ハナウマ・ブログ

'00年代「ハワイ、ガイドブックに載らない情報」で一世を風靡した?花馬米(はなうま・べい)のブログです。

中高年がハマる?「高校講座」

2020年08月09日 | テレビ番組

40代の半ばごろから、NHKの番組「高校講座」をよく視聴している。中高年の今だからなのかもしれないが、こういったコンパクトでわかりやすくまとめられた知識がとても興味深く感じられる。それに「放送大学」で学ぶようなハードルの高さもない。高校講座は、一部の中高年にとっての知的エンターテインメント番組だ。

NHK高校講座

高校講座とは、NHKの「Eテレ」と「R2」で放送されている、高校生向けの教育番組である。もともと通信制高校生をターゲットにしていたため、「通信高校講座」という、以前の番組名を覚えている方も多いと思う。
なお、「Eテレ」とはNHK教育テレビジョンの対外名称、「R2」はNHKラジオ第2放送の公称なのだそうだ。正直あまり一般に浸透していないような気もするが。

さて、私はこの高校講座のうち、おもに「日本史」「世界史」「地理」「地学」を録画して、時間のある時に観るようにしている。とくに日本史と世界史に関しては、30代の頃から作り続けている「エクセル年表」に書き加えたりして、「ふむぅ~」と、ひとり悦に入っている(参考:「エクセル年表の愉しみ」)。

そもそも私が歴史に興味を持ち出したのは40代に入ってからであって、学校へ行っていたころは好きでも嫌いでもない教科だった。ところが、何かの拍子で教育テレビの高校講座を目にする機会があり、それ以来10年近くにわたって、録画して観るようになっている。
また地理や地学といった分野も、この番組を見ることによって関心が高くなってきた。

確かに、民放も含めて一般向け番組にも優れたものがたくさんあるのだけれど、高校講座はなんというか、自分の脳のうごき方が学生時代のようになっているように感じられて楽しいのだ。
高校生向けに作られた番組で、おそらく文科省の基準に合わせて制作されているのであろう内容は、当然ながらわかりやすくまとめられていて、頭の中を整理しやすく構成されている。
一コマ20分にまとめられているというのも、気楽に学ぶことが出来ていい。

一般向け番組はどちらかというと、メインのテーマに即した印象を残すよう演出がされており、そういった意味では優れている。しかし、ものごとを体系的に整理しながら理解するという意味では、高校講座のほうに軍配が上がる。
まぁ逆に言えば、高校講座は演出には凝っていないわけで、観ていて苦しくなるようなオトボケ系の演出が出てくることもある。それはなんだか、昔の少女漫画を見ているような「本編ブレイク感」があると思っている。

当然ながら制作費も抑えられている。
出演する(大人の)タレントなどのこぼれ話では、「ギャラは驚くほど安いけど、全国どこに行っても知名度が上がっていることを実感する。そこが民放との大きな違い」という。
ただ、番組作りとして手抜きをしていないことはよくわかる。たとえば物理の実験装置などでは、豪華で美的ということはないかもしれないが、「理解してもらう」ことに、真摯に力を注いでいる制作関係者の気持ちが見えてくる。スタジオで使うパネル(フリップ、パターンとも)や、VTR映像の制作も、演出よりも本質を追求する姿勢が見える。

高校講座がイイその他の理由

高校講座の良さは、ものごとの基本を体系的に整理しながら、しかもコンパクトな20分という時間単位で学べることだ。現役の高校生なら苦手な教科や苦手な部分のすべてを見るべきなのかもしれないが、一般の我々なら好きなところだけをつまみ食いできる自由がある。江戸時代が好きなら江戸時代だけを見ればいいし、地理だけを学ぶということもできる。

ところで、大人がテレビやラジオを通して学ぶということについては、放送大学という手段もある。だがこちらは当然ハードルが高い。きちんと履修していけば大学卒業資格を得られる、つまり正規の大学なのだから当然である。
しかし、さすがにそこまでは難しいという大人にとっては、高校講座がちょうどよいのである。じつは私は放送大学「挫折組」である。

さて、何年にもわたって高校講座を見ていると、自分たちの世代の知識や常識が、年々新しくなっているということに気が付く。
歴史の見直しなどはよくニュースにもなるが、化学の分野であれ、地理の分野であれ、番組は現代の高校生が学ぶべき内容として作られているので、大人世代がハッとさせられたり、新鮮に学べたりするのだ。と同時に、「若い世代が学ぼうとしている今の社会を作ってきたのは、我々やその親の世代である」ということについても、ちょっと考えさせられる時もある。

(Eテレの)高校講座は、そのほとんどがスタジオ収録とV挿入(VTR再生)で構成されている。しかしたまにはスタジオを出て、博物館を訪ねたり、地形などの観察に出かけたりするロケ(収録)が挟まれるときがある。そんな時は、旅行番組でも見ているかのように、自分もいつかそこを訪ねてみたいと思うようにもなる。

出演者を見るのもちょっと面白い。
基本は高校生役の若者と、補助教員的な役割をする大人(タレント)の掛け合いで進められるが、いよいよ専門的な部分に入ってきたところで、高校や大学の教員・教授が出てきて解説するというパターンが多い。
おそらく文科省教育に準じた内容にする必要があるから、明確な台本に忠実にしたがって制作するのだろうが、プロンプター(あんちょこ画面)をじっと見つめながらしゃべる出演者や、NHK的オトボケ演出に必死に付き合おうとする教員・教授のセンスの違いなどに注目するのも面白いかもしれない(まったく付き合わない人もいる)。

視聴方法

私はもっぱら、Eテレを「録画」して観ているが、じつは高校講座はいつでも視聴することが出来る。
基本は従来通りのテレビ・ラジオの視聴であるが、インターネットの番組サイトでは、放送された内容が(やや画質は落ちるが)ほぼすべて再生できる。

テレビもラジオも、オンタイムで視聴するなどということはなかなか難しいし、特にAMラジオという装置は近年、家電製品に囲まれた生活環境や、マンション住まいなどではほとんど使えないシロモノとなってきた(放送電波が十分に受信できないため。これらの障害条件がなければFM波よりAM波の方が到達性に優れており、災害時などは重要な情報ソースとなる)。

パソコンを起動して視聴するのはちょっと面倒で大げさな感じがする場合、やはりスマートフォンやタブレットを利用する方が手軽でいいだろう。もちろん動画や音声の視聴をたくさんする場合は、それなりの通信「量」が発生するので、通信「料」もうなぎ上りとなる。もし、本格的にネット視聴するのであれば、携帯電話会社の料金プランに注意する必要がある。もしくは自宅にインターネットを引いて、無線LAN(Wi-Fi:わいふぁい)設備を設置するという方法をとるべきである。

まとめ

冒頭でも触れたが、NHK高校講座は、中高年にとっての知的エンターテインメント番組だと思っている。
テレビ・ラジオでは、特定の教科に関する番組が〇曜日の〇時に放送、と決まっているが、インターネットならいつでも視聴が可能という自由がある。気軽に「つまみ食い学習」もできるし、すべてを視聴することも可能だ。本を読むより気楽だし、別途お金がかかる受講でもない。

通常は各教科とも定時放送が行われているが、夏休み中は特別プログラムとなっている。また、通信制高校生のために、秋からスタートする放送もある。
いずれにしても、自分に合った学びが出来て「たいへんよろしい」のである。

参考リンク:NHK高校講座


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