「海の男」 の大バトル

ナショナルトラストで有名な、田辺市の「天神崎」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【9/9　撮影】


夕方になると、スゴイ光景が広がります。


一隻、又、一隻と、目の前を船が疾走していきます。


「まぁ見ててみ、１２隻走るから・・」と、
そばで見てる男の人たちが教えてくれました。

テレビで見る、競艇のような感じ・・
「あの・・・又、ターンして帰ってきますか？」
「いや、帰らへん！」
「あれは、レジャーボートかなんかで、競争しているんじゃないんですか？・・」

「競争は競争やけど・・・漁船で、魚の多いポイントの場所の取り合いや」
何と海の男の、名誉と生活がかかった大バトルだったのです。

「あの、今日だけ特別？」
「いや、毎日、今頃競争してる」

「釣り船が、日の出まで船を出せないように、漁船も出港する時間決まってるんですか？」
「決まってないけど、どうせ魚を捕るのは、夜、ライトを当ててやもんな」

・・・そうですよね・・折角場所とっても、魚は動いてますものね・・・


船は、どんどん沖の方へ・・・

「おかしいな？・・網舟（あみふね）が出てこんな？」
いつもなら、大きな船が５隻、後を追って出漁するとか・・・
「さっきの船ほどスピードは出らんけど、これも見物やで」

　そこへ、双眼鏡を持った人が通りがかり、沖を見ながら
「今日は、湾の外かなり荒れてるな・・・網船を出すかどうか思案しとるんと違うか？」
「網破ったら、何百万も損害やもんな・・」


そうか・・・と諦めて、帰路につきました。

翌日、地元の方にお聞きすると、
「昨日、網船出たよ。・・・今朝、ごま鯖10本、玄関に置いてくれてたから」
・・・えぇ！　もうちょっと待ってたら良かった
　　　　でも、私が見た船のどれかが捕ったんですね・・・

最初に出る船は、電気船・・・電気で魚を集めておいて
後から行く網船で、魚を捕らえるそうです。
そして、出漁時間は、どうやら紳士協定！
自分たちだけでなく、お隣の御坊の漁協とも、今日船を出すかどうか相談しているとか・・・


　昨日、私が見たのは、午後5時半頃・・・
天神崎の夕日は有名ですが、夕方の出漁風景も是非ご覧下さい！！

　迫力のある、船の疾走・・・海の男の「心意気」と「ロマン」も・・・感じます・・