☆八喜為(はきだめ)てんてこりんブログ☆

神戸の賑やかな下町「新開地」に店を構える「居酒屋 八喜為(はきだめ)」
元気一杯な居酒屋店の日常を描きます☆

八喜為 阪神・淡路大震災からのキセキ ~新開地本店 元の場所でリニューアルオープン~

2012-06-08 15:01:21 | 日記

八喜為てんてこりんブログ 第8回目

いつもご愛顧賜り 誠にありがとうございます


写真:串かつ 玉ねぎ 

大変お待たせ致しました!!

前回から引続き、阪神・淡路大震災後の復興のお話をさせて頂きます

 

その前に、昨年2011年3月11日に発生致しました東北地方太平洋沖地震で被災された多くの方々へ、心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
また、1日でも早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 

さて、今回は「八喜為新開地本店、元の場所でリニューアルオープン」のお話です
(このブログは、阪神・淡路大震災にあわれた大将やおかみさん、当時居合わせたスタッフさんのお話に基づいて綴らせて頂いております。)

新開地本店のリニューアルオープンに向けて、プレハブ仮設店舗で営業をしながら、準備を進めていくスタッフの皆

新しい食器を買いにいくスタッフ、メニューを考えるスタッフ、厨房の設備を確認するスタッフ、外部業者とのやりとりをするスタッフ、チラシや案内ハガキを作成するスタッフなど、色々な仕事が振り分けられました

そして、今回のリニューアルを機に、お客様の注文をとる際に利用するハンディコンピュータ&レジを導入することになったのです

 

平成9年(1997年)8月24日(日)にプレハブ仮設店舗を閉め、さっそく荷物の移動が行われました。
冷蔵庫をはじめ、鍋や調理器具、食器やテーブルにイスなど、ありとあらゆる物が運び出され、新たな希望を胸にプレハブ仮設店舗をあとにしました 

 

オープン予定日まで、あと12日

 

翌日から、おかみが必死でスケジューリングした予定表に沿って、皆が動き出しました

そして、この間に大きく変わる人事異動に備えて、大将は営業中の元町店と準備中の新開地本店を行き来をしました 

オープンに向けて、料理の仕込みをするスタッフ、店舗の掃除をするスタッフ、そして新しく導入したハンディコンピュータを使って、コンピュータ会社さんの指導の元で、接客練習を繰り返す、おかみと新しい店長と新しいアルバイトスタッフの皆

1日の終わりには、皆で集まり、もじゃもじゃと反省会が行われ、そんな1週間が続き、いよいよ

 

平成9年(1997年)9月1日(月)&2日(火)

リハーサルオープン


オープンに関わる業者さんをはじめ、八喜為に関わる多くの方方々にご来店頂き、お好きな物をお好きなだけ注文してもらい、提供するという、ありがたい練習の場を設けさせて頂きました
閉店後には、お客様から頂いた意見や感想、スタッフ同士で気づいた点や反省点を出し合い、新たな対策を立てて、オープン本番に向けて最終調整を行っていきました。

 

そして

 

平成9年(1997年)9月5日(金) PM 4:00

リニューアルオープン


オープンから3日間は『生ビール中ジョッキ50円+粗品(八喜為オリジナルはちまき)』

という大喜びプランで再スタート

 

そして次の週からは、ランチ定食も再開

ちなみに串かつ定食は驚きの290円

 

震災で全壊した時の辛さと苦しみも、この一瞬にして大きな喜びに変わりました
地元のお客様や昔からのお客様も、噂を聞きつけ、足を運んでくれました

 

お店が全壊した時には、一番涙を流していた先代の八重野おばあちゃんも、ご来店くださるお客様のため、信楽焼たぬきの横にちょこんとすわり「いらっしゃいませ」と、100万ドルの笑顔で毎日お客様を迎えたそうな

 

肝心の店内の様子ですが、新しく建てた店内は、倒壊前の本店とはまったく違うつくり
ご存知の方も多いかと思いますが、以前の店内は1Fはぐるりのカウンター席が約30席、小さなテーブル席が4つあり、カウンターの中に串かつ・焼とり・一品料理まな板厨房が1つにまとまってあり(大きな回転寿司屋さんのイメージ)、2Fは40席ほどの表座敷と20席ほどの奥座敷、10席ほどのカウンター席とテーブル席が2つ、焼き鳥専用の小さな厨房がありました

そんな以前のお店とは、まったく違う構造のリニューアル店舗内
1Fは10席ほどのカウンター席と、テーブル席がひとつ。そして、一品料理を調理する専用のまな板厨房があり、2Fは7席のカウンター席とテーブル席が6つ、10名ほどの小さなお座敷席と50名ほどの大座敷、串かつ・焼とり専用の厨房ができました

しかし震災後で、建物を建設した業者さんや大将も頭の中が混乱していたのでしょう
なんと厨房が2つに分かれてしまったのです

これによって、もちろん営業中にも混乱が生じます
リフトの中で商品がいったりきたり、ダブって商品が出てきたり、料理を出すタイミングが合わなかったり、スタッフも階段を登ったり降りたり…さぁこりゃまた大変

しかし、これこそ、まさにその名のとおり八喜為(はきだめ)

ダブって出てきた商品は、えびす笑顔でおかみと店長がお客様に売ります
料理が出てこないお客様には、頭を下げておわびを入れ、次の瞬間、厨房に向かって鬼のような顔で料理催促のゲキを飛ばします
ゲキを飛ばされた厨房のスタッフと大将は、これまた鬼のような顔で超スピードで料理を仕上げます

ご機嫌ななめになっていたお客様がそのパフォーマンス性に思わず笑ってしまうほど
八喜為にたくさんの鬼が誕生した瞬間でもありました

そんなこんなで、混乱した複雑な厨房システムに慣れつつ、使い慣れないハンディコンピューターを扱いながら、色々な対策をたて、スタッフ皆が臨機応変な動きをするようになってきたのです

 その後も必死で毎日を乗り越え、気がつけばあれから15年・・・現在の八喜為に至ります

今や、神戸もすっかりキレイな街に戻り、おだやかな日常を送っていますが、ここに来るまでは、たくさんの人の涙と汗、必死の努力があったに違いありません。そういった意味では、まだまだ神戸も復興途中であります

 

今までのお客様から受けた喜びや感謝を元に、これからもお客様を笑顔に出来る老舗であり続けられるよう、ますますスタッフ一丸となって元気いっぱいに頑張って参りたいと思います

 

どうぞ、今後とも末永くご愛顧、宜しくお願い致します

 

以上、~八喜為 阪神・淡路大震災からのキセキ~ でした

 

 

次回からは、八喜為のてんてこりんな現在の日常を描きます

お楽しみに

 

 

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