きこえた 2020-09-04 23:26:48 | 言葉 冷めてしまったコーヒーがもらしたため息炭酸水がただの水になった瞬間の静けさ夏の終わりに茂る庭で声をかさね合う虫たちの唄冷えてゆくコンクリートの上に響くひとり分の足音カラン、と氷がグラスの中で力を失いチリン、と風に揺れた風鈴が夜に響く普段はきこえなかった朝の、昼の、夜の、町の音に気づくいつの日も音で満ちあふれているこの世界を 迎えては 見送る毎日今日あなたはどんな音を聞いただろうかそして明日わたしはどんな音を耳にするだろう