むせ返るような
あおく若い匂いが
このからだを通りすぎてゆく
しゃらしゃらと
町の草木を鳴らす風は
このこころをも揺らしている
移り変わる花の色
動き続ける星の群れ
降り止まない時の砂が
大地に積もっては
新たなつぼみを育んで
さらさら
さらさらと―
憂鬱や哀しみ
言葉にできない想いなど
静かに洗い流してゆく
ひと吹きの風を浴びながら
暮れてゆく春の中を
わたしは今も
歩いている
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yu,