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こころとからだのバランスを・・・yoga&color&more・・・

バスケ男子日本代表監督について考える(承前)

2014-04-13 22:36:34 | バスケットボール

 

49日、長谷川健志前青学大バスケ部監督の、男子日本代表監督への就任が発表された。

この人事については、協会の方針も含めて賛否両論あるだろう。
代表は育成活動の場ではないとか、
世界と闘うのなら外国人監督を選んだほうがいいのではないかとか、
現状が現状だけに、反対意見もいちいちうなずけるものばかりだ。

 

だが人選としては悪くはないと思う。
国内で探すのであれば、長谷川先生以外の人を見つけるのは難しい。
というより、人がいない。

 

国内である程度実績がある現役の日本人指導者はすでに代表監督を経験しており、
(清水良規氏、中村和雄氏、吉田健司氏、倉石平氏、小野秀二氏、鈴木貴美一氏)
特に最近は結果が出なかったことを理由とした引責辞任が多い。
色々理由はあるだろうが、ここでもう一度と思う方もいないだろう。
そこで国外から・・・とならないのがJBAなのだが、
国内に残された最後の可能性に賭けたとみることもできる。

 

 

それに外国人監督を選んでも、過去の事例を見るに、協会が何かしらやらかすような
気がしてならない。
日本人監督でもそれは同じで、結局協会が変わらなければどうしようもない部分はある。
この10年を振り返るに、代表強化活動においても協会は信頼できるとは言い難い。


とにかく協会は、監督の要望をきちんと聞いて誠意を持って対応してほしい。
すぐに結果が出なかったからといって監督のせいにして辞めさせる前に、
協会自身が真面目に真剣に日本代表の強化を考えて、
強化合宿、海外遠征、親善試合等、全面的にバックアップしてほしい。

 

 

今回、長谷川先生が代表監督に就任すると聞いて、いろいろ考えた。
私が観客席から見てきた長谷川先生も含めて、
何回か代表監督について書いてみようと思う。

 


【NBL】3/15 日立東京-三菱電機名古屋(後)

2014-03-18 23:34:07 | バスケットボール

 

すでに何度か対戦しているだろうが、そのたびに意識せずにはいられないのかもしれない。 

 

 

スターターの広瀬。
6th
マンの熊谷。
この日同時にコートに立ったのは、2Q半ばの三菱が追い上げている時間帯だった。

  

直後の日立のディフェンスはゾーン。
逆サイドに位置するふたりが交錯することはない。

  

次の日立のオフェンス。
三菱のディフェンスはマンツーマン。
左サイドでボールを持った広瀬に熊谷が付いた。

  

1on1
広瀬の放ったボールが、スパッとネットをくぐった。

  

広瀬の3Pシュート。
熊谷も虚を突かれたか。

  

しかし相手にやられて黙っているような性格ではない。
次のオフェンス、どう出てくるかと見ていたら。

  

3Pラインの外。
フリーでもらったボール。
当然打った。
入った。

 

 

互いに軽い挨拶代りの1発。
だけどこの後はふたりとも、あえて相手との勝負に行こうとすることはなかった。
こだわりすぎず、しかし無視することもない。
試合終了後、真っ先に握手を交わしたふたり。
どこか学生時代が続いているような雰囲気もまとっていて。
それが、何だか嬉しかった。

 

 

 

それにしても、と溜息がでる。

 

ここまでいい選手になるとは思わなかった。
試合開始直後はぽろぽろターンオーバーして、
ああ、やっぱり広瀬だなと妙な安心感を
覚えもしたが、
試合が進むにつれて、どんどんプレイが良くなっていった。

きわめつけはノールックのビハインドバックパス。
いつの間にそんなプレイができるようになったのかと、驚きと感動に襲われた。

 

広瀬の長所の一つに、プレイの幅が広いことが挙げられる。
今は3番がメインになっているようだが、大学時代は4番だったし、
それ以前には
5番でプレイした経験もある。

大学入学時はドライブで仕掛けるのが目立った。
しかし学年が上がると、当たり負けしなくなった体でインサイドでの
接触プレイも増えた。

また視野が広がったことで、全体のバランスを見て動くようになった。
一方で、託矢・荒尾がファウルトラブルに見舞われると、
オフェンスでポストに入ったり、
ディフェンスでは譲次やママドゥ、
2m選手とマッチアップすることもあった。

 

さらに余談だが、4年次では、相手のシュートが入った後のエンドからのスローイン、
他の3選手が皆さっさとバックコートに上がってしまうので、いつも広瀬がボールを
入れていた。

  

この日見た外国人選手とのマッチアップ、3P の精度を上げた今では中外自在の
オフェンス、鋭いパス。
青学で鍛えた体とメンタリティ、経験、そのすべてが今に結びついていると感じた。

 

 

まだ技術的にも精神的にも未熟で不安定な大学1年の時からその成長する姿を、
青学と共に頂点に上り詰める軌跡を見てきた。
2004
95日、関東大学2部リーグ第12日目青学vs明治。
絶対いい選手になると直観した選手は、ダイヤの原石だった。

  

