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電源ボタン

2014-02-19 00:20:55 | シリコンバレエ(電脳をどり)
実家から、電源ボタンの壊れたテレビを持ち帰った。



リモコンの電源ボタンは、2年程で効かなくなった。
その程度の製品/メーカーだと、言えなくもない。
だが、最大の原因は、地デジ化であったと思う。

いまどきのリモコンはシリコンゴムのボタンで、かちり、という感触がない。
加えて、アナログ放送当時はすみやかに反応していたのに、地デジに移行した途端、電源ボタンを押してから、映像や音が出るまでに何秒もかかるようになった。

年老いた母は、これに対応しようとした。

点けるときは、映像が出るまで、ボタンを押しっぱなしにした。
ボタンを押しても手応えがないから、目いっぱい力を入れて押し続けた。

それを毎日続けて、2年で壊してしまったのだ。



リモコンが壊れたので、本体上部にあった電源ボタンを教えた。
こちらはリモコンとは違い、かちり、という感触があったから、無闇に押し続けることもなかろうと思っていた。

ところが、こちらもわずか1年で壊れてしまった。



今は、液晶テレビも、電機屋に処分を依頼すると、リサイクル料と称して金を取る。
そこで、まっとうな家電回収業者のつてのある私が引き取り、金沢まで運んできた、というわけだ。



さて。

引き取ったからには、私のものである。
直せなくても失うものはないので、さっそく分解してみた。

本体の電源ボタンは、上から押し込むと、L字形のてこで力の向きが変わり、基盤の背面についたマイクロスイッチを手前に向けて押す、というシンプルなんだか複雑なんだかわからない構造で、支点のあたりが素材疲労で折れてしまっていた。



構造がわかったので、折れたパーツを取り除き、歯ブラシの柄を適当な形に削ってぶっ挿した。
これを奥へ軽く押せば、ボタンの付け根を支点に、マイクロスイッチが押される。
単純である。
単純すぎて、疲労で折れるような部品がないから、電子部品の寿命まで、余裕で持つだろう。

いっぽうのリモコンは、実家で分解したときには気付かなかったが、シリコンゴムのボタンの裏側に、なにやら塗装のような加工が施されていた。
ググってみると、はたして導電性の塗膜だった。
電源ボタンの裏側は、いっしょうけんめい押し過ぎたために、これがはげてしまっていたのだ。

ここに、新しく何かを塗るとか貼るとかするのは難しそうだったので、チャンネルの割り当てのない、そして今後もなさそうな、「10」のボタンと単純に入れ替えた。



そこはかとなく間抜けだが、これで、完全に動作する。



結局、1円もかけずに、廃棄される運命にあったテレビは息を吹き返した。

将来、もし私が死んで地獄に落ちたなら、きっとお釈迦様が、極楽から同軸ケーブルなどを下ろして救ってくださるに違いない。
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