次の公演内容も決まり、さらに再来年の予定まで決まったかやくごはん。
更なる躍進を求めたいところだが、劇団員松本が退団することになった。役者を廃業して、大阪に帰り、結婚することになったのだ。松本は、旗揚げ公演の前のイベントから出演している役者で、その時点では俺を除いて最多出演の役者だった。主宰としては、やっと育ってきた役者の退団は痛い。しかもうちみたいな少人数の劇団は、負担が増えて大変なのだ。しか . . . 本文を読む
「ぶつける。」は、男女で好き嫌いが別れた作品となった。大雑把に言えば、男性の方が感触が良かった。ウジウジした男の泣き言と思われる作品だったからなのか、女性にはイマイチ。また深夜放送のラジオをよく聞いていたのは男性の方が多いので、感情移入し易かったのだろう。
あと、意外なところで言えば、ずっとシェイクスピアを上演している劇団のベテラン俳優さんが、褒めてくれた。小劇団でなく、新劇でもなく、どこにも属 . . . 本文を読む
その友人は、舞台を始めた頃に共演した女優。
死因は、自殺だった。心の病を持っていたらしい。 なんで、なんで、なんで。数週間前に、ブログもアップしていたし、信じられなかった。彼女は「棘~ドゲ~」を見に来て、とても気に入っていた。かやくごはんに出演を希望していたが、スケジュールや事務所の事情で叶わなかったが、いつの日かって話をしていたのに・・・。
「死」を意識せず、「生」に立ち向かう様を . . . 本文を読む
ラジオの良いところは、身近であるということ。
例えば、ラジオのパーソナルティーに偶然出会ったとする。多分、僕は初めて会ったにも関わらず、軽く声を掛けたくなる。「今日はなに、取材?へえ~」みたいな感じで。パーソナルティーは、電波を通して、親しみ易く語りかける人が多いから、知り合い感覚になってしまうのである。所謂、「芸能界の人だ!」っていう感覚は少ないと思う。語り手は聞き手、聞き手は語り手、お互いに . . . 本文を読む
「スミカ」
無事に終了した。「棘~トゲ~」「不感症の夜」「護りたいモノの覚え書き」と続いた、亡き人を思う作品。自分では意識していなかったのだが、全部父親のことを描いていた。男にとって、父親とはいつか越えなければならない存在。神話や、古典でよく扱われる題材であり、旗揚げをして、前に進む為に必要だったのかもしれない。
しかし、次の公演のテーマを考えた時、これ以上は進めないと思った。特に、取材中で岡 . . . 本文を読む
ある俳優の思いがけないカミングアウトがあり、抜き稽古は異様な緊張感で終わった。なんかいつも2倍、3倍疲れる稽古だった。
・・・・・・それからおよそ1年後のある日。劇団のワークショップの休憩中、カミングアウトした俳優の話になった時だった。「あれ、もしかして花村さん?」「なに」「 え~、信じたままだったんだ」「え?」「あれ、うそですよ」「え~~~、だって音が【パチ】って」「あれ、爪で弾いてんだすよ。 . . . 本文を読む
稽古には、抜き稽古というものがある。要は特定の場面を、関わるキャストのみで行う稽古のことだ。稽古を進めていく中で、どうしても何度も重ねないとうまく表現できない場面が出てくる。特に大事なシーンでは、よくあることだ。『スミカ』の稽古も例外ではなく抜き稽古があったのだが、その時というか、抜き稽古前の休憩中に事件が起こった。ある俳優が、「はなちゃん、おれ髪型可笑しい?換えようか」と涙目で言い、頭の側面に手 . . . 本文を読む
彼が指さしたその先は、食品や日用雑貨売っているようなお店だった。 だから、なんやねんと思ってよく見ると、店の前にある棚の下に大きな石がゴロゴロと積まれていた。 店先に大きな石? なぜ?僕らは直ぐに車を止めてその店に向かった。 「店の前にある石を貸してください!」 店の人は不思議そうな顔をしながらも、あっさりOKをくれた。やったー!僕らはこの偶然に驚きながら、 . . . 本文を読む
大きな石が必要だった。「スミカ」のオープニングで、亡くなった父(僕が演じていた)が、賽の河原をイメージした石を積むシーンがあった。なんの伝手もない小劇団は、大きな石を手配するのにどこで入手したらいいか分からなかった。単純に考え、僕らは多摩川の川原へ行ったのだった。
川原には大きな石が沢山あった。早速運ぼうとしたのだが、車まで何百メートルとある。重いが仕方がない。僕らはひとつずつ運んでいた。1時間 . . . 本文を読む
後日、「岡本太郎記念館」に出かけた。 予想以上の衝撃を受けた。 目の前にある作品は、まさに 『なんだ、これは!?」 岡本太郎にしてやられた。 すべてにおいて、してやられた。 言葉で言い表せない、岡本太郎の存在感。 この時から僕と岡本太郎の対決が始まった。 岡本太郎の作品や著書を目にする度に、心が激しく揺さぶられる。 作品から溢れ出す、生命の息吹。 僕の心の中に、強い共感と嫉妬感が渦巻く。 . . . 本文を読む
取材に出かけた。 葬儀屋では、かなり興味深い話が聞けた。 作家には限界がある。いくら頭で考えても、解からない事がある。 それを補ってくれるのが取材だ。 特に、僕は本の書き方として、なるべく説明セリフを書かないようにしている。 だから、現場や経験した人でしか出てこない言葉や感情を大事にする。 舞台上の人が「嘘」をつかない為だ。 火葬場の取材では苦労した。 取材に応じてくれるところがない。もちろん . . . 本文を読む
自分の居場所。 悩める人間のテーマだったりする。 あまり悩まない人でも、一度は考えことがあるのではないだろうか。 社会、家族、職場、友人、恋人・・。 様々な環境の中で、模索する自分の居場所。 特に創作する人間は、意識することが多いのだろう。 僕も自分の居場所を見つける為に、創作していると言っても過言ではない。 そんな思いから、次回公演の準備が始まった。 「モンタージュのスキマ」が終わって、準 . . . 本文を読む
「モンタージュのスキマ」 念願の下北沢進出。 無事に公演が終わった。 個人的には、4度目の下北沢。 初めてがなんと本多劇場だった。幸運にも、役者人生で2度目の舞台。 その次が、この下北沢「劇」小劇場で、これまた幸運にも、初主演の場所。 3回目はスズナリで、グリングの「jam」の時に。これまた幸運にも、毎日満員御礼で、グリングが演劇界で注目され始めた頃だった。 こう考えると、僕はツイテイル。 . . . 本文を読む
「モンタージュのスキマ」 後にも先にも、やったことのないことをやった。 劇団員の松本が、アニメ・ガンダムオタクの役をやったのだが、演劇史上、稀になことをやった。暗転(次の場面に展開するために舞台上が暗くなる事)前に、ガンダムの歌を歌っていたのだが、なんとそのまま暗転中まで歌ったのだ。 通常、暗転中は音楽や効果音が流れる。生歌でそのまま暗転なんて、今まで見たこともやったこともなかった。 かや . . . 本文を読む
「モンタージュのスキマ」 かやくごはん版映画「ワンダフルライフ」のようなものだった。 僕は映画が好きだ。 第2回公演の「不感症の夜」は、かやくごはん版「フィールドオブドリームス」だったし、映画の名シーンやテーマから影響を受ける事が多い。 ちなみに、僕が好きな映画は、大体サウンドトラックも好きだ。持っているビデオとDVDに、重ねてサウンドトラックのCDも持っている。 「棘~トゲ~」の時もそう . . . 本文を読む