親バカで結構。
もうしばらく、広瀬のプレイを楽しんで見ていたいと改めて思った。

 

 

***************************************

 
この日もうひとり、成長を感じたのがふーみん・・・こと西村だ。

どちらかというと2番向きの選手、東海大では1番も務めていたが、
経験不足から
生じるミスが目立っていたような記憶がある。

(特に2007年インカレ準決勝のファウルアウトは痛かった)

  

そんな彼ももう27()
周囲の良さを活かしつつ、自身の得点力も活かす術を心得てきたかなと。
もともとスキルが高いだけに、状況判断や試合の流れを読む力が身に付くほどに
優れたPGになることは間違いない。

 

サイズ面で若干苦しいかもしれないが、
迷走している代表の
PG選考に食い込んでくれば面白いと思う。
頑張れ、ふーみん。

 


【NBL】3/15 日立東京-三菱電機名古屋(中)

2014-03-16 23:05:45 | バスケットボール

プレイオフ進出が決まっているのは逆じゃないかと思わせる内容の試合だった。

  

双方マンツーマンディフェンスでスタート。
立ち上がり、西村の3Pで日立が先制するも、その後ミスが相次いでスコアが
伸びない。
 一方の三菱、朝山が内外で得点を重ねて逆転する。

 

だが1Q半ばで日立はディフェンスから立て直すと一気に得点を重ねた。
得点の止まった三菱、1Q最後のオフェンスは時間をかけて24秒ぎりぎりに
放った
五十嵐の3Pシュート。しかしこれも外れる。
逆に日立はブザー寸前に小林が3Pシュートを決めて2010とダブルスコアで終える。

 

実はこの試合、いずれのピリオドも同じ展開だった。
先行するのは三菱。日立はエンジンがかかるのが遅い
しかしある地点を境に流れを引き寄せると、残り時間は三菱を寄せ付けない。

 

それはスティールからのオフェンスだったり竹内譲次だったりするわけだが、
そのときの三菱のコートメンバーが誰かということは関係がなかったりする。

 

日立のリズムが悪いときに三菱は詰め寄るけど、逆転には至らない。
その前に日立がオンモードに入る。

 

つまり総合的に見て、日立の力が三菱を上回っていた。
少なくともこの日に限っては。


最終スコアは日立79-67三菱。

日立の危なげない勝利だった。

  

もともと日立はディフェンスがいい。
地味な仕事を頑張る選手、シュートのうまい選手が揃っている。
高校時代から互いを知る同世代が集い、昨シーズンから加わったベテラン
渡邉拓馬が
豊かな経験値で彼らをバックアップし、外国人選手に頼りすぎず、
竹内譲次を中心とした
バランスのいいチームになっている。
  
問題は、譲次の存在があまりにも大きく、彼次第でチームの成績が左右されること。
 
 
それも含めて、優勝するまでにはあとひと山ふた山、越える必要がありそうだ。

 

 

日立に比べると、三菱はまとまりきれていない印象を受けた。

 

オフェンスは手数をかけない。
パスを回して崩すという場面はあまり見受けられず、11からの展開が多かった。
得点もほとんどウンバイとロール、インサイドの外国人選手に頼っている感じ。

 

何より日本人選手の印象的なプレイが少なかった。
目を引いたのは立ち上がりの朝山ぐらいで、あとはぱっとしなかった。
アレクも熊谷も鵜沢も、もっとできるはずなんだけど。

 

 

もっとも、この日はそれぞれ典型的な勝ち試合と負け試合。
別の日に見れば、また違って見えるのかなという気もする。

  

ただ。
 
  
  
 
負けた試合でもできていることは何なのか。
勝っているときにできて、負けているときにできないのは何か。

 
競技問わず、安定して強いチーム、強い選手ほどこの振れ幅は少ない。

 
そういう視点で見ると、三菱もまだまだと言えそうだ。


【NBL】3/15 日立東京-三菱電機名古屋(前)

2014-03-15 23:53:46 | バスケットボール

試合開始30分前に会場入り。
柏市中央体育館は、決して広くはない。平塚より空間的なゆとりはあるが、
2階席は三面配置のため、座席数はいい勝負か。正直、青学記念館の方が大きい。

  

柏市は、元々日本リーグの三井生命があり、県内の強豪校市立柏高校やオールジャパン
出場経験もあるクラブチーム・柏リーブスの地元。
比較的バスケが市民に根付いた街と言っていいだろう。
そのせいか、2階席には地元の小中学生が多かった。
ただ、ホームゲームだから動員をかけた(チームが招待した)可能性がある。
チケットを買って観に来たファンが実際何人いたのかは気になるところだ。
 

 

よく見ると、運営の委託業者やオフィシャルスタッフはJBLと変わらなかったりする。
慣れたスタッフがいるのは悪いことではないが、設立過程が過程だけに、結局看板を
掛け替えたなんだなと反射的に思ってしまう。

  

スタッフだけではない。

たとえば応援。
チアが率先して声を出すけど、観客数からするとごく一部の熱心なファンが反応するのみ。
会場内に響く音声は運営が用意した音響テープ。JBLで何度も聞いたものだ。
会場、ファンの盛り上がりという点ではbjの方が圧倒的に上だ。

