CMS(コンパクト・ミューオン・ソレノイド)ピクセルディテクター開発プロジェクトのトップ、ローランド・ホリスバーガー氏は、CERN(セルンと呼ぶ)のシリコンストリップディテクターをLEP(ラージ・エレクトロン-ポジトロンコライダー)のために開発し、このときの技術をさらに極めて、今年、ヒッグス粒子の発見を期待されているLHC(ラージ・ハドロン・コライダー)のための、粒子検出器を完成へと導いた。
LEPで素粒子の標準モデルを確認できた、W,Zボゾンを発見したのが、LEPでの実績。
今回は、陽子同士の衝突で発生する粒子(そのとき大量に発生する粒子の中に本当に必要なものはほんの僅かである)を検出する必要があるので、電子回路で信号をいかに増幅し、データを記録するかが大問題であった。
また、ディテクタは1000アンペア以上の電流を流すので、冷却は”手で仰ぐのでは間に合わないんですよ(ホリスバーガー談)”というほど・・・大変である。
彼らのチームはスイス連邦工科大学等と協力し、ついにスマートピクセルを開発し、
必要なイベントだけを電子増幅する3次元構造のシステムを完成させた。
これは、LEPでの実績をその土台とした高度な技術である。
私の設計した半導体ICの電源の電圧を検出する電圧検出器(これもディテクター)とはかなり次元が違うし、目的も違う。
こっちは、大量生産しても、特性があまりばらつかず、単価が安く、小さいパッケージにはいり、携帯機器の基板にちょこっと乗っかり、殆ど電流を消費しないように作ってある。でも、検出するのは単に、抵抗分割した電圧をコンパレータで比較するイベントだけで、いわば、1ビットのA/Dコンバーターだ。
今年の冬、上手く稼動しつづけ、ヒッグス粒子のなぞと、標準モデルの信頼度について、人類にとっての新たな知見が得られんことを望むばかりである。
LEPで素粒子の標準モデルを確認できた、W,Zボゾンを発見したのが、LEPでの実績。
今回は、陽子同士の衝突で発生する粒子(そのとき大量に発生する粒子の中に本当に必要なものはほんの僅かである)を検出する必要があるので、電子回路で信号をいかに増幅し、データを記録するかが大問題であった。
また、ディテクタは1000アンペア以上の電流を流すので、冷却は”手で仰ぐのでは間に合わないんですよ(ホリスバーガー談)”というほど・・・大変である。
彼らのチームはスイス連邦工科大学等と協力し、ついにスマートピクセルを開発し、
必要なイベントだけを電子増幅する3次元構造のシステムを完成させた。
これは、LEPでの実績をその土台とした高度な技術である。
私の設計した半導体ICの電源の電圧を検出する電圧検出器(これもディテクター)とはかなり次元が違うし、目的も違う。
こっちは、大量生産しても、特性があまりばらつかず、単価が安く、小さいパッケージにはいり、携帯機器の基板にちょこっと乗っかり、殆ど電流を消費しないように作ってある。でも、検出するのは単に、抵抗分割した電圧をコンパレータで比較するイベントだけで、いわば、1ビットのA/Dコンバーターだ。
今年の冬、上手く稼動しつづけ、ヒッグス粒子のなぞと、標準モデルの信頼度について、人類にとっての新たな知見が得られんことを望むばかりである。
またちょくちょく拝見させていただきます。