監督:ポン・ジュノ(2003年公開)
主演:ソン・ガンホ、キム・サンギョン、キム・レハ、パク・ヘイル
※ネタバレしています。
この映画を初めて見たのは15年前。未解決事件の映画化だったので、最後まで犯人は分からないことを理解した上で鑑賞したんですが、分かっていてもやっぱりモヤモヤしてしまった(苦笑)んで、久しぶりに見直してみました。久しぶりに見た理由は、『殺人の追憶』のモデルになった事件の犯人が昨年特定された(時効なので罪には問われていない)ことと、ポン・ジュノ監督のインタビュー記事に「ラストシーンは映画を見ている本当の犯人と目が合うことを狙った」と言っていて、ラストのソン・ガンホのアップは私たちへのメッセージではなく、犯人へのメッセージだったと知り、もう一度見たくなったというわけです。
いや〜、やっぱり面白いです、この映画。事件当時(1986年)の雰囲気、世相、文化など、猟奇的連続殺人事件がなぜ未解決のまま終わったのか?という過程がよく分かります。加えて田園の美しい風景、秀逸なカメラワーク、後のドラマや映画に影響を与えた数々の印象的なシーン。今もなお傑作と言わざるを得ないです。
ポン・ジュノ監督はこの事件の犯人像を徹底的にプロファイリングしたそうで、映画のラストで犯人を見たと言う少女がその顔をこう表現していました。
「普通の顔だった」
昨年特定された犯人の顔は、まさに”普通の顔”でした。供述によると、犯人自身はこの映画を3回見てるそうです。ソン・ガンホと目が合ったとき、なにを思ったんでしょうね。
【オマケ】
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