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ニコニコ堂治療室の日々是好日

山形県鶴岡市の鍼灸マッサージ治療室。毎日の出来事やお知らせを綴りたい。

ただ者ではない!

2015年01月28日 | 日記

 ある日、電話があった。

 

「◆◆◆です。うちのおじいちゃん、足が痛くて歩けないって言ってるんです。診てもらえますか。」


 

 この◆◆◆さんはまだ20代前半。

 

 仮に両親が40代とすると、おじいちゃんと言っても60そこそこの方かもしれないね、などと話していたところ、小柄だが引きしまった体つきの「活きの良い江戸っ子」みたいな男性が車で送られてきた。

 

 なんか、よく言うところの「おじいちゃん」とはちょっと違うなぁ・・・。具合を尋ねると、口調もはっきりと、自分の症状と病院に行った経過について話してくれた。


 

 「膝から下がなんだか突っ張ったみたいになって、痛くてかなわね。昨日は病院にいってきた。点滴してもらったら、今日はよっぽど良くなったけども。」

 

 そうでしたか。


 「○○(◆◆◆さんの名前)から、まんず、一回行ってみてもらうもんだ!って言われたもんで。俺もあんまり病院とか行ったことがねぇなだ。ハリは初めてだんども、やってみるかと思って。」

 

 そうなんですか。

 

 「去年は、▲◆※の舞台で事故に遭って。照明のライトがおっこってきて、はずみで足さ当たったのよ。」 

 

 それは危なかったですね。工事関係のお仕事でも?

 

 「いんや、仕事は…アクロバットだ!このあたりの芸人は誰でも俺のことを覚えてる。」

 

 ア、アクロバットですか?

 

 「そのころから、なんだか年を感じるようになってきたのぉ。それまではなんともなかったけどな。」

 

 はぁ、去年からですか…。で、あの、おいくつですか・・・。

 


 「大正11年生まれの94だぁ。」

 

 治療が終わり、迎えに来た◆◆◆さんの言うことには、

 

 「あたしのひいおじいちゃんなんですぅ・・・。」

 

 どうりで、ただ者ではなかったわけだ。