映像詩

デジタル映像による心の表現
(映像作品制作を通して感じたこと)

1687-お登勢の像

2018年05月23日 | 30秒の心象風景
洲本の博物館前には様々な句碑と共に、お登勢の像と記された彫像がある。元気な若い娘さんを描いた像である。これは何を伝えようとするものなのか。脇にはその説明を詳細に記した石碑があって、そこには幕末から明治にかけての淡路の複雑な歴史が紹介されていた。「江戸時代の淡路は、阿波の蜂須賀氏の支配下にあり、洲本には家老の稲田氏が派遣されていた。この稲田氏は単なる家老ではなく、蜂須賀氏との間には義兄弟の約束が結ばれ、蜂須賀氏が、阿波・淡路の領主になると、1万4千5百石という大名並みの知行地をもらい、多数の家来を抱えて、洲本城代や淡路仕置職に度々任じられた。ところが明治維新に伴なう禄制改革で稲田氏の家臣を士族とするか卒族とするかという、武士の身分問題、そして経済問題が庚午事変を起こすことになった。お登勢は、船山馨の小説『お登勢』の主人公で、庚午事変を乗り越え強く生きた女性を描いたものである。」お登勢の像はその複雑な歴史を象徴するものとしても受け取られているのだろう。いま、淡路が兵庫県に組み入れられているのも、これらの歴史から読み取ることができる。

30秒の心象風景12157・お登勢の像~洲本城跡~
https://youtu.be/pi2U55op34A


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