよいです(笑)
と、こんな感じでした。
頑張って書きましたがやっぱりボキャブラリー不足かあまり言いたいことが書けないものですね。
【11/23、00:57】