おどるなつこ 「あしおとがきこえる?」

タップダンサー・振付家おどるなつこの日常から浮かびあがることばを束縛せず書きとめています。2005年開設。

夏の記憶:吉野町芸術工房 レジデンス編

2018-09-25 | お知らせ
吉野町市民プラザでのレジデンスで、とてもありがたかったのは、WSのない時間には、広い会場を稽古場として毎日自由に使えたことです。
本番とほぼ同じ環境で作品創りを行う。身体芸術にとって本来当たり前のことが、日本では難しい。音楽でもバレエでも、みなさん苦労されていると思います。舞台は本番直前でしか使えないのが当たり前、と諦めているかも。

ひと月近く稽古場があるので、お話を伺った時に、昨年から創ってみたいと思っていた車椅子ダンサーのかんばらけんた氏とのナンバーを考えました。昨年秋ヨコハマパラトリエンナーレで拝見し、創作するには広い床面が必要だなぁとぼんやりと思っていたのですが、今回は劇場用タップ板の用意があり、元の床からの段差も少なくタップ床面を広く設定できる!



連絡してみるどかんばら氏もこころよくのってくださり、初のデュオトライとなりました。
「超男性/ジャリ」からモチーフを得た”二輪”や、影と映像の試みなど、いくつか思い浮かんでいた作品があったのですが、発表時にピアニストもお願いできることとなり、兼ねてより頭の片隅にひっかかっていた曲を立体化することに決定しました。ラヴェルの「道化師の朝の歌」、おどってみたいと心惹かれていた....難曲です。



ピアニストへのいやがらせのような選曲にも快く編曲を引き受けてくれた大和田千弘氏。私自身が解読して構成を決めるまで約ひと月、大和田編曲は10日ぐらい。大和田千弘氏の演奏と合わせられるのは、発表当日の本番前リハーサルのみ。



その後、かんばら氏とのリハーサルは2時間×6リハ。複合拍子のナンバーでしっかりキメキメリズム合わせの振付だったため、かんばら氏もポーカーフェイスの裏側で泣いていたそうな。いやー、音楽を身体にいれるまではたいへんでしたねー!楽譜もステージ幅ほどありました。



そしてできあがったのは朝帰りの道化師たちのおバカな情景。
3者初共演の作品初演ということで、今回はゲームクリア的な緊張感での公開となりましたが、またチャンスがあればぜひ上演したいと思います。6分ナンバーで、ピアノとタップOKな床面が8×4メートル前後あれば上演可能です!床面がタップシューズNGでしたら、ソフトシュー、タップスなしの革靴バージョンでも上演可能なナンバーです。





そして、この初回にお立ち会いくださった皆様、ありがとうございました!



写真:©️吉野町市民プラザ




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