戦争と平和の本と映像 五味川純平『戦争と人間 1~18』三一新書、1965年~1982年
映画の方が有名になったけど、ボクは原作のこの小説の方を推薦します。むかし買った小説で、いま全18冊を少しづつ読み返しています。
1928年から1945年に至る長編で、原作としては3つの部分に分かれています。1の小説部分と、2の小説のなかの戦争情勢の客観部分、3の巻末の資料部分。
小説部分でいちばんメインになる新興ブルジョアとしての五代家の東京と中国東北を2つの中心に物語は進行します。
主人公たちの中心としてあげられるのは、やはり五代俊介と標(しめぎ)耕平でしょう。彼らの青春の苦闘に同年齢として熱く胸を高ぶらせたのを思い出します。
あれから40年も経って、こういう政治状況が現出するとは思わなかった。たくさんの俊介や耕平、由紀子や順子たちが、また苦闘する時代がくると思う。
このブログも、たくさんの俊介や耕平、由紀子や順子たちへのエール・応援の博物館でありたいと思う。
出てくる悪役がなぜか小説世界では生き生きして楽しんでいる。そういう悪の世界では、俊介や耕平、由希子や順子たちは生き延びるのに必死で楽しめはしない。
図書館や古書店で見つけてください。
( 雨宮智彦 )