  

ファン層も広がっていない。
20-30
代の女性ファンと、子供がバスケをやっているのであろう地元の親子連れが
中心。

J
リーグやbjで熱心なサポーターの中核となっている20-40代男性の姿が少ない。
きっと開催地(北海道や栃木)によっては違うのだろう。
しかし東京近郊の試合で見る限り、この10年でファン層が拡大したとは言えない。

  

開始30分前では3割程度しか観客席が埋まっておらず、どうなることかと思っていたが、開始直前には8割ぐらいは埋まったか。
日立自体はいい選手が揃っていることもあり、固定ファンはかなりいると思う。
柏は行きづらいと、今日は来なかったファンも結構いるのかもしれない。

  

だが。

  

今日ここに来た観客のうち、いったいどれくらいの人がバスケの日本代表に関心が
あるのだろう。

この中に、日本代表が強くなることを願い、世界選手権出場、オリンピック出場を
夢見て
いる人は何人いるのだろう。

サッカーでは、Jリーグに興味はなくとも日本代表には興味がある層が確実に存在
する。

バスケはその逆。NBLbj、個々のチームや選手には興味があって応援している
けど、
代表には興味がないという人の方が多いような気がしてならない。

 

 

ワールドカップ出場という日本サッカー界の悲願は、協会・Jリーグ・選手・ファンが
一体となって、Jリーグ創設から5年で成し遂げられた。
バスケは。日本の男子バスケはどうなるのだろう。
最悪、東京オリンピックに出られない可能性もあるのだ。

 

協会がなすべき仕事は、リーグの統一だけではないように思う。


【NBL】3/15 日立東京-三菱電機名古屋(承前・後)

2014-03-14 23:24:29 | バスケットボール

 月刊バスケットボール20142月号。
 
熊谷宜之選手のインタビュー記事を読んで、自然と笑みがこぼれた。

  

熊谷が語った移籍の理由。
 
「もっとオフェンスをやって、得点を取りたい。」

   

そうだよね。
だって、2004年ヤングマンアジア選手権で得点王だったんだから。
あの新人戦、チームの得点王だったんだから。
本来は、得点を取りに行く選手だったんだから。

 

コートを軽快に駆けていた、1on1が得意な少年。
そんな熊谷が、上級生になったらどんな選手になるのか楽しみだった。
世代が前後するけど、今の大学生でいうと、宇都(専修大→トヨタ)がそのときの私のイメージに近いかもしれない。
でも、私の予想と熊谷の成長の方向は違っていた。

 

だいたい点取り屋になりたかったら、青学を選んではいなかっただろう。
その高い身体能力を活かせる大学に進み、今とはまったく違うタイプのプレイヤーに
なっていただろう。

 

「うちは、能力のない選手が能力のある選手にどうやって勝つかということでやっている。」
そういう長谷川監督のもとで、4年間徹底的に練習して熊谷が身に付けたもの。
それが、泥臭さもいとわない、しぶといディフェンス。
能力に任せることなく、基本からきちんと固めていった。

 

主力に名を連ねたのは3年生になってから。
顔つきが引き締まり、鋭いドライブと毎試合のようにチャージングをもらう巧さが目に付いた。
一方で、どこか地に足がついていない、勢いだけでプレイしているように見えたのも事実。
まだまだ発展途上で危なっかしさがあった。

 

努力が花開いたのは、4年生になってからだ。
彼自身の能力と積み重ねてきた努力が見事に融合した。
落ち着いて、自信を持ってプレイしていた。
その結実がインカレ。
自身22歳の誕生日に掴んだ、人生初の日本一――。

 

 

JBLでどこまで通用するかは予想できなかった。
いざ入ってみると、足を使ったドライブもディフェンスも、トップリーグでプレイしていくのに十分なレベルに達していた。
なのに。

 

何で、ディフェンスばかりさせるんだろう?

  

そんなにしょっちゅう見ていたわけではないけれど、守備面で重宝される一方、熊谷が攻める場面を見ることが年々少なくなっていった。
熊谷のドライブはもう通用しない、あるいはこのチームには必要ないとの判断なのか。
ディフェンスのスペシャリストとしてやっていくということなのか。

 

試合で使ってもらえるのはありがたいこと。
だけどここ23年は、一抹の寂しさを感じながら熊谷を見ていた。

  

だから。

  

「バスケットは点を取ることが楽しい」
「もっとオフェンスをやって、得点を取りたい。」

 

なんだ。
変わってなかったんだ。
10
年前と、熊谷は変わっていない――。

 

自然と笑みがこぼれた。

  

だけどほんとに嬉しかった理由は、別のところにあるのかもしれない。

  

まだ磨かれていない、熊谷の内にひそんだままの才能。
青学ではいったん封印した能力。
それが遂に解き放たれる時が来たのかもしれない。

だって、元々は自分で得点を取りに来る選手だったんだから。

 

努力を重ね、技術を上げ、経験を積んだ熊谷が、10年の時を経て、
もうひとつの才能を
開花させようとしている。
見届けずには、いられない。