
意外だった

クラスのみんなが、私を、
温かく迎え入れてくれた
事前に話していたキャキャが
うまく話してくれたのだろうか
安心した

シャヤさん
お身体大丈夫ですか
ナァナァ
うん、ありがとう

シャヤ
お前馬花だろ
うん、
そうだね
ミュミュ

シャヤ
お腹少し出たんじゃない
食べすぎよ
フォフォ

何でも言ってください
シャヤさん
相変わらず優しいね
パュパュ

はあ
チョチョ

なんだかんだいって
ここが私にとって
OASISなんだから

シャヤ
アイサ
身体どう?
うん
大丈夫
私、3年の学級委員長に
なったから、よろしく
そうなんだ
どうしたの
アイサってそういうタイプだっけ
推薦狙いよ
受験なんて面倒でしょ
そういうこと・・
うん、
それから担任なんだけど、
うん
私たちは3年間クラス替えがないけど、
担任は絶対変わるでしょ
うん
カワキタ・
そう
例外的に
2年から引き続きカワキタが担任だからね
直訴したらしいよ
そう
私かな
そりゃそうでしょ
責任感じてるみたいだよ
カワキタ
うん
わかってる

春休みに入った頃、
リャリャは一人で学校へ向かった
「シャヤが妊娠しました」
「なに」
「父親は僕です」
「何言ってるんだ、リャリャ」
「2人で話し合って出産を決めました」
「ちょっと待ってくれ、急すぎて。お前たちは付き合っていたんだな」
「はい。そうです」
「妊娠だと・・」
「はい」
「なんてこと、、2人でって親御さんはなんで言ってる。僕の母は賛成してくれています。シャヤの両親も承認してくださいました」
「本当なのか?シャヤの両親も?」
2月だった
僕とシャヤは東京から
帰ってきた
その足でシャヤの実家に向かう
「なんてことを!」
「すいません」
シャヤの父親は右の拳で僕を殴った
「堕ろしなさい」
「はい」
返事の声がした方を見た
シャヤだった
「ちょっと待ってください!お願いします」
「何がお願いします!お前たち連絡も寄越さないで東京なんかに行きやがって!その上、妊娠だと!舐めんな!」
「すいません。ですが、」
「なんだ!」
「僕が育てますから」
再び拳が振り上げられ、2発目を覚悟した

「お父さん!やめて」
声の主は母親だった
拳が止まり、ゆっくり高度を下げた
微かに父親が安堵の表情を見せた
「お父さん。堕胎しろって言うの?」
「・・・・」
「シャヤとリャリャ君の子なんでしょう」
シャヤは答えないから、
僕は応じた
「そうです」
嘘を吐くしかなかった
「もう、仕方ないじゃない。起こっちゃったことは。あなた、自分の孫の命を奪うことができるの」
僕の母親もそうだった、
正念場の腹の括り方は女の方が男らしかった
何故か、降ろしかけた拳で己の頬を平手打って父親は2階へと消えていった
「お母さん」
「私もおばあちゃんか」
母が娘に微笑を捧げて
「ありがとう」
「ありがとうございました」
一週間経って、
父親の前向を得たと、
シャヤから告げられた
「先生

やめてください」
すまない、すまない
と言って
カワキタは泣いていた

「3年生は全員欠席と。部活だから仕方ないか。てっ、なんで2年生もいないのよ!」
新年度初めての生徒会だった
3年生のミハルとチャメとオユウは、
それぞれ部活で欠席の連絡を受けていた


濡れてるよ

濡れていたいんだ
傘入る?
いや、いいんだ
生徒会は
行かないの?
もう少し
雨に打たれていたいんだ
意味わかんない
じゃあね

部活の方が大事だし


せいざ部の創設をお願いします!
先生方!
せいざ?

第1回生徒会 卯月
誰も来なかった


嘘ついてる

リャリャの子じゃない

命を愛すと言ったんだ

ロザーナは

birth

できる

できない

カワキタ

はい

退学させろ
2人