上田秋成 佐藤至子 編 (2017年12月25日 発行)
『海辺のカフカ』の関連本としてkindle Unlimitedで探して読んでみた。初心者向けで、まさに私にうってつけのわかり易さ。
九つの怪談・奇譚のあらすじと原文の一部を、現代語訳とともに紹介している。ちゃんと物語の面白さに惹き込まれつつ原文の味わいも体験できる親切設計。日本三大怨霊の一人(崇徳天皇)がでてくる「白峯」から、もうわくわくしてしまった。
『海辺のカフカ』に関係があるのは「菊花の約」かな。親友との再会の約束を、死んで霊になってまで果たすという話。
たしかカフカ少年と大島さんの会話にも出てくるし、思いの強さで魂が時空を超えるという構造は共通している。
あと美少年に狂って鬼になっちゃった僧の話「青頭巾」とか、なかなかに衝撃的だった。
お金の精霊が現れて、金持ちを卑しい者とする人をアホだ的に批判する「貧福論」も納得の面白さ。これは小さい翁の形で現れるので『騎士団長殺し』のイデアはこの翁が元になっているのかもしれない。
江戸中期に書かれた話だけど、今読んでも面白い話ばかりだった。時空や常識を超えたなんやかんやに違和感がないのは、あの世とこの世の境目が曖昧な、幽霊や妖怪が隣り合わせに存在していた頃の話だからだろう。
【タイトルメモ】
あと美少年に狂って鬼になっちゃった僧の話「青頭巾」とか、なかなかに衝撃的だった。
お金の精霊が現れて、金持ちを卑しい者とする人をアホだ的に批判する「貧福論」も納得の面白さ。これは小さい翁の形で現れるので『騎士団長殺し』のイデアはこの翁が元になっているのかもしれない。
江戸中期に書かれた話だけど、今読んでも面白い話ばかりだった。時空や常識を超えたなんやかんやに違和感がないのは、あの世とこの世の境目が曖昧な、幽霊や妖怪が隣り合わせに存在していた頃の話だからだろう。
【タイトルメモ】
「白峯」
「菊花の約」
「浅茅が宿」
「夢応の鯉魚」
「仏法僧」
「吉備津の釜」
「蛇性の婬」
「青頭巾」
「貧福論」
「菊花の約」
「浅茅が宿」
「夢応の鯉魚」
「仏法僧」
「吉備津の釜」
「蛇性の婬」
「青頭巾」
「貧福論」