知り合いの女性が脳溢血で倒れ一週間ほど前に緊急入院したとの連絡があり今日入院先にお見舞いに行ってきた。発見された時点で既に意識はなくそれ以来昏睡状態が続いている。病室に詰めていたご家族によれば、脳幹の損傷が深刻であり、再び意識を取り戻す可能性は限りなくゼロに近いとのこと。自発呼吸はできず、人工呼吸器によって肺に空気が送り込まれている。最高血圧は30-40と通常では考えられない低さ。容態が一応の安定を見せたため、集中治療室(ICU)から脳卒中集中治療室(SCU)に移されていた。一見したところ穏やかに眠っているように見えた。
当人は一人暮らしで、もう少し発見が遅れたら取り返しのつかないことになっていたという。担当医によれば、いつ容態が急変するか予測もつかないということだ。
大きく清潔な個室で、大型のモニターが心電図、血圧、脈拍、呼吸回数などをリアルタイムでカラー表示している。こういった数値に少しでも変化があれば小さな警報音が出る仕組みになっていた。新しい大きな総合病院だから、これらの医療機器も最先端に近いものなのだろう。
当人と最後に顔を合わせたのは今年2月の彼女の叔父の葬儀だった。昔から線の細い人だったがその時、風邪を引いていたことを思い出す。しかし、このような突然の病に冒されるとは想像もできなかった。仕事の第一線を退いてこれからは趣味に生きるはずであったのにそれも叶わなくなってしまった。





