何年も前に買った安物のパイプ椅子がある。
安物とは言っても、なにしろ単純な構造だから、よほどの無理、無茶をしなければ壊れるものではない。
ただ、座面に張られた安っぽいビニール地だけは、ほうぼう破れて、随分みっともなくなってきた。
ほかはどこも傷んでないから、これだけの鉄の塊を埋め立てゴミにするのは心苦しい。
そこで、座面を張り替えることにした。
見れば、座面は鉄パイプを曲げた骨組みに、ただ4本のネジでとまっているだけだ。
これを外して、破れたビニールを引きはがし、てきとうな布でくるんで出来上がり。
作業はあっという間に終わる、と思われた。
ところが。
ビニール地は土台となる合板に、ステープル(コの字形のびょう。ホッチキスの針のゴツいヤツ)で固定されていた。
その数が半端でない。
たかだか数十センチ角のビニールを1枚張るのに、いったい何の恨みがあったのだろうか、ものすごい数のステープルが、執拗に打ち込まれていた。
これを、ひとつひとつ、マイナスドライバーでこじり、ペンチで引き抜く。
ひどく時間がかかった。
ステープルは、数えてみたらじつに85本もあった。
手のひらに載せると、ずっしりと重かった。
こーいう仕事をするヤツには「もの作りしてまーす」とか言ってほしくないと思った。
そのあとは、簡単だった。
合板とクッションのウレタンは、そのまま使った。
ありあわせの布でくるみ、画鋲でとめた。
4本のネジを締めて、終わり。
たぶん、全工程の半分以上が、ステープルを引っこ抜く時間だったと思う。
ちなみに画鋲は、16個で足りた。
安物とは言っても、なにしろ単純な構造だから、よほどの無理、無茶をしなければ壊れるものではない。
ただ、座面に張られた安っぽいビニール地だけは、ほうぼう破れて、随分みっともなくなってきた。
ほかはどこも傷んでないから、これだけの鉄の塊を埋め立てゴミにするのは心苦しい。
そこで、座面を張り替えることにした。
見れば、座面は鉄パイプを曲げた骨組みに、ただ4本のネジでとまっているだけだ。
これを外して、破れたビニールを引きはがし、てきとうな布でくるんで出来上がり。
作業はあっという間に終わる、と思われた。
ところが。
ビニール地は土台となる合板に、ステープル(コの字形のびょう。ホッチキスの針のゴツいヤツ)で固定されていた。
その数が半端でない。
たかだか数十センチ角のビニールを1枚張るのに、いったい何の恨みがあったのだろうか、ものすごい数のステープルが、執拗に打ち込まれていた。
これを、ひとつひとつ、マイナスドライバーでこじり、ペンチで引き抜く。
ひどく時間がかかった。
ステープルは、数えてみたらじつに85本もあった。
手のひらに載せると、ずっしりと重かった。
こーいう仕事をするヤツには「もの作りしてまーす」とか言ってほしくないと思った。
そのあとは、簡単だった。
合板とクッションのウレタンは、そのまま使った。
ありあわせの布でくるみ、画鋲でとめた。
4本のネジを締めて、終わり。
たぶん、全工程の半分以上が、ステープルを引っこ抜く時間だったと思う。
ちなみに画鋲は、16個で足りた。
こっちのたるみが、こっちもピンと張って…とやってると針だらけになったのを覚えています。